表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/57

硝石の製法と扱い

「日本全体がピンハネされておるとな? それは南蛮人によると?」


「当然それは有る、日本はあちらの物価をわかっておらん。分からねば珍しい物なら高値で買うてしまおう。

あちらでは庶民でさえ買える物もこちらでは上様ぐらいしか買えぬ有り様じゃ」

「そうかもの、が外国以外にもおると?」


「それよ、鉄砲が日本に伝わってきたのは、上様が元服する少し前頃じゃろ。

その最初の値段から今は100分の1ほどに下がっているらしくての」

「暴落じゃの」


「うむ、銃はそこまで安く作れるようになったんじゃがな、肝心の火薬に必要な硝石の作り方がよく分かって居らん。

しかし銃は織田家でも1万丁は超えようし、日本全国合わせれば数万丁となろう。

それに必要な硝石を全て外国から買っておるのか? とな」

「日本で密かに硝石を作っている奴がおるやもと言うことか?」


「あぁ、ワシは本願寺辺りが怪しいと考えておる。

門徒なら口が硬いし、あちこちに伝手が有るでな」

「一向宗か、織田家は奴らの鉄砲に苦しめられたからの、特に雑賀衆よな」


「雑賀衆のとなりに根来衆もおろう?」

「そうよな、根来衆ならお主の配下であったな。何か掴んで居るのか?」


「いいや、硝石を扱う堺の豪商に聞いてみたが、和船で偶にまとめて売りに来る者が居るそうじゃ。

ただ九州辺りで南蛮人から買うたのを転売してる、と見ていたようだがの」

「根来衆が川を伝って堺まで硝石を売りに来ておると?」


「可能性は高いと思うとるんじゃ。ただ他にも居そうに思えての。

火薬の原料は硝石と硫黄と木炭じゃろ、硫黄と木炭は日本で手に入るろ?」

「そうじゃな」


「硝石も動物の糞や尿を含んだ土が乾燥したまま5年10年経つと自然と出来るらしい」

「なんと、そこまで掴んで居るのか!」


「寺とかの軒下の乾いた砂の上に出来るらしくてな、火の中に放り込むとぜるらしい。

それが面白くてガキ共が遊んでおるとな、小便石で汚いからやめろと大人が注意する地域もあるそうじゃ」

「なんと、原料自体は日本にあったか」


「そうなんじゃ。昔に元が攻めてきた時、火薬を使った武器を使ってたろう?」

「てつほうとかいうたかな」


「それじゃ、ただ音がうるさいだけで、威力は大した事無かったようだな。

その後改良もされておるが、火薬の製造方法は日本には秘密にしておったそうじゃ」

「元寇を2度も撃退した日本を警戒してかの?荷留めされてた様なものか」


「そんなところじゃろう、その方針は後に、明になっても変わらずでな。

ただその火力で以って周りの国に優位を保っておったのだがな、今や南蛮人が海を伝って日本まできておろう、そちらの硝石の方が性能がよいそうでの。

押してた明が押されるようになったのよ。」

「南蛮人の硝石は何かひと手間加えられておると言う事か」


「たぶんそうじゃろう、塩田から塩を作る様に純度を高めとると踏んでおるがの」

そこで助介の方をみる。


「助介よ、上様の方で製造法を抑えてるとか、すでに生産しておるとか聞いておるか?」

「いえ、無いでござる」


「助介は何処の生まれじゃ?」

「近江国甲賀にござる」


「甲賀衆か、薬の扱いにけておったな。惣を成して大事な事は合議制で決すると聞く。

お主の関係者や近隣の村で火薬を作っておる者はおるか?」

「質の悪いモノは作れても、鉄砲に使えるまでに至ってないかと」


「まぁ、居てもよいのだがな、改めて問う、甲賀衆は戦乱を長引かせたいと願うか否か?」


「否でござる。織田家に忠誠を誓うものにて。

平時にても忍びの必要はあると思案しまする」


「国内平定後は海外も活動範囲たりえると想定しておけ。あとここでの話は上様以外他言無用ぞ!」

「ハッ!承知でござる」


「よし、では火薬の話に戻るが、原料は只同然だろう。製法を秘蔵して高笑いをしてる奴が居るのではと思うとな、なんとしても裏をかいてやりたくなっての」

「なにか考えはあるのか?」


「もし天下統一が予想以上に速く成りそうなら、そやつらはどう動くかのう?」

「平和になって火薬の需要が無くなると思えば、硝石相場は下落すると予想するだろうよ」


「そこで織田家が製造法を買い取ると言えば、どうであろうの。

製造許可を出すのが織田家として、最初に名乗りでたものには大金を与える、と言わばどうかの?」

「ハハハッ、相場は下落し2番手になれば以後の製造も危ういとなればこぞって売りに来ようの」


「複数現れた場合は質の良い所を1番にしてやるとか、同質ならば値段を入札させて一番安い金額を書いた所を採用もできるの」

「お主も悪よの」


「なに、戦国の世などサッサと終わらせたい

だけじゃ。南蛮人が続々と拠点を伸ばしてくる

時勢に、国内で争うなど無駄だからの」

もっともじゃな」

加賀藩が五箇山で1586年から火薬の製造を極秘に行っていたという記述を見かけた。が、織田家についての記述は見ていないので、1580年現在織田家は製法をまだ持ってない設定でいきます。

(火薬関連のページ20ぐらい開いた気がする)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