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き、気紛れ更新……。

(;´д`)

遥斗が金髪幼女の拳を甘んじて受けている時だった。


――ピンポーン。


遥斗の家の呼び鈴が鳴らされた。


「来客か?って、おい!?どこ行くんだよ?」


「男の気配がするのよ」


「お兄さん以外の人はちょっと……」


「……男、嫌い。けど……遥斗は好き」


遥斗の問い掛けに三者三様の言葉を残し、幼女達はそそくさと遥斗の部屋に逃げ込むように入って行った。


そういえば俺以外の男との接触は嫌がるとか書いてあったな。


――ピンポーン。


「あ、はーい。今出ます!!」


3人の後ろ姿を眺めながら、そんな事を考えていると遥斗を急かすようにもう一度呼び鈴が鳴った。


それで我に返った遥斗は慌てて玄関に向かう。


「え〜と、どちら様――って健二おじさんじゃん」


鍵を解錠し開いた扉の先に居たのは山城一族の本家にいる遥斗の親戚――山城健二であった。


「よっ、久しぶり」


無精髭を生やしクシャクシャにシワのついたワイシャツを着ているせいで疲れ果てたサラリーマンにしか見えない健二は風貌に似合わず元気な笑みを浮かべた。


「え、あ、うん……久しぶり。で、突然どうしたの?」


「どうしたのって……お前の所に飼い子様が現れたんだろ?」


「えっ?何で知ってるの?」


「お前の親父さんが本家に連絡を入れたんだよ。それで本家の奴等が大騒ぎ、服やら何やらがないと困るだろって言うんで暇してた俺が運び屋にされたって訳」


ほれ、と差し出された紙袋を受け取った遥斗が紙袋の中を覗くとそこには子供向けの服が何枚か入っていた。


「あ〜ありがとう。助かるよ」


「何、気にするな。それにしてもお前が神子様ねぇ……」


「……なんだよ?」


ジロジロと不躾な視線を浴びせられた遥斗が若干不機嫌にそう言った。


「あぁ、いや、すまんな。お前がこの先、色々な面倒事に巻き込まれて苦労するんだな。と思うと、しみじみしちまった」


「面倒事?苦労?なんだよ、それ」


「ん〜落ち着いてからでいいから本家に顔だせってさ。ちなみに当主命令」


「うげっ……本家に行かないと行けないのかよ」


山城一族のお偉方が住まう本家に出向かなければならないと聞かされた遥斗は、取り繕う事もせず顔を歪めた。


「そう嫌な顔をするな……少々お偉方に囲まれて話をするだけだ」


「……それが嫌なんだよ」


「ハハハッ、違いない。さて、俺はそろそろ退散しよう。あまりお前以外の男が長居するのもいけないみたいだし。あぁ、また後で本家の使いが来るそうだから足りない物があったらそいつに言え。何でも手配してくれるはずだ」


「ん、分かった。“3人分”の服とか飯とか、どうしようかと思ってたから助かる」


「……“3人分”?」


あっ……そう言えばフェルスとクゥの事は親父にも言って無かった。


新事実に腰を抜かしそうになっていたおじさんが帰って本家に帰って行ったのを見送った遥斗は家の中へと戻る。


そして3人がいる自分の部屋に行き目を剥いた。


「お兄さんの匂い〜クンクン」


タンスから取り出した衣服の山に埋もれつつ、手に握る遥斗のシャツを顔に押し付け長い黒髪を揺らしながらクンクンと匂いを嗅ぐ綾香。


「……スゴッ」


「……ビックリ」


遥斗が隠し持っていた秘蔵の書物を引っ張り出し、読みふけるフェルスとクゥ。


そんな3人に遥斗の雷が落ちたのは言うまでもない。

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