Solved/Unsolved : 4【挿絵あり】
※第4章では、これまでの大きな謎がいくつか解けて、第5章以降の物語にとって非常に重要な謎がいくつか散りばめられています。この部分は、作者自身も内容を振り返りやすいように作っているものです。読んでいただかずとも、今後のストーリーを楽しむのに支障はありません。ですが【Unsolved】パートには、今後頭の隅に置いていただきたい情報を記載しています。
第4章「失われた記憶」編がようやく終了しました!!これまでの物語の中でも、特に重要な意味を持った第4章。スタートから約4ヶ月で完結させる事が出来ました。実はこの第4章、すでに4年前には書きあがっていたのですが第3章までの物語を大幅に改編した影響で、全て公開するのに少々時間が掛かってしまいました。
既に明らかになっている、解決している事を【Solved】
まだ明らかになっていない、解決していない謎(現時点で言及出来る範囲での紹介)を【Unsolved】
としてここにまとめます。これは著者自身が内容を整理するため、そして読者の皆さんが「あれ?これってどうなったんだっけ?この言葉何だっけ?」となった時に確認していただくためのものです。
また、最後には【Geography】として第4章で登場した、もしくは名前だけが登場した地名と概要を紹介しています。
改稿(2020/03/04)
【Solved】
・アレス・マーチ
黒魔術士騎士団所属の黒魔術士。騎士団長直轄部隊M-12のひとり。“暴風のアレス”の通り名を持つ、体長2メートル越えの大男。普段は鋼鉄製のマスクを着用しており、会話どころか一言も発する事は無い。その理由は彼の黒魔術にあった。
アレスがマスクを外して少しでも口を開けば、周囲には全てを吹き飛ばす暴風が吹き荒れる。それは非常に強力な自然であるが、同時にコントロールが非常に難しい。そのため、1人でミッションに駆り出される事はまず無い。
ほとんどの場合彼はユニと行動を共にし、暴風によって彼女の鬼火を強化する。裏切り者ジュディ・アージンを排除する命を受けるが、ジュディの奥の手によってオーブを奪われてしまう。ちなみに本名はアレス・ウィルマ。
・ユニ・ジュン
黒魔術士騎士団所属の黒魔術士。騎士団長直轄部隊M-12のひとり。常に上から目線で強気な物言いの、小柄な女性。
召喚と獣化の使い手であり、特殊な魔獣“鬼火”を召喚したり、自身の身体を鬼火化させる。鬼火は意思を持った生きた蒼炎。普通の炎の黒魔術とは違い、炎自体が1つの生き物であり、簡単に消える事は無い。
アレスの暴風によって鬼火は最大限の威力を発揮する。アレスと共にジュディの排除に向かうが、相討ちに。アレスと違い、姿を消してしまった彼女の行方は知れない。本名はユニ・ファトゥス。
・ジュディ・リース
黒魔術士騎士団女騎士、そしてトランプ・サーカスのクイーン・ハート。
2つの顔を持つジュディ・アージンの正体。それはセルトリア王国から遠く離れたウィッシュバーグ王国の第2王女ジュディ・リース。母親である女王に振り回される不自由な生活から解放されるため、彼女は王族の身分を捨てた。
ウィッシュバーグ王女が代々継ぐ名“レジーナ”。ジュディが現在名乗っているファミリーネームには、かつての身分への未練が表れている。ARGINEはREGINAのアナグラムなのだ。
ジュディはP.T.ジョーカーから得た霊魂の黒魔術を失わないため、騎士団やベルを裏切る行為を働いた。捨て身の戦法で2人のM-12に勝利したジュディの安否は不明。ちなみに、彼女の元々のファミリーネームREATHはHEARTのアナグラム。
・セルトリア王国の地名に残された帝国の名残
セルトリア王国の4代都市の頭文字を並べると、かつて同じリオーズ大陸に存在した帝国の名前が浮かび上がる。
