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異世界の生活は原付と共に  作者: 夢見月
第一章 原付「俺様の戦いはこれからだぁ!!」
8/32

原付「ウマレスさんもウマリエッタさんもいい生活してますね。羨ましいです。馬車馬って悪いイメージしかないですけど優しい主人の下じゃそんなに違うんですね~.それに比べてうちのなんかもう酷い扱いでいつもい

王都まではとある出来事を除いて平穏無事に進んだ。

時々イーノが騒ぎセントさんとグエンさんが嗜めたりして楽しい道のりだった。

ユエちゃんとも魔道具を中心に話をすることができた。

俺自身が魔導師という設定の上、会話スキルが低いから話を聞きだすのに苦労しました・・・。

断片的な話をまとめると、魔導師は自分の持つ魔力を個々人の方法で高めて魔道具に送り術を完成させるものらしい。

ユエちゃんは純粋に呪文。さっきの変態集団は踊りや衣装なんかがそれにあたるそうな。

それを行わないで術を使ってもむちゃくちゃ弱いらしい。

また道具によって使える術が決まっているから複数の術は使えないようだ。

別の術を使いたければ別の魔道具をってことらしい。

基本的にメインの魔道具が一つ、サブにもう一つが標準装備で、ユエちゃんは炎の杖と水の杖(小さい物)を持っているようだ。



ちゃららちゃっちゃら~。


魔導師の役立たずレベルがさらに上がりました!!


俺が使っている魔術がどういうもんかわかってないし、チートだからえばれるもんじゃないけど、これだけ役立たずなのに誇りを持っている魔導師って・・・プッ。

まあいいや、魔導師については多少わかった。

ユエちゃんからはスリーサイズなど個人的に聞きたいことがあったが次の機会にしておく。

そして先ほど除いていた出来事が『疾風の槍』この場にいる最後の一人ヨウさんという槍使いとの会話。

年は俺と同じくらいで20歳前半。

グエンさんやセントさんから見ればかなり細身の好青年といった感じだが今は少し顔が暗い


「僕はまだ入ったばかりでね、ランクもCCになったばかりなんだ。団長が槍の筋が良いって褒めてくれるけどさっきは情けないばかりだったよ・・・」

「そんなこと無いと思いますよ?時間はかかっていましたが怪我もせずにきっちりとしとめてたじゃないですか」


ヨウさんは肩を落としている。暗いぞ、そのまま地面にめり込んでしまえ。

とか思いつつ面倒くさくて嫌いだが話の流れ的に一応慰めておく。


「それに私なんか何もしていませんよ?他の冒険者もまともに戦えた人はいなかったはずです。その中で一頭をしとめる戦果。素晴らしい事だと思います」

「それは・・・そうだけど、僕は『疾風の槍』の団員なんだ。こんなことじゃいけないんだ・・・」


怖い顔で呟く様に言ってる。

暗いすぎだし、気負いすぎだろ・・・。

死亡フラグ立ててるように見える。

しかも、これは自分のじゃなくて周りに対してのだ。

突撃して自滅しかかって誰かが助けてその人が死ぬみたいな奴。

メンドクサイなぁ。

俺が言わなくても良いんだろうけど・・・でもしかたないか。


「はぁ~、あなたは団を辞めるべきです」


最初にため息が混じってしまったが、俺の断言する言葉にヨウさんはびっくりしている。


「いきなり何を言うんだ!僕は確かに力がなかったが団を辞めろといわれるほどじゃない!!」


ヨウさんの怒声でみんなが驚いてこっちを見てくる。

周りには気にしないでいいよって感じにパタパタと手を振っておく。

ヨウさんは今にも槍を向けてきそうだが怒るならまだ救いはあるかな?

