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堺の屋敷へ

小説を書き始めてから2週間足らずですが、紀行物、

特に空中からの俯瞰でみるエウロパ・日本の遺構・風景

をただ流す映像がお気に入りに成りました。

小説のネタに使えるかなと見る眼が変わりました。

NHKの深夜によくやっているので録画して小説書き

ながら見ています。

ほふぁ、ンムンム、、、

昨日は林殿の家で今日は妙覚寺か、、、

綿布団の居心地の良さは最高じゃ!


微睡まどろみの中、今後の事をあれこれ考える。

帆船・船員・通訳・地球儀・五賢帝時代・

信栄の事、やることは色々ある。


朝早くから手足に力がみなぎる。

綿布団はやる気の元よの。寿命が延びる。


さてと周りを見回すと、朝日と鳥の鳴き声の中、

林殿も助介も起きていて手荷物を纏めている。

朝の挨拶をかわし、ワシも荷物と布団を

風呂敷に包む。


出された茶漬けをき込む。

一服しつつ上様に挨拶してから行くか考えていると、

助介が書状をワシと林殿それぞれに渡す。


滞在場所への上様からの申し伝えである。

ワシらの極秘滞在についてよろしく頼むとの

事が書かれてるようだ。


上様はまだ御休みで、昨晩の内に書状を用意

してたようだ。

カステラも数本渡された。7日ほどは保つそうな。


では先に出るかと林殿に向かい合う。

「林殿は供回りは何人つけるかの?」

「某は護衛2人に使い走り2人も居れば充分よ。

お主のほうが人手は必要であろう?」


「ご好意感謝いたす」

助介も異存は無いようだ。


「ではご健勝にて」

「応!ではまたの」


林殿と供回り4人はそれぞれの荷物を抱え、

京都所司代の村井殿の屋敷へ歩いていく。


ワシらは堺まで距離があるので、騎乗である。

淀川下りでも良かったのだが、万一も考えて

街道を行く。

布団など嵩張るものは荷物用の馬に載せる。


「では参ろうか」

堺まで馬が疲れぬ程度に早足で進む。

下り坂が続くので自然と足並みも早くなる。


織田家領の特徴である街道整備が成されていて、

幅は広く平坦で歩きやすい。

所々の水場で休憩しつつ、渡されたおにぎりを

昼に助介らと食べる。


畑仕事で疲れた農夫が道端で昼寝している。

治安が良く守られている証拠である。


人との信頼を何よりも大切にする上様の方針が

まさに成果として出ている。

これを早く日本全国に波及させねば、、、



馬に揺られて腰も痛くなった夕刻に堺に到着する。

織田家の蔵屋敷は港のすぐ傍にある。

港内を見渡せてる位置で都合が良い。


助介が門番に言付けし書状を渡す。

暫くして代官が現れる。


「事情は聞いております。さっ、中へ」

先触れが出ていたのだろう。


「ウム、当面こちらに長居すると思う。

よろしく頼む」

「追加で必要なものは遠慮なく申して下され」


お互い顔は見知っているが、名乗る事は無い。


馬を使用人に渡し、荷物なども運び込まれる。

屋敷の港側の部屋へと案内される。


滞在費用を先渡ししようとするが、固辞される。

業務内ということだろう。


夕闇に包まれ、灯台に火を灯していると

食膳が届けられる。

今後の食事の心配は必要無さそうだ。


夕食を済ませ井戸で身体の汗を拭き、厠の場所を

確認しておく。


戻ると2つの布団が敷かれている。

助介とワシの分だ。他の者は隣の部屋に入る。


「さて、寝る前にまず確認したい。高野山に居る

信栄と従者をこちらに連れてこれるか?」


「その事ですが、こちらの書状を」

書状にサッと眼を通す。上様から高野山の管長

へ宛てたものである。


『余と信盛は和解した。暫く極秘にするが、

口裏を合わせて欲しい。余から信盛親子の高野山

からの追放要求が有ったが、高野山は断った。

事情を知った親子が自主的に去った、という事に

して欲しい』との内容である。


これだけでは信栄は納得せぬやもと思い

管長と信栄宛にそれぞれ書状を書く。

和解した事、極秘の任務に就く事、信栄にも

手伝って欲しい事などである。拇印も押す。


書き上げた書状と迷惑料として少なくない金を

包んで助介に渡す。明日使者を出して貰う。

カステラも1本持たせる。


取り敢えず今出来る事を済ませ、早々に

寝ることにする。布団に包まれて安らぎの

船の事に考えを巡らし信盛は眠りにつく。

・・・

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