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Solved/Unsolved : 3【挿絵あり】

※第3章はこれまでで1番長いチャプターになっています。そのため、復習の意味を込めて作成しています。作者自身も内容を振り返りやすいように作っているだけの部分です。読んでいただかなくても、今後のストーリーに支障はありません。ですが【Unsolved】パートには、今後頭の隅に置いておいていただきたい用語をピックアップしてます!


第3章「黒の月」編がようやく終了しました!!過去最長チャプターとなった第3章。完結までに約8ヶ月を要しました。これまでと違い、4部構成で執筆して来ました。あとがきとして、今回も「Solved/Unsolved (解決済か未解決か)」を作成しました!


第3章では主人公ベルを取り巻く環境が大きく変化し、これまで名前だけ登場して来た黒魔術士(グリゴリ)騎士団に焦点を当てて物語が進んで行きました。


既に明らかになっている、解決していることを【Solved】

まだ明らかになっていない、解決していない謎(現時点で言及出来る範囲での紹介)を【Unsolved】

としてここにまとめます。これは著者自身が内容を整理するため、そして読者の皆さんが「あれ?これってどうなったんだっけ?この言葉何だっけ?」となった時に確認していただくためのものです。


また、最後には【Geography】として第3章で登場した、もしくは名前だけが登場した地名と概要を紹介しています。


改稿(2020/02/26)

【Solved】

挿絵(By みてみん)


・ナイト・ディッセンバー


 黒魔術士(グリゴリ)騎士団所属の黒魔術士(グリゴリ)。騎士団直轄部隊M-12をまとめ上げる隊長であり、騎士団のNo.2。


 彼が使う魔法は、黒魔術(グリモア)の中でも最高難度の幻想(レグロ)。”ドリーマー”と呼ばれる彼の魔法は、夢の世界(≒精神世界)を支配する。自由自在に夢の世界と現実世界を行き来する事が出来、夢の世界では独自のルールを作り上げ、その空間を完全に支配する事が可能。まさに最強の黒魔術士(グリゴリ)


 命に危機に瀕していたベルを、“ドリーマー”の力で救う。その後ベルを騎士団へ導き、教育係となる。交友は広く、ベルが出会ったほとんどの騎士団員と面識があるだけでなく、騎士団外にも多くのパイプを持っている。


 第3章最終話でベルを処刑するが、彼がベルの敵なのか味方なのかは分からない。ベルと同じくブラック・サーティーンの1人であり、身体の中には悪魔ジャッカスが存在している。


黒魔術士(グリゴリ)騎士団


 強力な黒魔術士(グリゴリ)の集団。世界中に散らばった黒魔術書(グリモワール)を集めたり、人々の安全を守ることが主な活動。そのほか、心の傷を負っていることの多い黒魔術士(グリゴリ)たちの心の拠り所にもなっている。


 騎士団長グレゴリオが下す指令のもと、所属する騎士は原則 2人1(ツーマンセル)でミッションを遂行する。騎士団長グレゴリオを頂点とし、騎士団長直轄部隊M-12が他の騎士団員の管理を行っている。


 騎士団員は全員指定の騎士団着に身を包み、忠誠の鎖と騎士団着を身に付けている。ミッションの際は、騎士団員は飛空艇に乗って移動する。


・騎士団本部


 セルトリア王国首都エリクセスに存在する騎士団の本部。真っ黒な外観が特徴。1階には全騎士共通の談話室があり、2階には上役専用の空間が広がっている。

 そして屋上には飛空艇が発着するためのシップ・ポート。また本部の中心には、1階から2階を突き抜ける構造になった団長室が存在している。


・騎士団長グレゴリオ


 黒魔術士(グリゴリ)騎士団の頂点に君臨する騎士団長。基本的に団長室のみで生活していて、体長は約4メートル。紫の炎で出来た身体と、骨の面が特徴。普段は化け物のような姿をしているが、人の姿も持っている様子。

 その素顔を見た者はいない。基本的に騎士団員に指令を出すだけで、自ら戦う事はない。そのため、能力は不明。


・M-12


 騎士団長グレゴリオ直轄の精鋭部隊。ナイト・ディッセンバーを隊長とし、12名の黒魔術士(グリゴリ)が所属している。M-12に所属すると、特有のコードネームを騎士団長から授かる。(ジャニュアリー、フェブラリー、マーチなど)