怖いけど。ついでにうぜぇけど。


「あなたは、自分のランクが低いのを自覚している。腕が足りないのも判っている。入ったばかりだとも言っている。なのに『疾風の槍』だからもっと結果は出さないという。それはどんな魔法ですか?」


ヨウさんの目に有った怒気から疑問が見えた。

俺は言葉を続ける。


「団に入るだけで完璧に戦えるなら赤ん坊でも入れておけばいい。きっとすばらしい活躍をしてくれるでしょうね」


ヨウさんは俺の言いたいことがわかったのか目をそらした。


「最初からうまくできる人はいない。それは誰もが理解していることです。なのにあなたは『疾風の槍』だからという言葉を足かせに気負ってしまっている。それでは実力なんか出せません」


槍を強く握っていた手から力が抜けた。


「すべてはこれからのことでしょう?そのまま足かせにして『疾風の槍』という名を地に付けるか、グエンさんが言う筋の良い槍捌きを鍛えて胸に誇らしく掲げられるかは。違いますか?」


ヨウさんが顔を上げた。目に力が宿っている。


「そうだね。僕はまだこれからだ。しっかり鍛えて名に恥じない結果を残すよ」

「そうしてください」


笑顔を向け合う。当然俺のは営業スマイルの作り笑いです。

ふう、疲れた。柄じゃないよこういうの。

そこににやにやしながらイーノが近づいてきた。


「リョウ殿はいいこと言うねぇ。おれっちは感動したよ」


馬上で腕を組んでうんうんと頷いている。

なんか無性に腹が立つ、こんな話しなければ良かった!


「ヨウ、リョウ殿の言うとおりだ。俺はお前の成長を期待してこの団に入れた。今は確かに頼りない場面があるが鍛えればAAAに手が届くほどの力がある。精進しろ」

「・・・はい!!!」


グエンさんの言葉に顔を満面に喜ばせて元気よく返事をしている。

そして無駄に馬を走らせて商隊の先頭へ走っていった。

まぁうまくいったようだ。

疲れたから二度とやらないけど。

一つ息をはいて俺はグエンさんに軽く頭を下げた。


「すみません、出すぎた事を」

「いいや、こちらとしては礼を言いたいくらいだ。ありがとう」


グエンさんも頭を下げた。


「他の団員が何度か声をかけていた様だが、同じ団員だけあって同情されているとしか思わなかったんだ。それでうまくいってなかった。私が声をかけても一緒だっただろう。大怪我をする前に君のような外の人間が言ってくれて助かった」


やはりグエンさんも心配していたらしい。

しかしそうなると俺じゃなくてもよかったかな。

別の誰かでも怪我をした後でも良かった。

そこから知ることも有るんだから。

俺以外ならどうなろうと知ったこっちゃ無い。

でも、まぁ、ユエちゃんが傷つく可能性を排除しただけでも良しとしておこう。

そうやって納得しているとグエンさんが話を振ってきた。


「そういえばリョウ殿はギルドには所属していないのか?」


おお!ギルドってあるんだ。まさしく王道世界。


「ええ、旅に出たばかりですから」

「それなら王都で冒険者ギルドに入るべきだ、入っているだけで国境の通過も楽になったりなどさまざまな恩恵がある。詳しくはギルドで聞いたらいいが、村人も登録している者がいるくらい色々と都合が良いからな」

「へぇ~そうなんですか?」

「ああ、魔導師ギルドでも問題ないだろうが・・・あそこは国の監視が厳しい。重要な書物の閲覧ができるなどの特権があるが、機密情報の流出に繋がりかねないから出国は難しくなる。そもそも各国ごとにギルドができているのが普通だがな。その点、冒険者ギルドは各国が協定を結んでいるだけに移動の面ではとても融通が利く。優秀な冒険者はどの国でも引っ張りだこだからな。他のギルドの真似事をしてもとがめられることもない」


へぇ~色々なギルドがあるわけだ。

まぁ、もともとギルドってのは『組合』って意味だから不思議じゃないけどね。

きっと利権争いで特権も色々あるんだろう。


「二つのギルドに入ることはできないんですか?」

「うむ・・・無理だな。規約には特に無かったはずだが、いずれかの場面でどちらかのギルドに肩入れしないといけなくなる。そうなればもう一方から除名処分をうけるだろう」


なるほど、現実的に無理ってわけだ。

縦割り構造がここでもあるんだね。

そのなかで一番融通が利くのが冒険者ギルドってわけだ。

うむうむ。冒険者に憧れがあったから入ることに一切の躊躇いはないけど定住して生活することも考えてるからそことの兼ね合いも考えないと。


「ランクってどれだけあるんですか?」

「冒険者のか?それともモンスターか?」


ああ、二つともあるんだ。そういえばさっきの戦闘でもそんなこと言ってたか。


「冒険者のです。私はあまり戦闘に強くないですが、それでランクが低いままっていうのも・・・、男の子ですから出来れば上を目指したいじゃないですか」


ちょっとおどけて言ってみる。

しかし、グエンさんにガハハと笑われてしまった。なんだよ、悪いか!?