王都エリクセスのE、北部山岳地帯ロッテルバニアのL、南部遺跡都市バレンティスのB、東部貿易都市ブレスリバーのB、西部開拓地アドフォードのA。これらを並べると、ELBBAとなる。
・古代のオーブ
通常オーブは青っぽく発光するものだが、100年以上空中を漂い続けているオーブは、緑色の光を放つ。これを古代のオーブと呼ぶ。
古代のオーブは、普通のオーブと比べてゴースト化する確率が高く、近くにあるものにすぐ憑依する。珍しい古代のオーブは一般市民立ち入り禁止のバレンティス遺跡地区で多く見られる。遺跡地区が立ち入り禁止になっている理由に、古代のオーブは何らかの関わりを持っているのかもしれない。
・エルバの意志を継ぐ者
実しやかに都市伝説として囁かれる“エルバの意志を継ぐ者”。トランプ・サーカスのジョーカー団長は、騎士団を欺くためにこの都市伝説を利用した。
かつての帝王の意志を継ぐ者が、帝国を滅ぼしたセルトリア王国やリミア連邦に復讐しようとしていると言う噂。この都市伝説は人々の恐れから生まれた迷信だった。実際は“エルバの意志を継ぐ者”ではなく、かつて滅びたはずの帝王エルバが生きていた。
・スリの犯人
人口密度が高いバレンティスの市街地で、ベルは自身が騎士団員である事を証明する騎士団証 (ベルトのバックル)をスラれてしまう。
そのせいで遺跡地区への入場の際一旦王軍に止められてしまうのだが、その犯人はリリだった。ベルよりも先にエルバと出会った彼女は、エルバに言われるがまま、ベルの騎士団証を盗んで遺跡地区に忍び込んでいた。
・ドリーマーのさらなる力
ナイトの黒魔術ドリーマーは、夢の世界を支配するだけではない。ドリーマーは様々な記憶や思念と繋がる事が出来、偵察や捜索にも特化している。
ナイトはこの力で、オーブに残された残留思念にアクセスし、様々な情報を得る事が出来る他、オーブと共鳴して効率よくオーブ回収を行う事も出来る。他人の記憶を覗いたり、一部を操作する事も可能。
・帝王エルバ
約146年前に死亡したとされる、エルバ帝国の帝王。黒魔術とは違う特殊な力を持っていた彼は、リーダーとしての素質もあり、世界一の大国の頂点に立つ独裁者として君臨していた。
自身の技量を過大評価していたエルバは、次第に民衆から嫌われる横暴な独裁者と成り果ててしまう。その結果、ギギ率いる反乱軍を誕生させる事になり、彼らが作り上げた恐ろしい兵器により、帝王は命を落としてしまった…と思われていたが、異形の姿となりエルバは現在も生き永らえている。
ギギらに滅ぼされた事により皮肉にも心を改めたエルバは、現在ギギらに導かれる世界の行く末を憂いている。エルバが操るのは、ナイトのドリーマーと酷似した力。
・歴史の真実
横暴で極悪非道な独裁者エルバを討ち取るため、反乱軍が立ち上がった。反乱軍は日に日に拡大して行き、やがて帝国と反乱軍は激しくぶつかり合うあった。
“エルバ大戦”と呼ばれる、全国民を巻き込んだ壮絶な戦いの末、反乱軍は帝王と帝国を滅ぼした。それが人々にとって常識となっている史実だが、事実は違う。
エルバ大戦のように大きな戦争は実際には起きていなかった。そこにあったのは、反乱軍が創り上げた兵器と帝王エルバ1対1の戦い。全国民が争いに巻き込まれた事は無く、むしろ善良な国民を犠牲にしたのは、反乱軍リーダーギギの方だった。
・白い少年
アドフォードで突如ベルの目の前に現れた謎の少年。周囲に浮かぶオーブを操る能力を持っている。ベルと全く同じ顔をしているが、髪の色は白く、分け目はベルと逆。
“貴様は僕だ”と言う謎の言葉と共に襲い掛かって来た少年は、アローシャの手により命を落としたかに思われた。だが、実際のところ白い少年は命を落としてはおらず、バレンティスで再びベルの前に立ちはだかった。
