落ちた先には
プリズムヲー
上か下かわからない、実に気味の悪い空間を落ちていると感じて約十秒。出口かもしれない光が見えた。
このまま落ちて地面に衝突し、潰された銀杏のようになるのはいやなので、空を飛ぼうとするが飛べない。嫌な空間である。
俺は、成すすべもなく光に包まれた……。
「ぐぇ」
頭から落ちたため、カエルのような声が出る。が、そこまでの高さはなかった。あの女は意外と丁寧な奴らしい。
ここは何処だろう。立ち上がって辺りを確認……できなかった。周りに、随分と背の高い向日葵が生い茂っていたからである。これは前言撤回だ、もうちょっと人気のあるところに落として欲しかった。
それにしてもこの向日葵たちは大きい。自分では、身長に関して小さくはないと自負していたものの、この有様である。
「いや、向日葵がでかいだけ……」
そう暗示をかけ、自らを励ます。
そんな思考を終わりにして、辺りの確認を開始する。前の通り、身長が足りない為に飛び上がっての確認だ。
なかなか広かった。少しばかりの畑と思っていたが、これは草原と言った方がいい。さしずめ向日葵草原か?
太陽がこれでもかというほどに浴びせてくる光に、少しばかり気持ちよさを覚えつつ、飛ぶ。すると、目の前に。なにやらゴソゴソと動く物影を発見した。
「まさか妖怪……」
と、妖怪である俺が警戒してしまった。居たとしても、動物とかに決まってるだろうに。
しかし、それらはすべて外れることになる。
「誰、あんた?」
姿を見せたのは、青い青い子供であった。
カカカカッ