表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界の生活は原付と共に  作者: 夢見月
第一章 原付「俺様の戦いはこれからだぁ!!」
1/32

原付「こんな草原を走るのが夢でした」

あらすじ読みました?読みましたね?じゃあ大丈夫ですね?問題ないですね?

それでは楽しんでいただければ幸い、よろしくお願いします。

ブカブカブブブブブガチャン、ブブブッブブガチャンガリガリガリブブブブブブブ・・・・


「私は~荒野の運び~屋さん~、今日も~陽気に~荷物を~運ぶ~。ふんふん~ふ~ん・・・」


いや、別に運び屋さんでも無ければ荒野でもないけどね。

今いるのは草原の中の一本道。舗装されたわけじゃなくただ草が生えてない地面がむき出しなだけの道。

適当にわざと外した歌を歌ってるのは自棄になってるのとなんとなく頭に浮かんだから、昔見たアニメで歌ってたやつ、ほとんど覚えてないから鼻歌混じりもいいところだ。

気分で歌いだすのは、まぁいつものこと、誰もいないしね。

さすがに人がいたら恥ずかしくて歌えないさ。

人じゃないのはちらちら見えるけど原付の音に驚いてるのかみんな逃げてる。

うーん・・・『魔よけの原付』って名前はなかなかに怪しくてかっこいいかもね。

そう、見えてるのは魔物って感じの生き物。

ウサギに角生えてたりするのとか、鶏をでかくしたのとか、あとはサイの体にとげとげをこれでもかと追加したのとか。

テレビの珍獣百選とかでも見たこと無いのがちらほらといるわけです。

いやーびっくりだね。まさしく異世界って感じ。

まぁ、ヨーロッパの片田舎や中央アジアの荒野に放り込まれても一般的日本人にしたら充分異世界だろうけど、魔物っぽいのがいると更に異世界だよね。

そんな世界を愛用の原動機付自転車(親父から数えてかれこれ20年もの)で走ってるわけです。

舗装されてないから石がはねるはねる。

シートはビニールテープで応急修理してるけど中のスポンジはスカスカだからケツが痛い。

街中を走るように設計された原付にゃあつらいね。

ついでに古いからいろんな所からガタガタ音してるし、ま、これはいつものこと。


『ぷっぷー』


っと警笛をなんとなく鳴らしながら進んでいく。

緑を割った茶色い道はずっと続いてるし、遠くの山は「アルプスかよ!」って突っ込みたいほど綺麗だし。

結構でかい魔物もちっこいのもなんか逃げ出してるし。


「ここっはどこ~、わったしはだぁれ~」


ほんとどこだろうね~、『私は誰』は一緒に言うのが標準だから言ってみただけさ。

ま、ちょうどいいし誰にかまわず自己紹介となぜにこんな状況になったか説明でもしますかね。暇だし。

俺の名前は、星野 良。性別は野郎、今年で24歳の社会人、一人暮らしのロンリーウルフさ!