・ジャニュアリー


 M-12の一員。マリス・ジャニュアリー。彼はM-12のメンバーでありながら、飛空艇の管理を任されている。別名艇長。長い銀髪と右目の眼帯が特徴。リリの母親であるステラに、“眠りの呪い”を掛けた張本人でもある。M-12に所属しているため、その実力はかなりのものだと思われるが、能力は不明。


・エイプリル


 M-12の一員。ビアトリクス・エイプリル。初対面の時から、ベルに対して嫌悪感を抱いている。若い女性であり、一人称はアタイ。跳ねたピンクの短髪が特徴。レオンに変身していたベルを騙して、会議室へと導いた。能力は不明。


・アイザック・レストーレ


 太陽の国ディオストラに住む黒魔術士(グリゴリ)騎士団専属の魔剣士。黒い肌と白い髪、そして常時掛けているサングラスが特徴。お調子者で冗談ばかり言う人物だが、その実力はM-12に匹敵するほどのもの。


 “悪魔の眼”と呼ばれる特殊な眼を持っていて、オーブの性質を見抜く事が出来る。彼が背負っている魔剣にも強力な能力が備わっているようだが、まだそれは明らかになっていない。


・鬼宿の扉


 オズの世界と悪魔の世界を隔てている、大いなる扉。この扉を開くには、この世にただ1つだけ存在する鍵が必要。“鬼宿の扉”は、悪魔を閉じ込めておくための強力な扉なのだが、なぜかそれとほとんど同じ物がベルの中に存在する。

 ベルの中に存在する“鬼宿の扉”は不完全で、鍵が無くても開く。アイザックとナイトの協力のもと行われた“扉の試練”により、ベルは自分の意思で扉を開閉する事が出来るようになった。


・アーチェス魔導学院


 黒魔術士(グリゴリ)騎士団本部に併設された魔術学校。強力な黒魔術士(グリゴリ)を目指している学生が多く所属している。好成績を残した卒業生は、黒魔術士(グリゴリ)騎士団に入団する事が出来る。


・魔法奴隷


 魔法を使う事の出来る奴隷。基本的に、富裕層に使役される貧困層の黒魔術士(グリゴリ)。魔法奴隷を使う富裕層は基本的に用心棒の黒魔術士(グリゴリ)を雇っているため、奴隷はそこから抜け出せないのが現実。


・ロコスタシア・パラディ


 通称ロコ。ベルたちと生活を共にする事になった黒魔術士(グリゴリ)騎士(ナイト)。“ゆめかわいい”系と、ピンクが大好き。それが関係しているのかは不明だが、彼女の髪の色もピンク。


 丸メガネを掛けていて、かなりのドジっ娘。とても優しい性格をしているが、怒らせると怖い。彼女の能力の詳細は不明だが、魔法の筆を使って小さな魔獣を呼び出し、操る事が出来る。


・ジュディ・アージン


 ロコと一緒に生活している黒魔術士(グリゴリ)騎士(ナイト)。ロコとは正反対の性格をしていて、強気で喧嘩腰。いわゆる姉御肌的存在。トゲトゲしたものや、パンクなファッションを好む。ジュディが使うのは水の黒魔術(グリモア)


 彼女のもう1つの姿は、トランプ・サーカス所属のクイーン・ハートである。ジョーカー団長の力により、彼女は2つの黒魔術(グリモア)を得た。


 第3章ではまだあまり触れられていないが、どうやら霊魂(オーブ)黒魔術(グリモア)の類を使う模様。名前はトランプでハートのクイーンを表す“Judith(ジュディス)”と、クラブのクイーンを表す“Argine(アージン)”の組み合わせ。


・ロビン・カフカ


 通称 禿鷹(ヴァルチャー)。禿鷹の頭2文字の“ハゲ”だけが独り歩きし、騎士団内ではハゲと呼ばれる事が多い。本人はそれをかなり気にしているようで、その言葉に敏感である。

 また、ドSな性格の持ち主であり、ベルを何度もわざと窮地に追いやった。


 彼の能力は大鳥ホルサントに変身する獣化(キメラ)。数少ない、空を飛べる黒魔術士(グリゴリ)である。ベルとはいつも反発し合っているが、基本的には協力している。ベルが星空の雫を使用したのを見ても驚かなかったのは、彼が初めてである。


