我輩は猫である！

法則

　さて冒険者生活二日目、初日の失敗を繰り返さない様に、今日は最低一匹は『先に』狩りをしてからニアのお食事タイムにする事に決めた。

　―と、いうわけでやって来ました森の中。

　入って直ぐに三匹のゴブリンはっけーん！二匹は速攻で斬殺して残る一匹の手足の腱を寸断する。

　安全を確保した所でニア登場！倒れたゴブリンの後頭部にペシペシと攻撃して貰う。

　うぅ、健気にちっちゃな角でゴブリンを突っつくニアが激ラブリー！！

　こんなところで迄兄ちゃんを悶えさせるなんてなんて恐ろしい仔！

　ニアの攻撃で、ちょこっと傷がついた所で心臓に刄を突き入れてチャチャっと殺す。

　そうすると死んだゴブリンの身体から目には見えないエネルギーみたいな流れが俺とニアに流れ込むのを感じる。

　此れが『経験値』だ。

　経験値を入手するには３つの要素が重要だ。

　一つ、攻撃の意思を持って攻撃する事。

　一つ、攻撃により傷を与える事。

　一つ、対象が死んだ際に近くに居る事。

　以上の三点だ。

　勿論補助的な動作、回避とか挑発とかでも経験値の分配は有るが微々たる物だ。

　大きく経験値を稼ぐには、やはり『攻撃』して『殺す』事が大事な様だった。

　うんうんすんなり狩りは終了したので草原に戻りニアのお食事を愛でて楽しむ。

　道中体長20cmほどの草蜥蜴を見付けたのでサクッと殺って俺も食事を済ませる。

　ニアが満足したら陽当たりの良い所で二人で午睡を楽しんで、日が沈む頃には婆ちゃんの家に帰る。

　因みに、シフォン婆ちゃんはニアを初めて見た時に「おや、まあ！」と一言言っただけで婆ちゃん家に居る事を黙認してくれている。

　今度、稼いだ報酬で婆ちゃんにも何かプレゼントしてあげたいな…

　そんな感じで今日も夜が更けていった。