報酬
ニアが家族に成ってから一週間程が経過した。
毎日、朝起きるとニアと一緒に散歩に行き、ゴブリン等を数匹狩るとお食事タイム、昼寝をして街に戻り弟妹達やクロと話をしたりして婆ちゃん家に行く迄を過ごす…そんな毎日を過ごしていた。
で、今日は一週間経ちゴブリン等の討伐数もソコソコの数をこなしたのでそろそろ報酬を貰いに行こうかと考えていた。
日に3~5匹は狩っていたからな…それなりには報酬が出るだろ?…ニアに美味い野菜と婆ちゃんへのプレゼントだろ、弟妹達に鶏肉も食わせてやりたいし…クロも頑張ってるから少し与えてやるか?ミケ達と一緒に食事出来るって言えば着いてくるだろ?多分
そんな感じに考えながらギルドの中に入る。
んー時間が早かったからまだ結構冒険者が居るな…取り敢えず邪魔にならんようにタマの所に行くか…
時間はまだ早朝と言って良い時間で、丁度人族の冒険者達が依頼を請けに集まりだす時間だった。
「タマ~起きてるか~?」
「…ぅにゅぅ~、にいちゃこんな早くにどうしたの~?」
「うん今晩はタマ達にご飯をあげようと思ってな…」
「ご飯?また鳩捕ってきてくれる?」
「んー鳩じゃ無いなぁ…取り敢えずそうゆうわけだからミケ達が来たら待ってる様に言ってくれるか?」
「うん、わかったぁ~」
その後、ギルド朝の混雑時が過ぎ去る迄の時間をタマ&ニアとじゃれあう事で潰し、ある程度人気が無くなった所でニアとカウンターを目指す、勿論向かうのはアリシアーデ嬢の居るカウンターだ。
「あっニコさん、今日はどういった御用件でした?」
「ナァー」(報告に)
「其れでは此方へ身分晶をかざして下さい…はいオーケーです、今記録を確認しますので少々お待ち下さいね?」
「ナァ」(わかった)
当然だが俺の会話は筆談だ。
「お待たせしました!ゴブリン30匹、フォレストドッグ2匹ですね。合計で銀貨31枚の討伐報酬に成ります」
「ナァ!」(わかった!)
「他に御用はございますか?」
「ナァーゴ!」(ある、この後買い物に行くので手伝って欲しい)
「ふぇっ!?えっ、えっと…はい、わかりました」
「ナァー!!」(ヨロシク頼むよ!)
「オイオイオイ、猫が受付嬢をナンパしてるぜ!」
「なんだぁ?この猫身分晶付けてるぞ?いつからギルドは畜生に冒険者やらせる様になったんだ?」
あー異世界で冒険者ギルドとくれば…お約束の奴ですねわかります。
「えっ、あのニコさんはその…」
「そんな猫に付き合うぐらいなら俺達に付き合ってくれよアリスちゃん」
「そうそう猫なんかに付き合うよりよっぽど楽しい事してやるからよぉ」
「ヒッ!?」
ああ、こうゆう奴って何でこう画一的なんかなぁ…強引にアリシアーデ嬢を連れて行こうと腕を掴んだチンピラへ俺は…
「ナァー」
「何だぁ?猫のクセに何か文句でもあんのかぁコラァ!」
「…」
俺は無言でペンを走らせチンピラ二人に突き付ける。
『死にたく無かったらその手を放せ!』と…