・盗賊王イシャール・ババリ


 セルトリア王国とリミア連邦を結ぶ広大なアムニス砂漠を拠点として活動する盗賊団アルグリバーの首領。砂を自在に操る黒魔術(グリモア)を有しており、砂漠の中にいる限りは無敵の強さを誇る。

 また、砂漠に住む魔獣も飼い慣らしている様子。実際に彼は砂漠の怪物マンライオンを使い、ベルたちを苦しめた。


 ベルに恨みを抱く盗賊ガラン・ドレイクの、親代わりでもある。


・トランプ・サーカス団


 世界的に有名な黒魔術(グリモア)曲芸集団。その人気は絶大で、世界中を周ってサーカスを開催している。


 しかし、その正体は世界中を巡って強力な黒魔術士(グリゴリ)をスカウトする小規模な黒魔術士(グリゴリ)軍だった。スペード、ハート、ダイヤ、クローバーを筆頭に強力な黒魔術士(グリゴリ)が揃う。ブラック・サーティーンであるベルを取り込もうとするが失敗。


 ベルたちとサマーベル兄妹によって掻き乱されたトランプ・サーカスは、現在崩壊状態。


・フィニアス・テイラー・ジョーカー


 トランプ・サーカスの団長。本名メイフィス・フレスト。悪魔メフィスト・フェレスと契約を結んだ人間であり、代償なしに、他者や自分に黒魔術(グリモア)を追加で付与する事が出来る。

 その力で、スペード、ハート、ダイヤ、クローバーは2種類以上の黒魔術(グリモア)を使っていた。新たな黒魔術(グリモア)を与えると声を掛けて、黒魔術士(グリゴリ)を勧誘する事が多い。


 ヨハン・ファウストの幻影をベルに見せるも、覚醒した悪魔グラシャラボラスの前に敗れる。


・エース・ド・スペード


 本名マリウス・オルセン。トランプ・サーカスの団員。氷と雷の黒魔術(グリモア)の使い手だったが、ジョーカーの死により、雷の力を失った。


 黒魔術(グリモア)を増強する特殊なアーマーを身につけており、アローシャの業火をも凍らせる、氷の力を見せつけた。

 新たな力を解放したベルに敗れるが、その後回復した彼はベルをラビトニーまで運んでいる。


 彼の正体はリミア連邦軍中佐。ある目的のために、指名手配犯ファウストを以前から追っていた。アドフォードからルナトにかけてベルを追跡していたウィルド、ラミレス、ベスの直属の上司である。彼らがベルに殺されたと思い込んでいたマリウスは、ベルへの復讐に取り憑かれていた。


・キング・クローバー


 本名アレクサンドラ・キング。又の名をババ・ファンガス。普段は偉大な占い師ババ・ファンガスとしてサーカスで占いと予言を行なっている。ババ・ファンガスとしての彼女の姿は老婆だが、本来は褐色の肌の若い女性の姿をしている。


 予知と分身・変身を使う黒魔術士(グリゴリ)。彼女の予知は超化(バイス)、擬態植物による分身・変身は自然(ナトレ)


 天性の鋭い観察眼により、1度会った事のある人物には完全になりきる事が出来る。だが変身しか出来ないため、変身した人物の能力を使う事は出来ない。

 以前ロビンをスカウトした事があり、ロビンに完璧になりすましていた。


 彼女の分身・変身能力は三位一体(シャムロック)と呼ばれている。1度に3体まで分身可能であり、それぞれを変身させる事も可能。その力により、度々ジュディの身代わりになっていた。


・ロブ


 通称 風船男(バルーン・マン)。実際は大人だが、普段は小さなピエロ姿で風船を配っている。


 彼の黒魔術(グリモア)風船(バルーン)巨人(ジャイアント)。風船のように身体を膨らませて、直径20メートルほどまでに巨大化する。

 しかし、この巨大化には欠点が多い。身体を膨らませているため重りがなければ飛んで行ってしまうし、自由に動く事が出来ない。そのため威圧目的で使われる場合がほとんど。


 また、風船を指定した目的地まで飛ばす能力も持っている。その力を使い、ベルとエースをラビトニーまで運んだ。“ホワイト”と呼ばれる人物と交流があるようだが、その人物の正体は不明。


