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異世界の生活は原付と共に  作者: 夢見月
第二章(後半)原付「続・俺様の退屈で暇な一日」
28/32

原付「ブルルン!ブルルン!バリバリバリ・・・言ってみただけですよ?」


 エアロさんの所を出た俺達一行は何時もの如くディスさんの所へ。

 やっぱり情報屋ギルドに顔を出して情報仕入れとかないと怖いもんね。


 情報を制するものが世界を制する!!


 とかどっかで聞いた覚えがあるような無いよな・・・。

 決して慣れた店がここしかなくて他の店に入りにくいってことが理由じゃないのであしからず。

 って何に言い訳してるんだか・・・。

 歩いていて思ったけど白黒猫はやっぱり美人で美少女だわ。

 すれ違う人(野郎だけじゃなくて女性も)のほとんどが目をやってるし。

 服が変わる前はあきらかに奴隷ってことであんまり見向きされてなかったのに凄い違いだ。


 黒猫は胸元に赤いリボンが付いた白いワンピースで、清楚さ抜群だし。


 白猫はボーイッシュにズボンとシャツで男装の麗人風で凛々しさ炸裂だし。


 ついでにトカゲはガチガチのフルプレート。威喝さ絶大だし。


 さらに俺はきっちりと着こなした灰色の作業着と眼鏡で小物臭がぷんぷんだし・・・。


 お嬢様(黒猫)と話し相手(白猫)と護衛トカゲとお付(俺)ですね。


 ・・・俺が一番の駄目人間ですかそうですかわかります。


 とまぁ俺の価値観からしたらそう見えて軽く凹むところなんだか、この世界だと違うんだよね。

 周りが白黒猫を見て驚くのは綺麗なのもあるけど、やっぱり首輪のせいもあるみたい。

 美人だな~って眺めてて首輪に気づいて驚く。

 さらに俺を見て目を逸らしてからまた白黒猫の格好をみて驚く。

 それの繰り返し。

 魔術師(俺)に何故か普通の格好している美小女奴隷達(白黒猫)に戦奴隷の護衛トカゲ

 この世界の人たちから見たらこうなわけで。

 価値観の差ってのは面白いもんだ。


 うんうん。


 とそんな風に観察と自己完結しながら歩くことしばらくディスさんの所に到着。

 今日は昼前に付いたからさすがに旗が昇ったままだけど、客がいる様子が無い。

 実はこの店流行ってないんじゃないか?

 

 「こんにちは」    

 「らっしゃい!今日は団体だな!!で、どうする?」

 「肉麺四杯」

 「なるほどな!!あいよ!!肉麺四杯!!」


 あまり大きくない屋台は俺と三匹座れば一杯。

 これなら客がこれないから秘密の会話も出来るな。

 本当に流行ってないのか、空いてただけなのか、どちらにしてもラッキーだな。

 

 「はいよ。肉麺四杯!!」


 ドンと相変らずの威勢の良さでどんぶりが置かれる。

 今日も肉は普通。

 うーん。やっぱりここの肉は旨いから肉大盛りで次はたのもう。

 そうしよう。

 一つ頷いて、いただきますと呟いてから食べ始める。

 それを見た三匹はさすがに今度は何も言うことなく大人しく食べ始めた。

 

 「情報通りだな。奴隷に普通の飯ってのは。しかも服までもか・・・さすが『魔術師』だ」

 

 うるさかった声のトーンがガラリと変わった。

 どうやら情報屋として話をしても問題ないみたいだ。

 驚いて三匹が顔を上げたが俺はなれたもんで、切りのいいところまで麺を食べ終わってから口を開いた。


 「俺の野望を知ってるディスさんなら別に驚くようなことじゃなかっただろ?」

 「程度ってもんがある。魔術師の自由っちゃ自由だがな」

 