「たしかにな。ランクはFから始まってFF、FFF、そして次にE、と増えていき最後はSSSまでだ。ギルドにある依頼をこなしてランクを上げるのが普通だが。その内容を選べば戦いをしなくてもランクをあげることができる。たとえば薬草や鉱石の採取だな。難しい場所にある物を取りに行くのは自然とランクの高い依頼になる。しかし、そういった場所は当然ランクの高い魔物もいるから逃げ回っているだけじゃ難しくなる。そうなると自然と戦闘力は必要になってしまうが・・・」


当然そうなるわな・・・。

闘えないというのは嘘だから一応知っておこうと思っただけだけど。


「だが、実際にそれをやった爺さんがいたがね、すでに亡くなってしまったが・・・。確か鉱石の採取だけでAAAランクまで行ったはずだ。特殊な魔道具を使っていたお陰で魔物から逃れられたとか」


今の俺みたい。逃げるだけなら原付を使えば完璧。

ああ、でもゴブキンには効かなかったっけ・・・。


「グエンさんはAランクですよね、それでも名前が知れ渡っているのですから、SSSランクの人ってすごそうですね」

「私はこの国で主に活動しているから知られているといってもAAランクではたかが知れている」


この人さりげなく訂正しやがったよ。


「Sランク以上は他国にも知れ渡るほどだ。Sは八人、SSは五人。SSSランクは今は『月光のナイトロード・エスマス』と『黄金のドラゴンスレイヤー・ゲイド』二人だけだ」


・・・なんという中二病ネーム。

良く恥ずかしがらず名乗れるもんだ。

いや自分で名乗らず勝手に戦闘風景から広まった可能性もあるけどさ。


「冒険者ギルドでランクを上げると国から仕官の話がでてくるからな、それを狙って途中で辞めてしまうものも多い。ある意味最高ランクを目指すのは酔狂者がすることと言われている」


グエンさんに獰猛な笑みが浮かんだ。

この人はそれを狙ってるわけだ。

俺は金を手に入れて自堕落に生活出来ればいいからどうでもいいけど。


「こうやって団、もしくはパーティを作っていたら団長のランクがその団のランクとなる。依頼を受けるにしても団長がその難易度を判断するわけだ」


団長一人がクリアできる難しい依頼を受けても味方が全滅ってこともありえるわけだ。

結局自己責任ってことね。


「ギルドを通さず依頼を受けることもできる、今の護衛もそうだが突発的なものとかを含めてな。そういったものは何があっても自己責任になるが後からギルドに報告しておけばランクアップの審査対象になる」


そっか、いちいちギルドに話を持っていくのも難しいこと場合もあるわな。

ゲームでも緊急クエストとかあったし。

うむうむあまり容量の無い俺の脳内メモ帳が一杯になりそうだ。






こうやってギルドのことなども聞きながら歩いてしばらく経った頃。

日も傾き夕日が眩しくなり始めるとやっと王都が見えてきた。

足がめちゃくちゃ痛い。

普段オタク街を歩きまわっていても疲れないけど話しながらの原付押しながらのでかなり疲れてしまった。


しかし、夕日に照らされる王都の姿は感動だった。


「綺麗だ・・・」


草原の先からポツリと尖塔が見え出し徐々にその下から建物が生えていった。

円く段々に積み重なり白く輝く城壁に外壁はまるで結婚式に出てきそうな豪華なケーキのようだ。

夕日に照らされてもなお白い。

ファンタジーに乾杯!といいたいほどの煌きだった。

大きさは正直判らない。

円形だとわかるがそれを包む壁の長さは想像付かないほど長い。

万里の長城もびっくりだね。いや、さすがにそれほどは無いけど。

はじめてみるのは俺だけじゃないらしく、徒歩で付いてきている冒険者や商人も俺と同じように感動して立ち止まっている。


「元々は交通の要所だったここを監視する砦だったって話さ。だいたい400年まえかな?それができてから人が集まりだして市が開き、街になって城になったそうだ。金が集まりだしてから今は滅びた『リンセット王国』から独立。その元領土と周りの国々から切り取りまくって今の国ができたってね」


