表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
掃除組  作者: 飛鳥 希望
2/2

神からの神秘

続きです。お楽しみください。


茶屋の一室。その奥にも部屋がある。扉を開けて奥へ進む。先ほどよりも広い部屋。そこには、大きなテーブルとそれを囲む13脚のイスがある。イスにはそれぞれ漢字一文字と、色がついている。そしてイスに座る人物が二人。


「あ、紅如殿じゃないか、こんにちは」


一人が手を振って声をかけてきた。センパイの弥重やえさんだ。優し気で整った綺麗な顔立ち。黒い髪は綺麗に揃えられている。一見どこかのお坊ちゃまのような美男だ。実際そうなのかは分からない。そのことをきいても答えてはくれなかったので真相は不明だ。そしてなぜか殿呼び。


「今日もこれから悪菌を掃除しに行かなければならないんだ・・・ああ醜い。服が汚れてしまう!」


弥重さんは戦いを嫌っているようで、昨日も服が汚れると嘆いていた。なんでこの人掃除組に入ったんだろう・・・。


「だ、大丈夫!私がちゃんとサポートするから!」


そんな弥重さんに声をかける少女。弥重さんとタッグの卯橙うとさんだ。戦闘の面では頼りなさそうな弥重さんを支える相棒・・・にしては気弱そうな感じだ。茶色の髪を肩まで下ろしている、瞳の大きい可愛らしい少女。声もとても可愛らしい。

 一体このタッグはどんな戦法で掃除を実行しているのだろう。


「紅如さん、先に説明はじめちゃいましょうか!」


卯橙さんが僕に手招きした。


「こちらに来てください!番決めを行います!」



扉からテーブルをまたいだその先に、小さな扉があった。のぞき窓用のスペースに宝石がちりばめられている古びた、それでいて重圧そうな扉である。通るときは少しかがまないと頭がぶつかりそうだな・・・


「じゃ、ちょっと紅如さん連れてくから。弥重、そこで大人しくしててね!」

「ああわかった。紅如殿。あの『神からの神秘の褒美』の感想を、あとでたんまり僕に話してくれ・・・!」


神からの神秘・・・?何のことだろうと卯橙さんに顔を向けてみると、卯橙さんは弥重さんを見ながらあきれ顔でため息をついていた。




卯橙さんがリズミカルなノックをし、扉を開けた。

ギイイイイイ

やっぱり重圧な音をたてて開いた扉の先には、分厚いカーテン。その中に小部屋があった。占い師が使いそうな小さい高価なテーブル。高価なイスが二脚。そしてテーブルの上に・・・水晶玉。

ここは占い屋か・・・?

ぼやきそうになった時、突然前から声がかかった。


「導かれし使いよ。これから番決めを行う。そこに直れ。」


向かいのイスにマントを着た子どもが座っていた。

は?使い?さっきも言ってた番決めってなんだ?てかいつから居た?

頭が混乱しそうだ。一気にアヤシイ雰囲気だぞ。なにが起こるっていうんだ・・・?


「それじゃ、紅如さん、頑張ってください!仲間入り、期待してますよ!大丈夫、すぐ済みますから!これ」


そう言って僕の肩をぽんとたたいてそそくさと出て行ってしまった。

コワイ。本能で感じてカクカクしていると、背後からなにやら殺気を感じたので大人しく言われた通り高級イスに座る。

・・・コドモだ。目の前には子どもがいる。しかし表情のない眼。怪しげなマントを着てフードを被ってイスに座っている。水晶玉に手をかけ、なにやら水晶玉を見つめていたが、顔を上げこちらを向いた。


「汝の手を水晶玉に掲げよ。」

「手・・・?はっ?なんで?!てかここなんなんだ?!」

「いいからはよせいっ!!」


子どもから暴言。やっぱりコワイ。色んな意味で。僕は震えながら手を水晶玉にかざした。


水晶玉は白く光り出した。部屋が光で包まれる。まぶしくて目を瞑りそうになったが、水晶玉だけはハッキリとみることができた。

・・・牛。水晶玉の中に、最初に牛が見えた気がした。そのあとおそらく様々な動物が水晶玉のなかを駆け回り、背景には様々な色が絶えず切り替わり、流れる。

綺麗だ。とても綺麗だ。いつのまにか瞬きを忘れ、水晶玉の中の世界を感じていた。神秘。人間では計り知れない何かがそこにはあると感じた。飲み込まれてしまいそうだ・・・。


「手を離せ。番決めは終了した。」

いつのまにか光は消え、目の前にはあの子供がいる。まるで今の光景がなかったかのような静けさがあった。今のは一体・・・。

ふと、手に熱を感じた。そう感じ掌に目をやると、掌に赤く淡い光が宿っていた。その中に漢字の「丑」の文字が見える。赤い光は徐々に消え、掌には牛のシルエットが描かれた赤いカードが残っていた。

「汝を赤の番・丑の使いに決す」


ここまで読んでいただきありがとうございます!次回の楽しんでいただけたら幸いです。


次回予告 神からの神秘はいったい何なのか、あの光景とカードは?その説明があるかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