ごめんなさい意味も無く格好つけました。

ただの彼女いない暦=年齢の引きこもり一歩手前です。

身長は175cmの体重65kg。中肉中背って言葉通りだ。

染めたりするのは嫌いだから日本人そのままの黒髪の黒目。

目が悪いから眼鏡装着がデフォルト。顔の作りは中の中だと思いたい。

そんな俺がこんな状況になってるのは不明。いやだって本当にわからないんだって。

いつも通り、朝起きて、顔洗って、歯磨いて、朝飯食って、着替えて、仕事の準備して、

マンションを出て、原付にまたがって、エンジンかけて、

さあ行こうと顔を上げたら、はい草原のど真ん中。

つまんないよね~、俺もそう思う。

でもこれが俺に起った事なんだよ。

瞬きした瞬間に世界が切り替わってたんだよ、ほんと一瞬。映画のシーンが変わるようにあっさりと違う風景。

驚く暇もまなかったね。

もっとこうさ、なんかあっても良いじゃん。

たぶん世界を渡ったんだよ、こう綺麗なエフェクトがキラキラしてシュバン!とかさ、

魔方陣が出現してフワっとなったら「ようこそ勇者さま」て綺麗なお姫様のお迎えで、とかさ

事故りそうになって気を失って気が付いたら美人のお姉さまに介抱されてました。

とか色々あるだろ?ほんと面白みも何にもないよ。

でもこれが案外『神隠し』にあうってことなのかもね。誰にも気が付かせること無く人が消える。


静かに一瞬で・・・・・・・・・。


隠された人が向かう先は異世界、ちょっと楽しいかも。いや、実際楽しんでますがね。

元の世界にそれなりに未練が有りますが、両親は元気だし、兄貴もいるし、

仕事はちょうど大きな案件が片付いたところだから問題なし。俺がいなくても大丈夫。

心配があるとすれば一人暮らしの俺の部屋だ。あれを人に見られたら恥ずかしさの余り憤死する。

オタクだと公言してたけど知らない間に部屋を見られるなんて・・・。

ううっ死んだほうがマシだ、畜生め!神様あなたを恨みます!!。

いや、でもまだあきらめない。きっとドジっ子美少女召喚術士が間違えてこんな草原に召喚してしまったんだ。

今がんばって探してくれてるはず。

見つけてくれたら喜び勇んであなたのことをマスターと呼び、ペットのごとく体を嘗め回しちゃる。

うん、それなら部屋を見られるくらいなら許せる。元気出てきた。もちろんさっきのは妄想だ。

俺という人間はオタクである以外真っ当清廉潔白粉骨砕身なノーマル男だ、誤解しないでくれ。

そんなわけで今現在の考察として、『偶然説』と『人為的説』両方を見ている。

自分という人間を見てもわざわざ呼び込むほどすごいとは思えないし状況的に7:3くらいだけどね。

主人公補正とか、勇者補正がかかれば別だろうけど。

ああ、主人公補正とかってのは召喚なんかされると

「あなた様にはすごい力が眠っているのです」とか

「召喚されたものには例外なくすばらしい能力が与えられます」ってやつ。

チートだよね。


「俺にもそんなのがあればいいのに・・・ふぅ」


などとため息一つついて哀愁なんかを漂わせようとしてみたけど無理。

だって実はすでに確認したから。何が?ってチートを。

オタクな俺は常々異世界に行ってみたいと思っていたわけ、だから異世界に行ったらやってみたいことリストを脳内メモ帳に作成してたんだ。

それの一つ目が『魔術の使用』アニメとか小説に出てくる魔術の呪文とか理論を覚えて実践してみるってこと。

あ、個人的に魔法って呼び方より魔術って方が好きだからこう呼ぶけど、異世界にきたらまずこれ!携帯で電波状況の確認とかもすっ飛ばしてこれ!

うん、中二病だね。気にしないし反省しないし、後悔もしない。

でだ、異世界に来たことに頭真っ白になっていながら無意識にむにゃむにゃと呪文を唱えてしっかりとイメージしながら



「ファイヤーボール!!」




結果、成功。






ヒューーーーーン、カッ!ドッカーーーーーーーン!!!!!!





擬音で表現するとこうなるが、もうちょっと具体的に話す。

呪文を唱えだすと体が熱くなって血の巡りが早くなったのが判った。

この時点で困惑を抱えつつも出来る!という確信が沸いた。

そのまま最後まで唱えと手の平の先に力が集中。

強く唱えた言葉と共に火の玉が出現、握りつぶせるほど近くにあったそれは不思議と熱くなくて行け!って思いと共に前方に発射。

一直線に突き進んだ先にあった地面から突き出した乗用車程の岩に直撃。

一瞬に光が駆け戻って爆発。更に吹き返した熱風が頬を撫でて炎上。

暫く眺めていたけど、岩があったところから半径10mくらいが真っ黒に焼け焦げたクレーターになってやがんの、ついでに飛び火が回りを焼いて焼畑農業中。誰が畑にするかしらないけど。

もちろん、岩なんか跡形も無く、形跡として吹っ飛んできた小石がコツンと原付に当たったくらい。

あまりの威力に呆然としたけど、ふと思った。


『まずくね?』って。


こんなクレター作って周りは大火事だ。だから走り出した。


「盗っすんだバイクで走りだす~・・・」


いや、自分のバイク(原付)だけどね。こうして俺はひたすら道なりに走っている。

かれこれ2時間ほど。過去は忘却する為にあると思うんだ。そんなことないけどね。


「まさかほんとに使えるとはね、異世界に来たことよりこっちの方がびっくりだ、となると後の問題はこれが『有限』か『無限』かと『有効』か『無意味』かと『標準』か『異端』かだね」


しっかり見極めないと酷いことになりかねない。

本当に中二なら


「やっほーい!英雄になるんだ!魔物なんか一網打尽だぜヒャッハー!!」


なんだろうけど、

こちとらいい大人なのです。夢見る少年じゃないのです。

世界は優しくないことを知っているんです。

ついでにダークな小説なんかも読み漁っています。

慎重に行動しないととんでもないことになると予想できます。


「人は~いくらでも~残酷に~な~れ~る~」


楽しい想像が浮かびまくるので歌ってごまかす。

イヤー!人体実験フラグイヤー!!

絶対に勘弁。

早く人に会って情報を仕入れないと、異世界に行ったらやってみたいことその二!





『美人の奴隷を囲ってのウハウハ成金生活』





ができないじゃないか!

え、変態って?外道って?男のロマンだろ奴隷囲ってのハーレムって。

向こうでできないんだから異世界でやってみたいって素直な欲求じゃね?

当然だよね、当たり前だよね、うん。脳内会議で満場一致のスタンディングオベーションで問題なし。

奴隷が売ってない可能性があるけどファンタジーな世界、もしくは余り文明の発展していない可能性が高いから、少なくとも好き勝手できる余地はあると思う。

いまどき馬車使ってるんだからきっとそうだよね。王道をいってくれよこの世界。

ああ、なぜ馬車が使われているかわかるかってのはこの道。

走ってて気が付いたけど轍の跡がくっきり。蹄の跡も結構残っているから。

観察が重要だよワト○ン君。ごめん、いい加減退屈が頂点突破して暴走しだしてる。

早くファンタジーな住人に会いたいなぁ。



始めてしまいました。ドキドキします。

この物語は作者の仕事のストレスがたまった時に書かれています。

そのためいくらか在庫がありますがそれらは書かれた時が飛び飛びで文章が微妙に変わっていたりします。

なるべく読み返したりして修正しながら早めの更新を行う予定ですが

在庫が切れたら完全不定期更新を予定しています。失踪前は宣言するつもりですので安心して下さい。

じゃあ掲載するなよ!と言われそうですが、自身の欲求を押えることができなくなったのでご容赦を。

表現や語彙がへなちょこなので、こんな表現があるよとか、こんな言葉があるよとか教えていただければ幸い。

また誤字脱字などがありましたら連絡いただけると助かります。



編集01/13 空行を追加

編集06/05 文章表現変更

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