表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/8

出会い01


 とある森に、人間嫌いの魔法使いが住んでいた。

 魔法使いは森に自らが創り出した魔物を放ち、誰にも邪魔されず平和に過ごしていた。


 そんなある日、小屋の外から子どもの泣き声が届いた。


「魔物避けの香を持っているな……?」


 窓から外を覗けば、幼い子どもがそこを泣きながら歩いている。手には欠片となった魔物避け。

 魔法使いが近くの村に提供している物だった。定期的に日用品と交換している物だったが、その遣いにしては幼すぎる人間だった。


「……仕方ないな」


 全ての魔物に襲うなと命じるのは面倒で、魔法使いは渋々外に出た。


 子どもは魔法使いを目にとめると、驚いたように目を見開いた。


「た、食べないで」

「何を言っているんだ」


 保護が必要かと外に出てみればこれだ、と魔法使いは苦く呟いた。

 彼の人間嫌いは何度も裏切りに遭って来たからであったが、今は人間自体に嫌悪感がある。

 村人であっても、利用してやろうという輩は何度も言い寄って来ていた。


 今回は目にしたのが子どもであった為、例外的な行為だ。


「迷子なのか?まさか、村の遣いではないだろう?」

「まいごだけど……おうちには、かえっちゃだめだから」


 しゃくりあげて泣く子どもに舌打ちし、魔法使いはとりあえず小屋へと招き入れたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