新たな武器”魂の刃”を手にした少年の正体は、何者かによって生み出されたベル・クイール・ファウストのドッペルゲンガーだった。
ドッペルゲンガーは黒魔術士のコピーであり、コピー元の人間の魂を奪って本物に成り代わろうとする。ドッペルゲンガーには、コピー元のオーブを取り込むため自動的に戦闘力や魔力が上昇すると言う厄介な性質がある。
以前より格段にパワーアップした白い少年はベルを追い詰めるが、覚醒したベルに破れてしまった。
・ギギ
約146年前にエルバ帝国で反乱軍を率いていた真のリーダー。黒い肌に、1本にまとめ上げたドレッドヘアが特徴的な女性。なぜか、現存する史実に彼女の名前は一切残されていない。
悪魔や黒魔術を知る者がほとんどいなかった時代に黒魔術の研究に没頭しており、人々を惹きつけるカリスマ性も持っていた。無垢な子どもに悪魔ジャッカスを憑依させる事により、自ら手を下す事なくエルバを排除。現在の世界の礎を創り上げた、影の立役者。
エルバ曰く100年以上も前に活躍していた彼女は、現在もどこかで生き永らえていると言う。一見すると民を卑劣な支配から救った英雄だが、彼女は危険性を秘めていた。目的のためには手段を問わないやり方を常に取って来た彼女は、自分自身の正義を貫くために、今も尚暗躍しているらしい。その曲がった正義感を、エルバは危険視している。
・悪魔ジャッカス
約146年前エルバを滅ぼすために、ギギが呼び出した幻夢の支配者。エルバの力と酷似した黒魔術“ドリーマー”を有しており、精神世界で秘密裏にオーブ収集を行って来た悪魔。
ギギが行なった実験により、検体番号1290と呼ばれる少年の身体を選び、憑依した。その後エルバと対決し、エルバを戦闘不能に追いやる。
・検体番号1290
ギギの憑依実験に巻き込まれた1290番目の検体。10歳にも満たない少年。何も分からないまま、身体にジャッカスを憑依させられる事に。ジャッカスの憑依体となった少年は、その後エルバを戦闘不能に追いやった。彼もまた、歴史に名を残す英雄となるはずだったが、史実ではその存在を語られていない。
そんな彼は、ナイト・ディッセンバーの本来の姿。侵蝕により髪は白金に、瞳は青く染まっていた。その上、エルバによる二重の侵蝕を受けた彼の髪は黒く染まった。
ナイトの本当の年齢は推定155歳。ナイト・ディッセンバーとして騎士団に所属するまでの記憶が消えているが、エルバに移植された左目の存在により、ナイトはエルバから聞いた真の歴史を信じた。ナイトと言う名はコードネームであり、本当の名前は分かっていない。
・悪魔リリス
鬼宿の扉を通って、人間界オズに現れた最初の悪魔。人間を恋愛対象として見ていると言う、実に悪魔らしからぬ一面を持っている。恋多き性格故、人間との間に子どもを作った事も(その際には、悪魔が人間の身体を有している必要がある)。そうして生まれた彼女の子どもが、リリ・ウォレス。他にも子どもがいるかは不明。
考え方が極端で、手に入らないものは全て滅ぼそうとする。彼女が操るのは、自由自在に空間を移動する“領域”の力と、イバラを生み出す“苦痛の創造”の力。ベルと対峙した際には、それらを応用した魔法を使おうとしていた。一旦はベルとリリを殺そうとしていた彼女だったが、実際に2人を手に掛ける事はなかった。
なぜリリスはもっと早くに瞬間移動して、娘に会いに来なかったのか。
その理由の1つは、彼女の人間っぽさ。悪魔でありながら人間臭いリリスは、娘を捨てた罪悪感から、しばらくリリに近づく事が出来なかった。離れていることで、リリを忘れようとしていた。
もう1つは、悪魔の娘である、リリの魔力の問題。人間として育ったリリには、魔力が目覚めていなかった。魔力が感知出来なかったため、リリスはしばらく経って娘を探そうとしても、探す事が出来なかった。