・ウォーエイプ


 トランプ・サーカスに飼われている猿人型の魔獣。戦闘に特化した魔獣で、刃も通さない鎧のような皮膚と怪力が特徴。戦争に駆り出される事が多いため、戦争(ウォー)類人(エイプ)と名付けられた。その皮膚は驚異的な耐久性を持っており、アローシャの業火にも多少耐える事が出来る。ダメージを与えるよりも拘束する方が、ウォーエイプの対処としては正解。


・アビー・サマーベル


 大地主サマーベル家の令嬢。北部山岳地帯ロッテルバニアに住んでいるが、兄ダミアンと共にトランプ・サーカスにやって来た。


 悪魔グラシャラボラスの暴走により両脚の自由を失い、車椅子生活を送っていた。極寒の地に住んでいるため、夏に憧れを抱いている。


 家族を守るため、悪魔グラシャラボラスに身体を明け渡す(つまり憑依(ポゼッション))の契約を条件付きで交わしていた。

 その条件とは、契約から1年後まで身体を奪わず、それまでにアビーを海に連れて行く事。先が短い事を知っていたアビーは、暗い気持ちに支配されて、ふさぎ込んでいた。


 そんな中兄ダミアンに連れられサーカスを訪れ、ベルやリリとの出会いで多少明るさを取り戻す。

 しかし、ジョーカーと対峙した時グラシャラボラスが目醒めてしまい、ついにその身体を奪われてしまった。戦闘の後、無事にグラシャラボラスを抑え込む事に成功するが、今はロッテルバニアの自宅で深い眠りについている。ロッテルバニアで交流のあったエルナとは、友達になりたいと思っている。


・グラシャラボラス


 サマーベル邸に棲みつき、オズの世界で動くための器を探していた悪魔。その過程でアビーと出会い、憑依(ポゼッション)の契約を交わす事となる。


 超化(バイス)幻想(レグロ)の力を持っている。幻想(レグロ)の力で、アビーに海と砂浜の景色を見せた。


 アビーの身体を動かしている時は、背中から8本の触手を生やして戦った。触手を使うことで自由自在に移動し、硬化させて鋭利にした触手で攻撃も行う。


 荒っぽく短気な性格。ブラック・ムーンの夜、悪魔メフィスト・フェレスに騙された過去を持つ。メフィスト・フェレスに騙された結果、サマーベル邸に縛り付けられる事となった。メフィスト・フェレスと契約を交わしているジョーカーを逆恨みし、殺害。祓魔薬(バスター・ポーション)により押さえ込まれる。


霊魂(オーブ)


 黒魔術(グリモア)の中でも珍しく、ほとんど術者の存在しない魔法。トランプ・サーカスが有している黒魔術書(グリモワール)には、霊魂(オーブ)黒魔術(グリモア)についての記載がある。詳細はあまり明かされていないが、アドフォードでベルと対峙した白い少年や、マカッセ湖でベルと対峙したネクロマンサーの魔法は、霊魂(オーブ)の類のものなのかもしれない。


祓魔薬(バスター・ポーション)


 ダミアンが悪魔グラシャラボラスに使用した秘薬。文字通り、人間の身体に入った悪魔を祓う薬。月夜草(ツクヨソウ)夕陽葉(ユウヒノハ)、バンダースナッチの牙、月の花が材料として必要になる。


 ただ、そのどれもが入手困難なものであり、祓魔薬(バスター・ポーション)を作り出すのは至難の技である。祓魔薬(バスター・ポーション)は人工的に“星の力”を作り出すものであり、人間が所持していれば、悪魔はすぐその存在に気づく。


 気づかれるのを避けるため、ダミアンは祓魔薬(バスター・ポーション)を特製の容器に入れて、分離させておいた。現在は、深い眠りについてしまったアビーを目覚めさせるため、ヴィンター商会が再び祓魔薬(バスター・ポーション)を調合している。


侵蝕(イロージョン)


 憑依(ポゼッション)の契約者だけが使用するパワーアップ手段。人間の身体に憑依した悪魔は、本来の力を振るう事が出来ない。そのため人間の身体を悪魔に馴染ませるため行うのが、侵蝕(ポゼッション)


