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小田原城のこと

「して林殿は天下平定まで何年とみる?」

「大体5年、どこぞでコケれば10年かと」


「それを2年で成したら、硝石相場は下落しような。更に織田家は自家生産出来るようになったと噂を流して、硝石を購入しなくなれば、信憑性が増そう?」

「正しくそうよな、したが2年で天下平定とは実際如何にする?」


「天下の難攻不落の城を、味方に損害無く落としたと諸大名が知ったら、今後織田家に逆らえる者は居るの?」

「それはどエライ衝撃じゃろうな、だが人間、自身の目で観ねば納得せんぞ」


「戦には見物人が普通に来るであろう?屋台を開いて商売を始めるものも出る。

そこで正式にこちらから各々方を招待するのよ。 天下の一大興業よ」

「フム、デカイ話になったの」


「来年の春先に京都御馬揃えがあるそうじゃな?」

「そのようじゃな」


「それで織田家の権威も高まろう?

更に全国の大名家や国人衆、公家衆、豪商を集めて目の前で堅城を開城させれば、納得せんかの?」


「納得はしようが、周りと小競り合いを繰り返してる大名は参加しにくかろう?」

「各大名には勿論、観戦の招待をだしてだな。観戦の間は全国に私戦禁止令を出せば如何かの。

織田家が奏上し朝廷の勅令としてな。」

「して、確実に勝てる手立てはあるのか?」


「まずは砲と移送する帆船の用意。帆船は建造後半年ほど瀬戸内海と外界で操船訓練する。大砲は試射済みをそうさな、10門以上揃えるかの。

対戦相手に開戦を伝え、他の大名たちには今後の私戦禁止令を出し、観戦を促すのじゃ。

で10万前後の軍勢を繰り出すが、それは観戦者と大砲の防衛用じゃの。

で観戦者を戦場を見渡せる位置に誘導してな、敵の突出を防ぐため、馬防柵に鉄砲隊を並べて、その後ろに船から大砲をサッと降ろしての、後は大砲で城門撃破よ」

「帆船というが、まだ持っても居まい?作戦に組み込むには不安定では?」


「確かに陸路でも大砲を押していけるがの、ワシはこの戦で織田家の強大さを天下に知らしめると同時にな、

その織田家を凌ぐ南蛮人、いや、いつまでも南蛮人と侮るような言動も改める必要があるな。

あやつらは自分たちの居る辺りをエウロパ(ヨーロッパ)と呼んでおってな」

日本・アジア・エウロパの位置をざっくりと

酒瓶や茶碗を置いて説明する。


「でこのエウロパ人が、巨大な帆船に大砲をのせてやってきておろう?

その脅威を、代わりに織田家が実演して日本一の堅城を即座に落とし、世界の現状を日本中に知れ渡らせるのよ」

「日本一の堅城とは小田原城か!だが北条家は先ごろ織田家に、臣従を申し出ておるぞ」


「そう、その北条殿に賭けを申し込むのよ。織田方が小田原城の城壁を打ち破れば北条家は2カ国のみ所領安堵で織田に臣従。

出来ねば同盟して関東のことは北条殿に任せるとな」


「臣従を申し出て居る以上、所領減は覚悟しておろうしの。

案外乗るかも知れんな、小田原城の堅牢さを頼みにしてな。」


「今年の正月に氏政殿を安土城にでも呼んで、上様との会見で決めるで良いのではないかの。

武田や上杉の中より調略に応じる者も出るだろうし、叩く順番も流れ次第であろうよ」

「そうさな、流れは上様に任せるでよいな。だが帆船の方はお主、考えはあろうな?」

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