 それだったらほっとけって話だ。 


 「しかし、そのお陰であんたの情報は高く売れる。変わりもんな魔術師のことを知りたい連中は今や五万といるからな」

 「だろうね、自分でもそう思うよ」


 今となっては最初は隠れて金を稼ごうとか思ってた俺が馬鹿みたいだ。 


 「でも『腰抜けの魔術師』のことを必死に知りたいっての笑えるような話だな」


 みんなして弱いもの虐めしてるんだから。


 「おおっと、その情報はもう古いぜ」

 「今日の朝言われたのに?」

 「さっき言ったとおりだ。あんたのことを知りたい連中は多い。それだけ情報の動きは早いってことだよ」


 なるほどね。

 でもこの二~三時間で変わるってどんだけだよ。


 「まずは今日の朝その奴隷がバズを倒したのがある。それを見ていた連中は多いからな表向きはそれだけでも評価は変わる」

 「シュルルルル」 


 話に上がったトカゲは少し顔を上げて舌を出すとまた麺を啜り出した。

 ちょっと自慢げ?

 もしくは麺が気に入ったのかな?

 相変わらず顔の表情はわからんが・・・。

 確かに、あれを見ていた人間は多いからそりゃ変わるわな。

 でもそれは俺の評価じゃない。

 ・・・表向きは?


 「これからは全部情報屋ギルドで扱ってる話だ。あんたのおこぼれに預かろうとノルン山脈に行った連中の一人から鳩便が届いた」

 

 ノルン山脈・・・えーと?

 ああ、翼竜の住処か。

 おこぼれに群がった連中いたよね。

 やっとたどり着いたんだ。 

 結構時間が掛かった気がするけど普通に移動したらそんなもんなのかね?

 まぁ、どうでもいいか。

 それで到着と同時に手紙を鳩の足に付けて飛ばしたってわけね。

 律儀なことを。


 「短い手紙だったが必要なことは描かれてた。真っ黒に焼け焦げた山肌と肉片となった無数の翼竜。これだけでもあんたがただもんじゃないってわかるよな」

 「確かに」

 

 あの村の人からも俺が行ってから派手にドンパチの音が聞こえたって話聞いただろうから俺以外がやったてことありえないって結論になってるだろうし。


 「次は昨日の夜、奴隷を手に入れたあとで貴族と揉めただろ?それを見てた奴がいたんだよ。私兵を倒したのは奴隷達だったがあんたが氷を一瞬で作って貴族を脅してたって」

 「ありゃ?見てた奴がいたの?」


 夜だから誰もいないと思ってたのに。

 あれを普通に見られたのはほんのちょっと失敗だったかな?


 「星は目となり闇は音を届けるって格言通りだな。複数の目撃情報だ。夜といってもあれだけ派手にやっていれば目に付くだろ。貴族に関わりたくないから直接どうこうは無いがな」

 「なるほどね」

 

 情報料で儲けようとした奴がいたわけだ・・・。

 まったく余計なことを・・・見つけ出していじめてやろうか。


 「あとは最初にこの町に来たときランクCの冒険者をあっさり倒したこと。これはこの前言ったな?ギルド長の依頼成功と朝のことが呼び水になって情報は売れまくり噂が噂を呼んでいる。耳がいい奴だけじゃない、情報のいの字もわかってない連中まで知り始めてる。これだけあって『腰抜け』なんて二つ名はすぐに消える。実際の戦闘風景の話こそ出てきて無いが『魔術師リョウ』ってのはかなりの実力者で本気にさせるとかなりマズイってことだけは知れ渡ってきてる。すぐにでもあんたにケンカを吹っかけようなんて奴はいなくなるだろうな」


 ふむ。どうやらケンカを売られるようなことがなくなったのは確からしい。

 煩わしいことが減るってのはありがたいことだね。

 あとは二つ名か・・・人前で盛大に戦ってないから確定してないけどいつか本当に『灰色の魔術師』や『氷結の魔術師』とか呼ばれそうだな。

 ・・・ちょっと楽しみかも。

 

 「そっか。金にならないのが残念だけどケンカ売られないようになるのは助かるよ」

 「金が欲しいなら氷を出した術ってのがどんなものか俺に言ってくれればいいぜ、すぐに白金貨10枚にしてやるよ」


 白金貨10枚になるのか・・・今は金が欲しいだけにちょっとぐらついてしまう。

 

