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団子食べたい  作者: 社容尊悟
3本目

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49/65

驚愕の真実

「キッスの一つでもあげたいくらいだけど、ここじゃあ人の目についてしまうわね。こんなところで告白するあなたも悪いのだけど。あなた、お名前は?」

(いらねえ……!)

「市川端午です」

「そう。タンゴちゃんて言うのね。だから団子パーティに興味を持ったのかしら」

「そうですね。でも、僕はあなたに会いたくて……」

 壱は市川端午という架空の人物を演じ続ける。

 霧生を好きな人物のように振る舞う。

 霧生は気持ちよさそうに、頬を紅潮させて抱きつかんばかりに、じりじりと距離を詰めてくる。

 壱は反射的に後ろへ、後ろへと下がっていく。


「まあ、何と可愛らしい仔猫ちゃん」

「……いえ、僕は仔猫などでは……」

 これが店内で繰り広げられているのだから、店員はたまったものではないだろう。

 店員の苛々した雰囲気を肌で感じ、壱は霧生に言った。

「あの、外へ出ませんか?」

「そうね。じゃあ、外で待っていてちょうだい、タンゴちゃん」

 宝石店の店員と話をしてから、霧生は出てくるみたいだった。

 壱は外に出て、暫く待っている。

 壱は携帯電話を持っていないので、テルたちと連絡を取ることはできないが、うまくいけば団子パーティにいく話をつけられる。

(何もなければ、いいんだけど……)


 今まで大きな事件を任されたことがなかったので、携帯電話は必要ないと思っていたが、次からは携帯電話を持っていたほうがよさそうだ。

 壱が退屈そうに待っていると、笑顔の霧生がどすどすとやってくる。

 壱は元気のいい声で、待ちくたびれたとばかりに呼びかける。

「霧生さん!」

 次の瞬間、霧生の口元が醜く歪んだ。

 犯罪者みたいな真っ黒な笑みを浮かべ、壱の本名を口にする。

「お待たせしたわね、団子山壱ちゃん」

「えっ……?」

 壱は驚愕する。

「よくも嗅ぎつけてくれたわね。たっぷりおしおきしてあげるわね。可愛い可愛い壱ちゃん」

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