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友達だろうと周りからすれば気持ち悪いと思われるに決まってます

作者: リーシャ
掲載日:2026/09/16

「えっ?」


 信じられなくて、ルエズは目をぱちくりとさせた。今し方、言われたことが信じられなくて首を傾げる。婚約者ディンレイの隣にはか弱く項垂れている様子の女が、守られるようにこちらを見ていた。


「えっと、私に言ったのですよね?婚約破棄をすると?その人をいじめたと?」


「ああっ!なんだその態度は!謝ることもできないのか!?」


 怒鳴らなくても聞こえている。この人は、ディンレイは人の耳を破壊するレースでもしているのか。唐突にカフェテリアに約束の時間に遅れて現れたと思いきや、開口一番に言われるとなると。最早、こちらが何を言おうと、婚約者のルエズの言い分など聞く気がないとわかる。


「えっとですね。あなたはどの立場で言ってるんですか?」


「は?今はそんなこと関係ないだろ!?お前が卑怯な女だったとは、婚約者として恥ずかしいっ」


「えっ!私の方があなたが婚約者なのがずっと恥ずかしかったのに、今さらですか?」


「は?」


「え?」


 ルエズと騎士科の女のエテリンテが、お互い似た顔をしてこちらを凝視する。何を今になってそんな顔をするのか、こっちが聞きたい。


「ん?あなたたち、男女の仲なのに男友達という立場を使って異性として、卑怯にも使い分けていると噂になってますが」


 指摘すればルエズはイラつく気持ちにもならず、相手を見つめた。


「は、な、なにをっ」


「え、な、なんでっ」


「当たり前です。あなたたちがどれほど男みたい、男友達みたいなものと言おうと、親友だろうと。エテリンテさんは女ではないですか。まさか、世間も戸籍も欺いて本物の男とでも、この場で言いますか?あなたは女なので、言えませんよね?」


「そ……れ、は」


「はい。あなたは女なので私の婚約者とずっと不適切な距離にいた令嬢と見做されますね」


「ひっ、い、嫌っ!」


 エテリンテはルエズの婚約者から離れようとしたが、生徒たちの目の前でずっと距離が近かった日々はなくならない。はしたない女扱いだ。


「嫌と言われても。私、近寄るのはやめておいた方がいいと言いましたよね?あなたたちは嫉妬か、心が狭いと、好き勝手私をこき下ろしましたよね」


「う……でも、本当にこいつは」


「男友達だろうと、体は女ですよ?」


 異性に不用意に近寄る男の騎士候補も、婚約者持ちに近寄るなと注意されても直さない女の学園での評価は、内申点も含めてボロボロになっているのは周知の事実。内定どころか、人と関わる仕事からは弾かれるだろう。


 ルエズが言い終わると、騎士科の秀才が側に寄ってきて心底軽蔑する顔つきで、不貞カップルへ声をかける。


「ディンレイ子息、エテリンテ令嬢、校長室へ来るように校長が呼んでいる」


「え?な、なんで?」


「なにもしてないぞ」


「たった今、公開婚約破棄をしたばかりだろう。なんなんだその鳥頭は」


「あっ」


「でも、僕たちの話は家との話でっ」


 二人は慌てて言い訳するが、伝言を伝えに来た生徒が振り払うように眉間に皺を寄せる。


「なら、学園で言うんじゃない。ここは、お前たちの私有地でもなんでもないというのに」


 首を振って現実を教える彼。それに対して二人はハッとなり周りを見る。この場を囲むように野次馬ができており、やらかしたことを自覚したらしく縮こまる。


「ルエズ、婚約者なら助けろ!」


「は?たった今破棄されたではないですか?なんの権利も理由もないのに赤の他人の尻拭いなんて嫌です。自分でやったらどうです?美しい男同士の友情でどうぞ、お互いに支え合えばよろしいんじゃないでしょうか」


 もうすでに他人事。そっぽを向いて目を合わせないように横を向いた。現に婚約を破棄すると言ったのは周りも聞いていたので、周りも無関係になったと認識している。勝手にここで言い始めた男という共通の意識は、男をさらに追い詰める。


 多少はこんなところで喧嘩をするなと、元婚約者になった令嬢にも嫌悪を向ける人間もいるが、数時間後には消えるほどの薄い気持ちだ。


 学園の校長室に呼ばれて、注意されるという貴族として平民のようなことをして、恥ずかしいと後ほど親たちも呼ばれて泣かれた。ルエズも被害者としての立場で親を呼ばれて、婚約破棄を受けたことを説明する。

 両親たちはそこまでディンレイとの関係が悪化していたのかと、驚く。手紙に書いていたが男女間の友情は学園では珍しくないから、ピンと来なかったのだろう。そうやって悩みを軽く扱うから、今になって大騒動になるというのに。自分の親ながらちょっと危機感がなさすぎる。


「婚約は解消ということに致しましょう」


「はい」


 学園で会った親たちと義親たちがお互い、目を合わせて何をいうでもなく伝え合う。しかし、異を唱えたのは婚約に異を唱えたはずの男。


「な、なぜ、そのような!?」


 ディンレイは焦ったように叫ぶ。


「は?お前がもう婚約し続けたくないと初めに言い出したんだろ?」


 彼の父親は得体の知れない発言をする息子に、睨みつけるように目を恥知らずの方へ向ける。殺意の高い視線に、気まずげにしたが「違います!」と否定する。今やろうしている否定は、今の不味い状況をよくしないと思う。