 「それは駄目。さすがに自分の手の内はさらせないな」

 「ち、残念だ。それがあれば俺も下っ端から抜け出せるんだが・・・」

 「そういえば下っ端だったっけ。すっかり忘れてたよ」


 ディスさんくらいしか情報屋しらないから比べられないけど、結構まともな情報くれるし、貫禄があるから下っ端って気がしないんだよね。


 「ああ、しがない中継点さ。魔術師のように野望は持ってるがな。さて、今日は飯を食いに来ただけか?」

 「いや、なんか面白い話がないかなっと思って。さっきみたいに俺に関することとかこの街周辺のこととか」

 

 俺は喋りながらポケットをあさり適当に金貨を二枚ほどカウンターに出す。

 ディスさんは金貨を受け取ると眼を瞑ってうんうん唸りだした。

 頭の中で情報を引き出しているのかも。

 数秒してディスさんの頭の上にピコン!と電球が灯ったようだ。


 「あんたに関してだが、さっき言ったようにケンカを売られることは少なくなるだろうってのが一つ。もう一つはそこの白虎族の奴隷についてだな」

 「ひゃい!?」


 麺と必死に格闘していた黒猫がみょうちくりんな声を上げた。

 いきなり指名されたからってそこまで驚かんでも・・・そこまで肉麺に一生懸命か・・・確かに美味しいけど。

 ディスさんはその様子に少し笑みを浮かべるとすぐ真剣な様子で話し始めた。


 「白虎族の集落でかなりの騒ぎになってるらしい。まぁ族長の娘が消えたんだから当然だけどな」


 ふーん、集落で大騒ぎね・・・え?

 ちょっとまて、今なんて言った?聞き間違いじゃなければ・・・族長の・・・娘!?!?


 「え、黒猫ってそんな重要人物だったの?」

 

 内心の驚きを抑えつつ俺は疑問と一緒に二匹に視線を向ける。

 いごごち悪そうに縮こまる二匹。

 しかし、俺の問いかける視線が外れないとわかると白猫が口を開いた。


 「そうだ、白虎族族長ハラオンが娘、リィお嬢様だ」





 ・・・今明かされた衝撃の真実。





 黒猫は族長の娘だったんだよ!!!!






 何だってぇーーーー!?!?!?







 ってほどじゃないけどね、最初からお嬢様と護衛だったし。

 でも族長の娘ってかなり面倒ごとな臭いがするんだけど。

 

 「その様子だと魔術師は知らなかったみたいだな。ほとんど表に出てこない族長の娘、『白虎族の黒曜石』ってのは交流のある一部の貴族か亜人族くらいしか知らないことだから無理も無いが」


 二つ名までありやがる、羨ま・・・じゃなかった、なんでそんなのが売られてるのさ。 


 「俺も魔術師が白虎族を買ったって聞いて調べてから知ったんだがな。それはもう驚いたのなんのって。

 そんなわけで白虎族のことについて話を集めてみたんだが、奴隷商に攫われたの間違いないから族長自ら捜索隊を組んで探してるって話だ」

 「お父様が!?」

 「よかったですね、お嬢様!」


 捜索隊の話をきいて笑顔満点な黒猫と白猫。

 喜びも露に手をつないではしゃいじゃってます。

 でも俺にとってはある意味死亡フラグ?見つかったらどうなるのさ。

 

 「その捜索隊ってのがこの子達を見つけたらどうなるわけ?」

 「どうもならんだろ」

 「「「え?」」」

 

 あっさりとした返答に喜んでいた二匹と俺の声が重なる。

 今一人と二匹の心は一つになったね。

 

 「遅すぎなんだよ。最初の奴隷商に捕まってたときならいざ知らず、今は正式に売買されて奴隷契約まで済ましちまってる。これを無理に取り返したらそれこそ白虎族が犯罪者だ。珍しい一族だから貴族達が喜んで捕まえようとするだろな。あんたを殺して連れて行っても結果は同じ、遺産として国に行くはずのものが奪われたんだ。丁度いい口実とばかりに集落へ兵士が押し寄せてあわや一族は滅亡へ一直線だな。白虎族の族長もバカじゃないからそれくらいわかってるだろ。娘を見つけて間に合うなら奪還。だめでもなんとか金銭で話をつけようってこところだろうな。でも、あんたの目標からしたら・・・だろ?」

 「まぁね」


 しっかりと頷く俺。

 わざわざ濁してくれてどうも。

 ハーレムを作ろうとしている俺がせっかく手に入れた猫耳美少女を売ることなんて無いってことだろ?

