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異界で学ぶ、生きる意味  作者: まっつー
第一章 この世界で生きる難しさ
2/8

第二話 突然の転移、突然の事態

「……うっ……ん…………」


 目を覚ますと、僕は何処かも分からない一室にいた。

 まるで一昔前の牢屋みたいなスペース……だけど全面石造りで、きっちりと人工的に削られた石が収まってる。

 その一面に木材で造られた扉がある。

 今、僕はこの部屋の中心で、大きな段差の上にいる。


「ここ……は?」


 いきなりの事態に混乱してくる。

 ……ここはどこだろう?


「……」


 何をすればいいんだろう。

 僕は一体……。

 非常事態とか、いきなり起こった何かとか、そういうのには慣れてない。

 ましてや、ゲームの主人公じゃあるまいし……どうすればいいかなんて分からない。

 ……というか本当にここはどこなんだろう。


「はぁ……なーんにも考えたくないないのに……」


 だからベッドの中に逃げたりなんかしたのに。

 ……いや、だから本当にここどこなんだろう……。


「そうだな――――」


 突如、ドォォンッ! という音がした。

 それと同時に僕は宙に浮き、吹きとばされる。

 いったぁ……!?

 自身の背に衝撃が加わる。

 口から何か、吐き出しそう……そして、自分が地べたに伏した事を自覚する。


「カハッ……」


 意識が途切れそうになるのを、堪える。


「……一体何がッ――――」


 今の状況を確認しようと、目の前を見る。

 しかし、上からガラガラという音と共に何か固いものが降ってきて、僕の頭部にクリーンヒットした。


「あぅぁ……!?」


 白目を向いた……という自覚と共に、僕の意識は再び暗闇の中へと旅立った。


「……これで終わりだな」

「あいかわらずのカイリキだね、おミャーはぁ」


 ……意識が無い中で、僕は声を聞いた……気がした。

 目の前も、耳も機能は万全じゃないはずだけれど、でも耳に入ってくる。


「それで……ここは終わったようだが?」

「ツギのバショはまだわかんミャーよ。キョウはあのカタにレンラクだミャー」

「……分かった」


 ドシンドシン……パタパタ……そんな音が遠ざかって行く……。

 僕の耳は結構いいんだなぁ……暗闇で持った感想だった。

 ……てか、意識あるんじゃん!

 勝手に意識がないと思ってただけなんだ……。

 でも、体は動かないし……それに、本当に真っ暗だ。

 というか、なんで体は動かないんだっけ?

 なんで真っ暗なんだっけ?

 起きた事を振り返ってみよう……。


「えっと……僕はなんか知らない間に知らない場所にいて……そうだなぁ……いきなり吹っ飛ばされて……」


 初めから言ってってるのになんかおかしいな。

 現実味が全くない。


「てか痛ッ……どっかから血が出てない? 暗いから分かんないんだけど」


 今は自分の体を見るどころか、何も見えない。

 何処かがズキズキ、ジンジンと痛んでいる。

 何も考えたくないとは言ったけれど、この状況は嫌だ。

 だって痛いし暗いし痛いし不安が募るし、悪いことばっかじゃん。


「……なんかボーッとしてきた……血が出てるかもって考えたからかな」


 突然だった。

 眠気みたいに意識が遠のいていきそうになってる。

 死ぬ……のは勘弁かな。

 いや、死んでもいいけれど……苦しくないなら。

 でも、今はちょっと嫌だな……。

 ゆっくりと目を閉じた感覚があった。

 眠るだけ……助けが来るまでの辛抱……それだけだから。

 そう考えて僕は意識を手放した。

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