 悪魔に身体を侵蝕されると黒魔術(グリモア)は本来の悪魔の力に近づくが、侵蝕された状態が長く続くと、元の身体には戻れなくなる。

 その分かりやすい例がベルゼバブである。レイヴン・ゴーファーの身体は、長時間ベルゼバブに侵蝕されていたため、異形の姿となった。また侵蝕(イロージョン)には段階があり、段階を進めれば進めるほど、本来のものに近い力が発揮出来る。ちなみに、ベルの右眼が赤いのも侵蝕(イロージョン)の影響。


・レオン・ハウゼント


 ジェイク・ハウゼントの実兄。悪魔と契約せずに黒魔術(グリモア)を使う数少ない存在。天性の天才で、小さい頃から難しい言葉を多用して喋っていた。発明が趣味で、全ての発明品に名前をつけている。弟ジェイクと違い、背が低い事を本人は気にしている。


 騎士団に疑問を抱き、騎士団の思惑を探ろうとしている。彼の自慢の発明品はハートブレイカー。レオンの左手は機械仕掛けになっており、その機構を対象に密着させる事で、標的の体内のオーブを消滅させる事が出来る。ベルとは反りが合わないが、基本的に協力関係にある。現在は弟の身を案じて、アドフォードに向かっている途中。


雪男(イエティ)


 ロッテルバニアのスノウ・クリフ及びキーアッシュ村に猛威を振るう魔獣…とされていたが、実際は魔獣ではなかった。

 その正体は騎士団が発明した魔装具(マジック・アーマー)。キュリアスを応用する事で黒魔術(グリモア)を備えた鎧。これを着用する事で、氷の黒魔術(グリモア)を使用する事が出来、また足場の悪い場所での移動を可能にする。


 その性能を試す相手としてベルが選ばれたが、魔装具(マジック・アーマー)雪男(イエティ)はブラック・サーティーンに勝つ事は出来なかった。


・ヴィンター商会


 世界中と貿易を行うセルトリア王国有数の商業組織。サマーベル家との関わりが深く、仕事相手としてだけではなく、家族ぐるみの付き合いがある。シルヴォ・ヴィンター、ケイトリ・ヴィンター夫妻が中心となって動いている組織。その娘エルナと息子キリアンも、ヴィンター商会の活動に加わっている。ヴィンター商会は特に魔法薬を取引する事が多く、その知識は豊富。


・月の花


 月に最も近い場所に咲くと言われる伝説の花。月に最も近い場所で、月の力を蓄えるとされている。1度咲くと向こう10年は再び花開かないため、咲く場所を特定しても、簡単に入手する事は出来ない。


 花弁は流体で、同じ形を留めない。おしべとめしべは13個あり、月の満ち欠けを表している。息を呑むような美しさを持つ花。セルトリア国内では、(スノウ・)(クレスト)のみに咲く。手付かずだったセルトリアの月の花は、ヴィンター商会によって採取された。


・地獄犬ヘルハウンド


 炎の息を吐く黒い犬。人が1人乗れるほどの大きさで、召喚者に忠実。エルナ・ヴィンターはヘルハウンドを召喚する召喚士(サモナー)。エルナはヘルハウンドにブレイズと名前を付けて、信頼関係を築いている。ブレイズの炎の息を刀の刃に灯し、エルナは炎の刃を使用する。


(スノウ・)(クレスト)


 セルトリア王国で最も高い場所に位置する“頂”。険しいスノウ・クリフを登った先に存在する。スノウ・クリフ〜(スノウ・)(クレスト)の間には、騎士団の研究施設が存在している。険しいスノウ・クリフを登る事だけでも大変だが、そこに騎士団が雪男(イエティ)の大群を放った事で、(スノウ・)(クレスト)への到達は、非常に難しいものとなった。


・火導石


 炎の黒魔術(グリモア)のコントロール補助として使用される鉱石。魔導石の1種。魔導石とは、魔獣や憑依(ポゼッション)黒魔術士(グリゴリ)の化石のこと。火導石があれば、炎の大きさや形状を自在に操る事が出来る。これを使用し、レオンは火龍を操った。


・暁月の調べ


 月の花を材料に作られる魔法薬。祓魔薬(バスター・ポーション)よりも簡単に作る事が出来るようだが、10年に1度しか咲かない月の花が必要な事には変わりない。“眠りの呪い”によって眠ってしまった人間を目覚めさせる効能がある。