ところが、多くの黒魔術士との出会いを経て、わずかながらリリの中に、魔力が目覚めつつあった。自分のものと似通ったその微弱な魔力を感知したリリスは、ようやくリリの前に現れる事が出来た。
・侵蝕
ベルはベリト監獄で、1度 侵蝕を第3段階へと進めたが、今回はその状態で戦闘。第3段階まで侵蝕を進めると、肌の色だけでなく、髪の色までもが変化する(ベルの場合、淡い赤髪と赤い肌)。
侵蝕は本来人間に憑依した悪魔が、本来の力を使えるように、文字通り人間の身体を侵蝕するもの。侵蝕を進めて一定時間が経過すれば、その人間は元の姿に戻れなくなってしまう。第2段階でのタイムリミットは10分だったが、第3段階でのタイムリミットは3分と短くなっていた。第3段階まで侵蝕を進めると、アローシャの業火は飛躍的に威力を増した。
・魔剣デル・モア
アイザックが常に背負っている大剣。魔剣とは黒魔術が込められた剣の事。魔剣を使う事は、悪魔との契約無しに黒魔術を使用を可能にする数少ない方法でもある。
デル・モアに込められた黒魔術は、黒魔術を吸収し、己のエネルギーとして撃ち返すと言うもの。あまりにも突出した能力だが、敵だけでなく仲間の黒魔術まで見境なく吸収してしまうと言う難点がある。
そのため、黒魔術のオン・オフの切り替えが出来るようになっている。アイザック自身は黒魔術の契約をしていないため、吸収した黒魔術の性質を変える事は出来ない。また、魔剣の中に魔力を蓄積させ、威力を増大させた黒魔術を放つ事も出来る。
その他にも暴走したベルの炎を引き剥がすなど、幅広い活躍が期待出来る。尚、召喚や獣化は直接的なエネルギーではないため、吸収する事は出来ない。
・アイザックの回復薬
侵蝕の反動で動けなくなったベルに、アイザックが飲ませた薬。それは、星空の雫を薄めてかさ増ししたものだった。星空の雫は1滴舐めるだけでも、驚異的な回復効果が期待出来る。つまり、ある程度薄めても、十分回復効果が見込める薬に成り得るのだ。
・アローシャの牙
アイザックの提案により、ベルが新たに習得した技。“アローシャの牙”と命名された、業火の剣を創り出す技である。
侵蝕第3段階の業火を剣型に結晶化する事により、元の姿に戻っても、第3段階の炎と同等の力を扱う事が出来ると言う優れもの。
アローシャの牙は物質だけでなく、魔法さえ焼き切る事が出来る。アローシャの牙が火導石の役割を果たし、黒魔術の制御力を上げる効果もあり。
・新たな反乱者
ベル、ナイト、リリ、アレン、アイザックは偶然バレンティスを訪れたのではない。暴走するギギの野望を阻止するため、エルバが自身を含めて6人の新たな反乱者をバレンティスに集結させた。どうやら、エルバがこの5人を選んだのには理由があるようだ。ナイトが選ばれた理由ははっきりしているが、他の4名が選ばれた理由は明らかになっていない。
・記憶の宮殿
全ての生物の中に存在する精神世界で、記憶が保管されている場所。記憶の宮殿の中には記憶の回廊が存在している。記憶の宮殿と記憶の回廊は同義とされる事も多く、明確な違いは無い。
通常、記憶の持ち主以外がその人の記憶の宮殿に侵入する事はあり得ない。ドリーマーの力を持つナイトやエルバだけが侵入出来る。記憶の操作を行う場合、この場所に入る必要がある。
・コア・メモリー
その人の人格の核を形成している重要な記憶。記憶の回廊の中では、その記憶に最も関わりの深い者の姿で現れる。ベルの場合コア・メモリーは4つ。母親ヘレン・クイール、リリ・ウォレス、悪魔アローシャ、父親ヨハン・ファウストに関する記憶が、ベルの核を形成している。
・失われた記憶