イーノが略歴を話しだした。


「段々になって見えるけど実際は丘の上に立ってるだけさ、よくもまぁあんな綺麗に整地したもんだと思うよ。ここからならわかりやすいから言うと中央が王城、次の円周が貴族街、その次が政治や軍施設、次が富裕街にギルド施設ってもランク上位用のだけど。次が一般街。一番広いここは北が商人ギルド区、西が職人ギルド区、東が冒険者及びその他ギルド区、南は一般街。っても便宜上で実際は町人はどこにでもすんでるし、大体集まってるって認識でいいよ。武器や道具は商人ギルド区まで行かないでも買える、というか冒険者ギルド区での方が品揃えがいい。あっちは小麦や毛皮、美術品やなんやらを大量に買い付けるところだからって・・・ここまで喋っておいてなんだけど来たことある?」

「いいえないです。助かります」


他の初めての人も集まって聞いていた。

こういうのは知っておいて損はないからみんな知りたいようだ。

方向音痴気味の俺にどこまで意味があるか謎だけど。


「そっかよかった。コホン。えー、ではイーノによる王都ガイドを続けます」


司会者のように大げさに礼をとった。

わーぱちぱちぱちっと。


「あとはここからは見え無いけど西から北を回って東まで貧民街と呼ばれる所がある。外壁の外にあばら家がつらなっているだけだけどね。街道沿いは大丈夫だけど中はスリとか強盗ばかりだから近づかないように」


ハーイ先生わかりましたぁ。って言わないけど頷いておく。

そこら辺に貧民街ある理由はなんとなく想像つくけど、聞いてみる。


「どうしてそんなところにあるんですか?街中にできそうなもんですけど」

「街中にあったら汚いじゃないか、どんな病気を持ってるかもわからないのに」


結構言うのね。気持ちは充分わかるけど。

話が聞こえているグエンさんやユエちゃんも何も言わないし表情も変わらない。

これが一般的な意見なのかな?


「どっかの何代か前の王様が景観が汚れるって貧民街を無くしたそうだけど、小間使いや奴隷が手に入らないって商人と貴族から言われるは、街内に入られてもっと汚れるわ、最後には疫病がはやって酷いことになったって。それを聞いてどの国の王様も苦々しく思いながらも放置してるって話さ」


でた、とうとう出た。『奴隷』!!俺の夢に近づく一歩!!

内心のわくわくを押えながら聞く。


「小間使いに奴隷ですか?」

「リョウ殿の元いた町にはいなかったのかい?」


っとそうきたか、失敗失敗。俺は適当な嘘を重ねる。


「師匠は変わり者でしたから、町から離れた小屋に一人で住んでたんです。そこに俺が拾われる形で弟子入りしたというわけで、小間使いというなら私がそうですね。掃除とかやってましたし。必要な物は自給自足と行商人の方が持ってきてくれましたから町にはほとんど行ったことがないんです、町も小さかったですし」


適当な嘘をこれでもかと並べてみたが、どうだ!


「そっか、なるほどね。リョウ殿のは弟子入りしての仕事だよ。ここでいう奴隷や小間使いとは違うさ。金で雇われたり、身売りしたわけじゃないだから。貧民街の連中はさ、キツイ荷物運びとか汚い仕事とか銅貨数枚でこき使えるんだ。冒険者でも連れて行ったり。囮くらいにはなるからって。うちはそんなの必要ないけど」


うまくごまかせたみたい。ふう、あぶないあぶない。

それにしても扱いが酷いな、必要があったら連れていくのか?

