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やっぱり擬人化ヒロインは1人のほうが良かったのだろうか(´-ω-`)?

「「「スゥ……スゥ……」」」


「子育てって大変なんだな……」


2番、3番小屋にいた少女2人を回収し1番小屋にいた少女と同じように口移しでお粥を与え、ようやく寝かし付けることに成功した遥斗は口の周りをまたお粥と涎まみれにされ遠くを見つめながらしみじみと呟く。


「眠いけど……ベッドがなぁ」


疲れたせいか睡魔に襲われた遥斗はベッドに横になろうとしたが、自分のベッドを完全に占領している3人の少女を見てベッドで寝るのは諦めて居間で寝ることにした。


「ふぁ〜あの子らが起きるまでには起きないとな」


そう言って座布団を折り曲げて枕を作った遥斗は横になるなり眠りについた。



ペチャペチャと誰かが顔を舐めている。


……タマか?お粥がまだついているのか。


顔をタップリと味わうように舐め尽くされながら遥斗は家で飼っている飼い猫が顔についていたお粥を舐めとっているのだろうと思っていた。


……あれ?タマの舌はザラザラしてたよな。あれ?


しかし、猫の舌とは違いザラザラとした感触がなくどちらかといえば人間の舌で舐められているような感触に遥斗は疑問を覚え始めた。


「……何してるんだ?」


「……顔、舐めてる」


遥斗が薄目を開けてみるとそこには3番小屋にいた褐色肌の少女が遥斗に馬乗りになってまるで猫のように遥斗の顔を舐めていた。


「いや、そういうことじゃなくて」


「?」


遥斗の質問に可愛らしくコテンと首を傾げた少女は頭に?を浮かべていた。


「とりあえずちょっとどいて」


「……ん」


何故か少女の股があった辺りの服の生地が湿っていることには目を瞑り、少女の脇に手を入れ脇にどけた遥斗は座り直した。


……服も調達しないといけないな。


丸裸の少女を前にして遥斗は服の必要性を改めて認識していた。


そういえば、この子達名前ってあるのか?


素朴な疑問が沸き上がった遥斗は試しに目の前の少女に聞いてみた。


「なぁ、名前は?」


「……名前?」


「うん、名前」


「……名前……クゥ」


「食う?」


「……違う。クゥ」


「空?」


「……クゥ」


「クゥ?」


「……そう」


何度かのやり取りの後、遥斗はようやく少女のクゥの名前を知ることが出来た。


名前はあるんだな。他の子にも後で聞くか。


「ん?なに」


「……お腹へった」


遥斗の袖をチョンと掴みクイクイと引っ張りながらクゥがそう訴えた。


「お粥でいいか?」


「……お粥、食べる」


子犬を思わせるようなつぶらな瞳で遥斗を見つめていたクゥはコクンと嬉しそうに頷いた。














――――――――――――





「「「……」」」


「さてと、みんな揃った事だし自己紹介といこうか」


クゥにご飯を与え終わった時、ちょうど起きてきた2人の少女を呼び寄せた遥斗がそう言った。


「綾香です」


最初に1番小屋にいた、長い黒髪が日本人形を彷彿とさせる純和風の可愛らしい少女が綾香。


「フェルスよ」


次いで2小屋にいた金髪で白い肌の気の強そうな少女がフェルス。


「……クゥ」


そして最後に3小屋にいた赤髪で褐色肌のボーっとした少女がクゥと名乗った。


「えーと、それじゃあ俺の番なんだけど……俺のことって知ってる?」


彼女達に念のため遥斗が問い掛けるとフェルスが呆れた顔で答えた。


「番になる相手の事ぐらい知ってるわよ!!バカにしてるの!?」


「あぁ、ゴメンゴメン」


この子は気が強いな。……苦手なんだがなこういう子は。


まぁ、本に書いてあったようにある程度の知識とかはあるみたいだが……。


「……フェルスずるい」


遥斗がフェルスに謝りつつも考えを巡らせているとクゥが小さく呟いた。


「うんうん」


クゥの言葉に同意するように頷き、綾香もクゥと一緒になってフェルスをジト目で見つめていた。


「な、なにがよ」


「……お母様が、後のお楽しみって言って教えてくれなかった事まで我が儘言って教えてもらってた」


「な!?そ、それは……。ってそんな顔でこっち見んな!!べっ、別にあんたのことが知りたくて我が儘言った訳じゃないんだからねっ!!」


「わ、分かったから!!」


クゥの暴露にへっ!?という顔でフェルスを見詰めていた遥斗は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にしてポカポカと殴り掛かってきたフェルスの攻撃を甘んじて受けていた。

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