ナイトとエルバが夢の檻に封印された記憶を解放したことにより、ベルは秘密の評議会の記憶を取り戻す。その結果、リリは母親に呪いを掛けた犯人の正体を知る事となった。記憶を取り戻したベルは、エルバに協力する事に。
・ベルゼバブ襲来への備え
ジェイクの命を奪おうと、ベルゼバブが今にもアドフォードに迫ろうとしている。エルバの計らいにより、ジェイクの兄レオンは弟の危機をいち早く知った。現在レオンはアドフォードに潜伏し、ベルゼバブの襲来に備えている。
【Unsolved】
・消えなかったジュディの力
トランプ・サーカスの団員は、悪魔をも欺くP.T.ジョーカーの力により、実際の契約無しに、新たな黒魔術を得る事が出来ていた。
ジョーカー団長は死に、団員が彼の計らいによって得た力は失われたはずだった。
しかしジョーカー団長の死後も、ジュディは第2の力である霊魂の黒魔術を保持していた。その理由は明らかになっていない。
・オーガスト
第125話でユニ・ジュンが言及した名前。オーガストは黒魔術士騎士団M-12の一員。ユニの言葉からすると、オーガストと言う人物は水の黒魔術士であるらしい。
・空白の1週間
グレゴリオからバレンティスのミッションを言い渡された後、ベルには1週間の休暇が与えられた。ミッション当日ベルは朝から熟睡していたが、その1週間で何かあったのだろうか(大した事は起きていません。この辺は今後ショート・ストーリーとして、本編とは別に書くかもしれません)。
・ドッペルゲンガーの製造者
白い少年のようなドッペルゲンガーは、人工生物である。何者かが黒魔術士の身体をコピーし、精巧な偽物を創り上げた。
つまり、ベルはこれまでの人生で、必ずドッペルゲンガーの製造者との接点を持っている事になる。一体誰が、常に強くなり続ける恐ろしい人工生物を創ったのか、それはまだ明らかになっていない。白い少年以外に、誰かをコピーしたドッペルゲンガーが存在する可能性は大いにある。
・トラーバ
約146年前に活躍した反乱軍の主要メンバー。長髪の大男。少々頭が固く、当時の常識を信じていて、悪魔の存在を疑っていた。筋骨隆々で武力に長けているが、慎重な男。
・アスネッド
約146年前に活躍した反乱軍の主要メンバー。長髪の若い女性。ギギの良き理解者であり、常に彼女に寄り添って来た。ギギの意見を尊重しつつ、冷静さを欠く事無く物事に対処する。
・コーエン
約146年前に活躍した反乱軍の主要メンバー。金髪の男。トラーバに比べると、やや身体が小さいが筋肉質。トラーバと違い、悪魔の存在を信じてはいるものの、臆病で主要メンバーの中では少し頼りない。この時代の数少ない黒魔術士である可能性あり。
・悪魔アスタロト
第136話でジャッカスが言及した悪魔。名前が出て来ただけで、どんな黒魔術を持っているのかも明かされていない。
・エルバの能力
エルバの能力は、ジャッカスのドリーマーに酷似しているが、この2つは似て非なるもの。自身の片目を他人に移植する事や、人間の身体に憑依する事は、ドリーマーでは出来ない。影としてその存在を留める事が出来たのにも、彼の能力が関係しているのかもしれない。
・悪魔の子
本作のヒロインであるリリ・ウォレスは、悪魔リリスの娘。悪魔に憑依された人間と普通の人間の間に生まれた子どもは、悪魔と人間のハーフとなる。今まで自ら黒魔術の契約をする事がなかったリリだが、本当はすでに黒魔術の力を得ているのかもしれない。
・反乱軍の協力者
肉体を老化させずに保存する薬を開発していたと言う、正体不明の科学者。その薬により、ギギ、反乱軍のトップ3、そしてナイトが現代まで生き延びた。と言う事は、保存薬を開発した張本人であるこの科学者も、世界のどこかに息を潜めている可能性がある。
・魂の刃