 当然ですね。

 ふぅ安心した。見つかったところでどうしようもないわけだ。心配して損したよ。 

 あれ?でもレントン氏が言ってなかったっけ?時たま襲撃してでも奴隷を助けに来るって。

 うーん。そんなバカもいるってだけかな。今回の場合なら、白虎族の安全のこともあるからそこまで無茶はしないってことか。

 大丈夫だよねきっと。

 話を聞いた二匹は売買のあたりで俺を見ていたが、しっかりと頷いたのを見るや項垂れてしまった。

 しょぼんとなる猫耳が二セット。

 ほんと可愛いわ・・・。

 って和んでいる場合じゃなくて。

 

 「それにしても白黒猫はどうして捕まったわけ、さっきの話だと村の中で引籠ってたんだろ?そうそう捕まるようなことは無いと思うけど」

 「それは・・・その・・・」

 「うう」

 

 項垂れている二匹は俺の質問に対してぼそぼそと言葉を濁すばかり。

 言いにくいことらしい。

 うーん、まぁこの様子とさっきの話からおおよそ検討つくけどね。


 「おおかた、黒猫がお外見てみたいわ~とか言い出して、ちょっとだけですよとかいいながら白猫が連れ出したと。そしてたまたまいた奴隷商人に黒猫が捕まって手出しできなくなって白猫も捕まったとかそんな感じかな?」

 「「見てたんですか!?」のか!?」


 びっくりと目玉を大きくして俺を見る白黒二匹。

 おお、まさか大当たりとは。俺の推理力もなかなかだな。

 っても最初に会ったときにそんなこと言ってたし、

 籠の中のお姫様が考えることはどこでも一緒だよね。

 

 「ありきたりすぎて見てなくてもわかるっての。ま、お陰で俺は美人の奴隷ゲットできたから感謝するけどね」

 「くっ!」


 白猫がまた俺を睨んでくるけど、今回のは気分がいいね。

 思惑通りと言いますか優越感?みたいな。

 フフフフ。

 黒猫はまたしょぼんと縮こまってしまったけど。

 ああそんな様子も可愛いわ。


 「さてそれで、他にはなんか情報ないの?」


 しばらく白黒猫を眺めて楽しんだ後聞いてみた。


 「魔術師関係の話はそれぐらいだな。他は・・・『魔物の森』がかなり騒がしくなってる」

 「ぶふぅ!」


 あ、あまりにもファンタジーにありがちすぎる名前で思わず吹いちまった。


 「お、おい、大丈夫か?ほれ水。」

 「大丈夫。ありがと。げほ」 

 「だ、大丈夫ですか?」

 「ああ」


 気管に入ってのどが痛てぇ。

 しょぼんとしていた黒猫が背中を撫でてくれるのを感じながら水を飲んで落ち着く。

 ふぅ。

 あぶなかった。 


 「それで、その、ま、『魔物の森』とやらがど、どうしたのさ」


 やばい、自分で言っててまた吹きそうだ。

 なんかツボに入ったっぽい。

 落ち着け俺。


 「ああ。魔物の動きが活発になってるってのは知っての通りだろうが、魔物の森も例外じゃない。むしろそこが震源地のようなんだ」

 「へぇ?」

 「砦を突破した魔物が他の魔物の縄張りを荒らして混乱って具合だな。森に調査隊を派遣しようにも砦に大量の魔物が迫ってきててそれどころじゃないらしい」

 「砦?」

 「知らないのか?・・・いや知らないんだな。そうなると魔物の森自体どこにあるか知らないだろ?」

 

