1. 久々の、三谷(三谷視点)
出張から帰って
久しぶりに支店に戻ると
女子社員たちに囲まれる。
自分で言うのもなんだけど
・身長 180センチ
・細身
・手足長め
・黒髪
・色白の肌
・営業成績もここ5年トップクラス
・32歳 彼女なし
・小学生から大学までサッカー一筋
・友達多め
・真面目・・・・・・・言い出したら止まらないけれど
とてもとてもいい男だと思う( ´∀`)
片思いを拗らせ
今の楽しみといえば、
飲み会での写真に小さく写り込んでいる彼女を眺めるだけ。
連絡先も知らなければ、
会話すら何年もしていない。
同じ会社に所属している。
それだけが、幸せの光となっている。
行動に移そうと思えば移せる。
でもやらないだけ。
大きな波も風も立たない日常は嫌いではない。
今日もこうして
女子たちにチヤホヤされて、
笑顔を振りまける。
そんな自分も嫌いではない。
そんなとき、
同じチームで二人三脚でやってきた
ミサキ先輩に遠くから声をかけられた。
「あ、三谷くん!こっちこっち!」
振り向き、すぐに駆け寄ると
そこには 長濱 がいた。
ちょっ!ちょっ!!
ちょーっと!!
わぁーーーー
あーーーーーー!
長濱!!???
心は穏やかではなかった。
だって、だって、だって、
ずーーーーっとずっと前から好きだった長濱が
なんで?!
なんでここに??!
顔に気持ちが出ないように、
心臓が口から出ないように、
冷静を演じ切るのに必死になる。
背中の汗が止まらない。
ミサキ先輩の退職後、
後任が長濱に決まったのか?!
と 悟ってからは、
頭が真っ白になった。
そのあと、頭の中はお花でいっぱいになった。
嬉しくて 嬉しくて
その後どんな会話をしたかは全く覚えていない。
でも、長濱が俺のことを見てくれた。
それだけは覚えてる。
知りたいことがいっぱいある。
彼女が好きなテレビ、好きな食べ物、好きな色や好きな動物・・・
家族構成は? あと・・・・ 彼氏は??
気になる。
なんだかとっても気になる。
よし、紙に書き出してみよう!!!
今夜は忙しくなるぞぉ〜〜〜〜〜〜
出張の疲れも忘れて
夜更かし決定の三谷さん。