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異世界の生活は原付と共に  作者: 夢見月
第一章 原付「俺様の戦いはこれからだぁ!!」
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原付「初めて家の中に入りました」

飛ばされた方へのあらすじ。

主人公、星野 良は道を進んだ先で村を発見。

しかし、村は魔物=ゴブリンキング率いるゴブリンの集団によって襲撃を受けていた。

魔術を使えると言っても勝てるとは限らない。

自分の命が一番大事な星野は助けに入ることも無くあっさりと村を見捨て、隠れながら様子を伺い情報収集を行う。

言葉は理解することが出来る、魔物はただの村人にとっては凶悪であることなどいくつか必要な情報を手に入れることができたが観察を続けるうちに間抜けにもゴブリン達に見つかってしまった。

逃げの一手を取るも自分の命が脅かされる攻撃に星野は激怒。

自分を傷つける存在を許せないという信条のもと正当防衛を発動。

怒りに任せ魔物の討伐を決行する。

そしてあっさりと勝利。

初めての戦いに緊張するも自分の得た力、魔術の力を自覚する。



今後の生活を確立する一歩として村から援助を貰う(という名の火事場泥棒をする)ため村へと入った星野は魔物の病に侵された生き残りの村人数名を発見する。

面倒ごとに関わりたく無いため、見なかったことしたかった星野だが今後のことも考え話をすることに。

村人が侵された病は薬も無く数日で死に至る病。

病気が進行しひどい死に方をするくらいならば安らかに殺してくれと懇願する村人。

面倒だ、他人事だ、厄介だ、死ぬなら勝手に死んでくれと内心で思う星野だったが、頼まれた仕事だからと自分を説得。自分が殺すことになる村と村人の名を聞く事を条件に殺すことを同意。

魔術を使って安楽死を実行した。

魔術を使ったとはいえ人を殺すことに多少思うところがあった星野だったが、わずかばかりの黙祷を捧げた後に家宅捜索を開始したのだった。


「いやー大量大量。こんなに分かりやすいなんてありがたい限りだわ~」



気分はRPGの勇者様。

誰もいないけど人の家のタンスを勝手に漁り、壷を覗き込み、宝箱を開けて、アイテムゲット。

楽しい。めちゃくちゃ楽しい。語尾に音符が付いてもいいくらいに楽しい。

癖になりそう。勇者や盗賊や山賊さん達が村を襲う理由ってこれ?って状態。

好き勝手できるって最高!いやーがんばってゴブリン供をぶち殺した甲斐がありました。

嫌な仕事を引き受けた甲斐がありました。楽しい気分をぶち壊されずに済んだよ。

もし、ゴブリンを逃がしてたら戻ってこないだろうかってビクビクしないといけなかったし、

仕事請けてなかったら道を通るたびにうめき声聞かされて参ってたかも。ホント良かった。

こうなると時間を忘れて漁ってしまったのでもうすっかり日も暮れてしまった。

とういわけで俺は勝手に村長さんの家でくつろいでいる。

鞄に放り込んでいたマッチでランプに火を付けて淡く室内を照らしながら戦利品を眺める。

テーブルの上には金銀財宝・・・とはいかないまでも金貨数枚と銀貨が小箱一杯、それと大量の銅貨。

後は宝石が少々。


「それでっと、金貨が二種類に銀貨も二種類、銅貨も二種類・・・。ほんと分かりやすい。あとはこれらの価値がどんなもんかだね。いや~よかったよかった」


街に行って値札でも見ればおおよそ掴めるだろうし、これ以上の価値の硬貨があっても一般的に出回ってるものじゃないとなればそれを手に入れるまで無いものとして考えれば問題なし。


「さすが麦とビールの村。結構もうけてたんだろうね~。鉄製の農具に鉄製の台所用品。見て周った限り鉄工所は村に無かったから買ったんだろうけど、全部の家に鉄製品があったんだからなかなかのもんだ」


硬貨をクルクルと回しながら思いを馳せる。

馬車で鉄製品を運ぶのはかなり大変だと思う。

嵩張る上に重たい。かなり値段は高いはずだ。

となれば交易が盛んに行われているか金にものを言わせるしかない。

ここに来るまで馬車とはすれ違わなかった。

ここで引き返した可能性があるが普通はぐるりと回る航路をとって交易するはず。

となれば金に物を言わしただ。

金貨は村長の家の隠し棚の中に仕舞われていて、銀貨は分かりやすい宝箱の中。それも一杯。

銅貨はそれぞれの家に結構な数があった。


「銀貨は村長の家で管理、となれば高価だけど一般的。銅貨は普通に流通くらいかな。くぅぅぅ~、早く街に行きたい!村人さん達、安心して成仏して下さい、俺がこの金しっかり使ってあげますから」


笑みがとまらない。

苦労して淹れたコーヒーらしきものを啜り落ち着こうとするが、すぐにニヤニヤとしてしまう。

他に探ったものも知っているものが多数だった。野菜もニンジンや、ジャガイモのなどの見知ったものがほとんどだったし、他の食べ物もパンにベーコン、塩。保存用の乾し肉に果物としてりんごも発見。

調理の仕方で劇的なものがあるかもしれないが、そんなのは元いた世界で当たり前にあったことなので問題にはならないだろう。問題があるとすれば米や、味噌、醤油があるかどうか。

日本人としてはこれらは譲れない。今後の生活次第では徹底的に探し出さないと。

とりあえず今日はジャガイモの塩茹でとベーコンの炒め物とスクランブルエッグを晩飯として食べた。

食材的に味も特に問題なし。料理の腕が悪いから可もなく不可もなくだけど。

竈に火を起こすのは少し苦労したけど、今日ゲットした火打ち石も練習すればすぐにでも使える。

もしくは鞄に放り込んでいたライターとマッチでしばらくは何とかなるし、

まだ分からないけど魔術が一般的じゃなくても一人ならそれで対応できる。


「火が使えるかどうかで文明的に生活できるか決まるからね。今日で旅に必要そうな道具は一通り揃ったし。あとは街に行って今後の生活を確立するだけか・・・ふぁ~・・・」


ニヤニヤも納まって眠気が出てきた。

携帯の時計はまだ八時を過ぎたところだけど、今日は一日かなりハードだったからもう寝ることにする。

頂戴した荷物満載の原付を村長の客室へと押し込みドアを閉めてから引っ張ってきた紐をドアノブに結ぶ。

さすがに、初めての夜は安心して眠れないので一応簡単な鳴子を村長の家の周りに一周と家の中に幾つか仕込んだ。原付も手元近くにあればすぐにエンジンを入れて警笛をならせる。

安心の三重の防御体勢。最終手段は魔術で吹っ飛ばせば完璧。

俺は固いベットに潜り込み、ランプを消してメガネを外した。

自分の音と光が消えて木々のざわめきと川の流れる音がしばらく聞こえたが、疲れのおかげで不安を覚える間もなくすぐに眠りに落ちた。

文章量にばらつきが・・・。

区切るタイミング難しいです。


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