いや、俺も自分以外がどうなろうと知ったこっちゃないから囮でも何でも使うけど。

あ、かわいい女の子は別。


「そうやって金を貯めて市民権買うつもりなんだろうけど一体いつになるやらって話さ。生活するために手っ取り早く奴隷商に自分を売り込むってのもいる。犯罪奴隷じゃ無ければ衣食住の保証が義務付けられているからね」


市民権!?そんなの買わないといけないのか。知らなかった。

一応平等ってことになってる日本じゃそんなのないからな~。

うーん。そういえば昔読んだ歴史本に出てたかな。すっかり忘れてたけど。

まずい、幾らだ?今持ってる金で足りるのか?


「でも、保証されてるって言っても家畜の方がまだましって扱いでも問題にならないからね。それを知らずに売り込むのはほんと馬鹿だよ。まぁ貧民街の様子知っている身としたらそれに希望をたくしたいんだろうけどさ・・・。後残ってるのは女なら花売り、男なら冒険者になるってくらいか、それも大変だけど」


花売り花売り・・・ああ、娼婦ね。


「そうですね。市民権って幾らぐらいするんでしょうか?」


イーノはちょっと小首を傾げてそれから納得したように声を出した。


「ああ、そっかリョウ殿は持ってないのか。大丈夫だよ心配しなくても。冒険者ギルドに入れば最低だけど六等市民権が手に入る。銀貨50枚払うか、ギルドの依頼受けてくるかだからお金持ってるリョウ殿は問題なし。普通に役所で買っても金貨20枚あれば五等市民権が買える。あとは一等市民権までは金さえあればどうにかなるし、ギルドのランク上げれば自然と等級も上がる、だから心配しなくて良いよ、周りの人達もね」


一緒に聞いていた何人かの冒険者が安堵している。

ギルドで説明されなかったのか?

へぼそうだから聞いてなかったんだろうな・・・。

それにしてもギルドって簡単に入れると思ってたけど色々あるんだなぁ~。


「冒険者になるつもりだからあまり聞く意味ないですが市民権持ってないとやっぱりまずいんですよね?」

「そりゃね、普段はそんなに意識しないけど、犯罪に巻き込まれたり住民同士の揉め事があったときは市民権の等級がものをいうからね。兵士の態度が全然違うし、裁判になってもこれが基準で判決が出る。持ってなかったらそもそも裁判受けれないし」


なんというアパルトヘイト、もしくはカースト制度。・・・いやどっちも違うか?


「あとは住むところくらい。団長や俺みたいに二等級以上持ってたら富裕街に家が買える。それ以外は一般街ね。ああ、忘れてた奴隷買えるのは市民権もってないと無理」


まぁ、ここらへんは予想通りか。村人がギルドに入るのも犯罪対策ね。

トトの村くらい金が有ればギルドに入れるから商売や観光に来ても安心ってわけだ。

それにしても村人より貧民街の人間の方が金持ってないって不思議な感じ。

ゲームのしすぎかな?


「近くにあった村はそれくらいの金は稼いでたのに貧民街の人達は持ってないんですね」

「ここだとさ、うまくやればリョウ殿のようになにかしらの職人の弟子になって手に職付けられたり、女の子でも奴隷じゃなく貴族の愛人にしてもらえれば裕福な生活ができる。有名な冒険者に手ほどきされれば一気にCランクの三等市民だ。夢を見るには王都は綺麗なのさ。村だとよそ者に辛いことが多いし、村に入れても泥だらけで畑仕事。今はそれ以下の生活だけど一山当てることさえできればってね」


そういうものなんだろうな。

古い表現だけどアメリカンドリームってやつなのかも。

俺も注意しよ。勝って兜の緒を締めろってあるし。

まだ何もしてないけど。


「街を眺めるのもこのへんでいいか?、行くぞ」


グエンさんが馬を歩かせ出した。


「私も最初はここで街に見惚れたものです」


通り過ぎざまオレリイさんが笑って言った。

みんなわざわざ待っていてくれたらしい。

もしくは風物詩という奴かもしれない。


「では行きますか」

「はい」


イーノに促されて俺は原付を押して歩き始めた。

期待に胸を膨らませたおかげで足はかなり軽かった。

正直なところ、こういうギルドの設定とかありきたりだから書きたくなかったのですが、書かないと中身がスカスカになってしまうし、別の設定は作者の貧弱な頭じゃ浮かばないし・・・難しいです。



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