 ハイもちろん。初めて聞きました。

 そんなわけでしっかり頷く俺を見てため息を付くディスさん。

 いい加減俺の世間知らずになれるべき。

 そうすべき。

 俺の素晴らしい頷きに微妙な顔をすると、ディスさんは自分で酒を一杯あおってから説明をしてくれた。


 「場所は東の国境から馬で二日ほど。ここからなら東南東に一週間って所だな。あんたが知ってる場所だと・・・トトの村から山が見えただろ?その山を越えた先が魔物の森だ」


 ああ、そういえばあったね。

 アルプスかよ!って突っ込みたくなるほど綺麗な山。

 最初に見た風景だから覚えてるよ。

 あの美しい山脈の先は魔物溢れる世界だったわけだ。

 これこそ表裏一体ってやつ?


 「その山の端、谷になってるところに森を監視するための砦があるってわけだ」

 「そしてその砦を抜けて多くの魔物が国内に?」

 「そういうことだな。冒険者ギルドにもかなりの数の討伐依頼が出ているんだが・・・中にはAランクの魔物討伐も出ているはずだ」

 「!?」 


 まじで?Aランクって、ゴブキンや翼竜より上だよね?

 単体であれ以上ってかなりまずいんじゃ・・・。


 「さすがに今回は報酬があるからな、かなりのチームが動くようだ。あんたも狙うなら急いだほうがいい」

 

 ああそっか、報酬があればチームで討伐するんだっけ。

 じゃあ別に心配することもないのか。

 てか、Aランクの魔物が一匹だけなんだよね。

 どうしようかな・・・。

 前の翼竜みたいに大量にいるわけでもなし、油断さえしなければ楽勝な気がする。

 報酬もいいだろうし、その素材もかなりの高値になるんだろうね。

 今金もないし、魔物虐めに精を出すのも悪くないかも。

 うん、決めた。


 「おっけー、金欠真っ盛りだし。行きますかね」

 「シュルル!?」

 「主殿本気か!?」

 

 俺の発言に、驚くトカゲと白猫。

 そんな二匹して驚かなくても。


 「もちのろん本気。トカゲも白猫も強いんだからさ。大丈夫だって」

 「シュル!まさか我ら二人にやらせる気か!Aランクの魔物相手では我とて勝利は厳しいぞ!?」

 「そうだ、お嬢様と・・・主殿を守りながらではとても無理だ!」


 ああ、そういうこと。

 ちょっと言葉が足りなかったか。


 「勘違いすんなっての。俺もやるよ。色々やりたいこともあるし」


 そう、色々と実験しないとね。

 いい加減自分の『魔術』について把握しすべきだと思う。

 今まで流れに任せて使ってたけど今回のはいい機会だ。

 自分で獲物を選んで、力を試す。

 最悪俺が失敗しても『盾』があるから安心だ。


 「なにもいきなりAランクは狙わないさ。さっきの話だと雑魚が大量に沸いてるみたいだからそれらで腕試ししてからだな。トカゲも白猫も連携の確認してからなら問題ないだろ?」

 「しかし・・・」

 「一回俺の魔術見ただろ、それでも不安か?」

 「そういえば一瞬で氷を」

 「そういうこと。あれより凄いの見せてやんゼ!」


 微妙に格好付けた俺の自信溢れる言葉に多少不安げな顔をしているが納得したらしい。

 しかし俺も優しいね。いちいち説得してんだから。

 決定だ!付いて来い!でいいのに。

 ま、そのうちそうなるね。

 魔物相手で人目さえなければ俺の全力全壊を見せてやんよ。

 そうなれば尊敬すら勝ち取れるってね。


 「決まりみたいだな。気をつけて行ってこいよ」

 「ありがとうディスさん」

 

 そんなわけで情報と腹を満たした俺たちはディスさんの屋台を後にした。


大変お待たせです、お久しぶりです。


うちの主人公が引きこもったんです!ってレベルで

まだしばらく街中パートが続きます。

申し訳ない。


次回は3月13日

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