 “暁月の調べ”はリリがずっと求めて来た、“眠りの呪い”を解くための鍵。だが、セルトリア王国内にある月の花は向こう10年咲かないため、リリは月の花を求めて、王国外に出る必要がある。


【Unsolved】

挿絵(By みてみん)


・黒龍騎士団


 まだ黒魔術士(グリゴリ)の存在が世間に浸透していなかった、大昔に結成された黒魔術士(グリゴリ)組織。悪魔の力を借りて魔法を使う彼らは当時周りから忌み嫌われ、活動の幅を広げられず、規模を拡大して行く事が出来ず自然消滅。


 当時黒龍騎士団に所属していたグレゴリオが、新たに組織したのが現在の黒魔術士(グリゴリ)騎士団である。当時の構成メンバーは、グレゴリオ以外判明していない。


・ノーイ・ゾイダス


 元魔法奴隷。主人の元から逃げ出し、現在はアーチェス魔導学院に魔法学生として在籍している。猿腕を得る獣化(キメラ)使い。


 アーチェス教会に逃げ込んで来たノーイはナイトに救われる。その際潜在意識の中で謎の老人ブルーセと出会った。ノーイとブルーセが潜在意識の中で出会った理由は、謎のまま。


・盗賊団アルグリバー


 アムニス砂漠を拠点に活動する盗賊団。他所者つまり、故郷を持たぬ者、または故郷を失った者で構成されている。砂漠の王イシャール・ババリを中心としてアムニス砂漠で悪行を繰り返している。現時点ではイシャール・ババリ、ガラン・ドレイク以外の構成メンバーは明らかになっていない。


・エノク・ソロモンⅢ世


 セルトリア王国現国王。首都エリクセス中心部にあるソロモン城から滅多に外に出ないため、神聖な存在として扱われている。


 セルトリア王国には、国王の命の下動くセルトリア王軍が存在している。第78話では、初めてベルと対面を果たした。一国の主人である彼も強力な黒魔術士(グリゴリ)であると考えられるが、その能力はまだ披露されていない。


・ネクロマンサー


 トランプ・サーカスに現れた仮面の黒魔術士(グリゴリ)。死の軍団を率いてセルトリア王国の転覆を狙う正体不明の魔法使いであり、その存在はこれまで都市伝説として語られて来た。


 その正体は、エルバの意志を継ぎ、セルトリア王国への復讐を目論む者かと思われたが、それは本人により否定された。セルトリア王国に恨みを抱いているはずなのに、なぜか彼はセルトリア王軍の制服に身を包んでいる。

 能力の詳細は明らかになっていないが、黒魔術(グリモア)を擦り抜けたり、ゴーストのように自在に姿を消す事が出来る模様。


・エルバ帝国


 リオーズ大陸にかつて存在した、当時世界一の大帝国。帝王エルバにより支配されていた帝国は、内戦によって崩壊した。エルバの内戦は、現セルトリア王国を作り上げた勢力が反乱を起こした事で始まったものであり、帝国側はそれを止められなかった。


 内戦の末に帝王エルバは命を落としたが、現在も帝王の意志を継ぐ者が暗躍しているとの噂が後を絶たない。


・ジャック・ダイヤモンド


 トランプ・サーカスに所属する黒魔術士(グリゴリ)。エース・ド・スペード、クイーン・ハート、キング・クローバーと違い、その正体は明らかになっておらず、ベルたちともほとんど戦っていない。


 その能力は巨大なライオンに変身する獣化(キメラ)。彼にもまた2つ目の黒魔術(グリモア)があったようだが、それは披露されないままに終わった。今後トランプ・サーカスとジャック・ダイヤモンドは、再登場するのか…?


・メフィスト・フェレス


 ジョーカー団長が契約していた悪魔。悪魔は言葉巧みに人間を騙してオーブを奪うものだが、メフィスト・フェレスは悪魔の中でも飛び抜けてずる賢い策士。


 何よりも自分の事を最優先に考えており、自分以外の全てのものを、自分のために利用しようとしている。他の悪魔と違い、人間だけではなく、悪魔をも騙して、自分にはない黒魔術(グリモア)を使う。そのため、彼の本来の能力は不明。


最終戦争(ラグナロク)