白い少年がベルと再会するまでの間に手に入れた武器。周囲のオーブを、様々な形に変化させる事が出来る。周囲のオーブを自在に操る白い少年の能力を、最大限に高める事が出来る相性抜群の武器。どうやらマリス艇長はこの武器を知っているようで、“エキドナ”という言葉を残したが、ベルが倒れてしまった事により、その話は遮られてしまった。
・デル・モアの黒魔術
黒魔術を吸収してしまう黒魔術。実に便利である事に間違いはないが、その力がどこに分類されるのかは不明。一見すると、召喚・獣化・超化・自然・幻想・霊魂・治癒全てに当てはまらないようにも見える。
・業火の化身
命の危機に瀕したベルがたどり着いた、新たな形態。全身を炎に包まれたその姿は、まさに業火の化身。侵蝕を進めた時とは明らかに違う変化が起きている事は、見た目にも分かる。
かつてないほど火力が高められた状態で攻守共に完璧な状態。なのだが、この状態に覚醒したベルは、アローシャに意識を乗っ取られている時と同様に、一切意識を保っていない。
さらに、アローシャが業火の化身を動かしているわけでもないらしい。加えて、この状態になった時の負荷は想像を絶するものであり、回復薬でさえ解消する事は出来ない。
・過去の英雄の野望
当初ギギたちの目標は、たった1つだった。それは、凶悪な独裁者の支配からの解放。
新たな世界を築き上げたギギは、当時まだ誰も知らなかった黒魔術を世界中に広めようとした。国々の新興と共に、黒魔術は世界中に広がった。当時の人間にとって、黒魔術は必要不可欠なものだったのだ。
だが、犠牲が不可欠となる黒魔術を普及させた時点で、彼女の正義は歪み始めていた。世界中に黒魔術が普及した今、ギギが掲げる新たな目標は一体何なのか。そもそも、彼女はどうして黒魔術の研究に没頭していたのだろうか。
・グレゴリオの素顔
大きな2本のツノが生えた髑髏を被っている騎士団長グレゴリオ。その素顔を見た者は、誰もいない。ナイトが憶測するように、グレゴリオの正体はギギなのか。それとも……
【Geography】
<リオーズ大陸>
セルトリア王国
・アムニス砂漠
第4章では、この広大な砂漠はジュディとM-12の決戦の地となった。
・南部遺跡都市バレンティス
約146年前まで存在していた世界一の大帝国の首都バレンティス。歴史的価値のあるその街並みを後世に残すべきだと言う声を受け、セルトリア王国はバレンティスの保全活動を行っている。
過去の帝国の首都は、現在の王国の南部都市に姿を変え、現在は観光名所として人気が高い。ただし、過去の街並みが残る遺跡地区はそのほとんどが立ち入り禁止となっていて、特別な許可がない限り、足を踏み入れる事は許されない。遺跡地区の出入り口では、セルトリア王軍が厳重に通行者を管理している。
<シェンディア大陸>
リオーズ大陸より西、イシーリア大陸から見て北東方向に位置する大陸。リオーズ大陸、イシーリア大陸に比べると、面積は小さい。
ウィッシュバーグ王国
ジュディの生まれ故郷であるこの国は、現在も反 黒魔術主義を唱えており、国民のほとんどが魔法を使えない。
黒魔術がまだ人々に浸透していなかった時代、黒魔術を悪として毛嫌いする者は多かった。その昔ウィッシュバーグ王国では、理不尽に黒魔術士を処刑する魔女狩りが横行していたと言う。
黒魔術士の存在が当たり前となった現代で、ウィッシュバーグ王国が反 黒魔術主義を貫き通す理由は何なのだろうか。ベルたちはこの国を訪れる事があるのだろうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
第5章もお付き合いいただければ、幸いです。
第5章は、これまで読んでいただいている読者の方に喜んでもらえるような展開が待ってるはずなので、お楽しみに!
扉絵を可及的速やかに仕上げて、一刻も早く第5章を開幕させたいです。




