表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

第六話

「これならよろこんでもらえるんじゃないかな〜」


日曜日のお昼にデパートの紳士服売り場で、裕貴は自分のではないネクタイを選んでいました。

一人で選ぶことに自信のない裕貴は亜紀を誘い、男性の好みを聞きながら選ぶことにしたのでした。

「私だったらこれを選ぶけど、ネクタイはその人の好みだからね〜」

亜紀はそういって何本か選んで裕貴に見せてきました。

「そうだね。でも、あなたがそういうのならこのうちの一つにするわ。それと、今日一緒に選んでもらったお礼にあなたにもこの中から一つプレゼントしたいんだけど・・。」

「私に?嬉しいな。ゆうこからの初プレゼントだね。ありがとう。」

亜紀は嬉しそうにそういいながら、早速好みの一つを選びました。


孝と裕貴はこのところあまり顔を合わせていません。そんな最中に孝の誕生日が来るので、裕貴はプレゼントのネクタイを選びに亜紀とデパートまで来ていたのでした。

買い物をすませ、夜になってお腹もすいてきました。二人はおしゃれなレストランに入り、食事をすることになりました。

男の子のような格好の亜紀に対して、今日の裕貴はフェミニンなデザインの花柄ワンピースを着ていました。

白地のワンピースの背中越しにブラ線が透けて見えている裕貴に、亜紀は女性としての初々しさを感じていました。

(まだまだ、女性としては生まれたばかりの初心者さんだもんね。キャミを着るように教えてあげないと・・)

大好きなゆうこと男装して初めてのデートをすることになったので、亜紀は嬉しくて嬉しくてたまりません。

当然レストランも綺麗な夜景が見える高いビルにあるものを選び、男性として精一杯裕貴をエスコートしようとしていました。

そんな亜紀の心遣いを肌で感じ、裕貴は亜紀に対して良い感情を持ち始めている自分に気がついていました。

でも、孝のことがどうしてもひっかかりいつもぎくしゃくしてしまいます。

それは亜紀も同じで、心優しい亜紀は兄・孝のことを想うと裕貴へのストレートな想いにブレーキがかかるのでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