 オズの世界では、近い将来 最終戦争(ラグナロク)が引き起こされると実しやかに囁かれている。ただの終末思想だと笑い飛ばす者もいれば、至って真剣に最終戦争(ラグナロク)に向けて準備を進めている者もいる。ただ、世界中の黒魔術士(グリゴリ)組織が最終戦争(ラグナロク)に向けて戦力を確保しているのは事実である。


・マックス・ウェスカーマン


 本名マキシミリアン・ウェスカーマン。雪男(イエティ)討伐ミッションでベルとバディを組んだ黒魔術士(グリゴリ)騎士(ナイト)

 しかし実際はバディとしてではなく、監視役としてベルに同行しただけだった。ヴィンター夫妻をキーアッシュ村に連れ帰った直後に、スノウ・クリフの上で戦うベルたちを監視していたり、秘密の評議会に参加していたり、謎が多い。


 また、彼の黒魔術(グリモア)も明らかになっていない。老けた顔をしているが、実はまだ20代。


・ヨハネ・ブルクセン


 レオンと同じく、騎士団のために研究・開発を行うドクター。彼もまたブラック・サーティーンの1人であり、体内には悪魔リヴァイアサンが存在している。レオンとはまた違った形で、自身の発明品に愛を注いでいる狂人。ベルゼバブと同じく侵蝕(イロージョン)をかなり進めている。


 脱皮を行い攻撃を回避し、脱皮を繰り返す事により防御力を高める。ベル、リリ、アレン、ジュディ、ロコが暮らす家の所有者でもあるが、エリクセスにはあまり戻っていない様子。侵蝕(イロージョン)が進む前の姿はまだ明らかになっていない。また、レオンにオーブを消された後も死ぬ事はなかった。


・騎士団の真の目的


 黒魔術士(グリゴリ)騎士団は、善良な行いばかりをする組織ではない。騎士団がブラック・サーティーンを集めるのには、当初語られていたのとは別の理由が存在する。


 騎士団はベルを招き入れるために、様々な種を撒いていた。その一環で、ウォレス親子が巻き込まれる形となってしまった。一般人を危険に晒したり、悪魔と協力関係を結んでいたりと、怪しい部分が徐々に浮き彫りになり始めている。


 騎士団の裏の顔を知ったベルは、騎士団の秘密に関わる記憶を消されてしまった。


【Geography】

挿絵(By みてみん)


<リオーズ大陸>


リミア連邦


・ヴァルダーザ


 10年前にベルが暴れた町。ヴァルダーザは一夜にして地獄の業火に包まれ、今でもまだ燃え続けている。ヴァルダーザの住人は、ほとんどが焼死。その被害者の中には、ガラン・ドレイクの両親も含まれている。


・ラビトニー


 監獄町ラビトニーは、ベルが脱獄した時よりも設備が強化された。ブラック・サーティーン用に強化されたベリト監獄は、司令部にあるシステムを落とさない限り、破る事はほぼ不可能。


セルトリア王国


・エリクセス


 セルトリア王国首都。ソロモン城、黒魔術士(グリゴリ)騎士団本部、アーチェス魔導学院のみならず、様々な施設がひしめき合っている。ジュディ、ロコ、ロビンの自宅もエリクセス内に存在。


・アムニス砂漠


 セルトリア王国とリミア連邦の間に広がる広大な砂漠。魔獣マンライオンと盗賊団アルグリバーの存在により、アムニス砂漠の横断は困難を極める。アムニス砂漠において安全な通行路を確保するために、両国は力を注いでいる。


・ヴォルテール


 第1章「西の悪魔」編では、“呪いの椅子”に関する噂話の中にのみ登場した町。移民の町であり、多種多様な人種が暮らしている。第3章3部「トランプ・サーカス」編では、トランプ・サーカスの開催地となった。自殺者が多い事で有名なマカッセ湖が存在する。


・ロッテルバニア


 セルトリア王国北部山岳地帯。ロッテルバニア収容所、サマーベル邸、キーアッシュ村、スノウ・クリフ等が存在する極寒の地。常に雪が吹き荒び、分厚い防寒着なしでは、外を出歩く事も出来ない。


<イシーリア大陸>


ディオストラ


 “太陽の国”と呼ばれる国。ベルの師匠アイザックの出身地でもある。他の国と違い、1人の王が国をまとめるのではなく、元老院が国を動かしている。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!第4章もお付き合いいただければ、幸いです。


第4章からは、今までより物語の核心に触れる話が増えて行きます‼︎

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