「彼女を、友人をいじめる卑怯さを隠すかもしれないからと罪を告白するように。自供させたかっただけです。本気じゃないです。わかるでしょう!?」


「何が自供だ!お前はただ、騎士科に在籍にしている一生徒だろう!騎士ぶって婚約者を裁く権利などないっ。驕り高ぶるな」


 叱責され、彼は口をはくはくさせてこちらを見たが不愉快さを隠さずに目を尖らせる。まるで助けてくれとか、父に説明して悪くないことを伝えてくれと言われているようだ。罪を着せた男を庇う健気さなどないので、無視する。


「ですが、本気じゃありませんでした。反省してくれれば」


「反省することなんてどこにもない。お前と女生徒の距離は、他の生徒から見ても近かった。評判は悪いと聞いた。第三者から見て悪く見えるのだからお前たちが責められるのは仕方ないことだ。たとえいじめられたとしても、何か言われたとしてもお前たちのことが目に余ったのが悪い。正しい距離感で生活している人間が正しくない距離でいる者を鬱陶しく感じるのは、自然だ」


 彼の父親が言うことは常識であり、集団行動では反感を買う行動だ。お菓子に例えれば、お菓子の数を決められているのにディンレイたちはそれを破って、際限なくお菓子を買って目の前で食べていたようなもの。

 皆が怒るのも無理ない。婚約者がいるのに婚約者じゃない女と、常に一緒にいたりしたら不愉快になりもする。騎士科はどうか知らないが、騎士科でもない生徒からしたら騎士科の男女間の距離の近さは異質である。


 誰も騎士科での暗黙の了解など、認めてないのだ。仮に本当に女騎士が男騎士とそれだけ距離が近いのならば、騎士科の婚約者を持つ男や、騎士科の人も全員色眼鏡で今後見られることになる。

 氷山の一角なのではと、今日のことを皮切りに調べる者や調査する者が激増するだろう。彼らのせいでと恨む騎士科の人間も出るだろうし。卒業生だって疑われることになる。騎士が真面目というのは幻想なのだと皆気付いただけだと、ルエズはひっそりと小さく呆れた。


「ルエズ、あれは冗談というか。なにも関係がないのに邪推したお前が悪いと言え」


「結構です。私はあなたと婚約したくないので」


「えっ」


「バカが」


 向こうの親が息子の惚けた顔を見て、胸の内をうっすら理解してしまったのだろう。


「相手が惚れたと思い込んで、好意の気持ちを利用するとは下衆ですね」


 義母だった女が、気持ち悪さについ息子を叱る。


「そ、そんな」


 惚れても好かれてもなさそうなこの顔を見て、よくぞ自分に好意を持っていたと勘違いできたものだ。


 距離を注意したのは、こちらにもとばっちりが来るからに決まっているだろう。倫理観のおかしい人間と婚約している令嬢として、無関係な人間から悪意を向けられることもある。

 全員が政略結婚だから仕方ない、なんて優しい言葉をかけてくれる夢の世界など世の中にないのだから。面白可笑しく聞いてくる人だっていた。そんなのこっちが全て聞き出したいくらいだったのに。


「あなたのせいで、あなたと婚約者だった私も倫理観が変な人間と思われて、本当に迷惑だった。全員の前で縁を切ってくれて、逆にありがたかったです」


「え、な、なぜだ……彼女をいじめるのをやめて欲しかっただけ、なのにっ。悪いと思うはずだ。だろ?好きな男と距離が近いから嫉妬して」


「え?好き?」


 そんなわけないでしょうという気持ちを込めて、相手に意識をしながら問いかける。グッと言葉に詰まる偽の正義に流された男。流石に今ので、こちらから好かれてはいなかったとわかったらしい。


「仮に好きだと思ってあんなに他者をそばにいさせるなんて、頭がちょっとアレですよ。気持ち悪いです。好きじゃないからもう無理ですね。二度と近寄らないでください。もう婚約者じゃないんですから。理解してくれましたか?」


 気持ち悪くてずっと言いたかったことを言えて、すっきり快晴だ。それに対して、たくさん聞かされたディンレイはぶるりと震えて青ざめた。次いで赤く染まる顔。


「お、お前なんて、騎士に守られているだけなのに。何度も騎士科に支えてもらっていて、なんだその、態度は」


 震えながら告げてくる内容に首を傾げた。


「えっと、助けてもらった?支えてもらった?」


「そうじゃないか。騎士科と合同で授業をするとき……郊外に出るとき、街歩きするときに護衛をするという名目で何度も楽しげに歩いていただろう。僕たちは汗水流して、護衛をし続けていて。大変だったんだからな」


「……そういう科に入ったのはあなた自身じゃないですか。文官科もあるし、他の科もありますし。普通の科もあるでしょう。それなのにその中から動くことを求められる科に入った自分を棚に上げてます?」


「ぐっ!!……こんなに大変だと、知らなかっただけだ。今は、こうやってやっていけているっ」


 ルエズの親たちは冷えた顔をして、向こうの親も、ディンレイを呆れた顔で見ている。それに今回なんの関係があるのかという疑問は、全員感じていることだろう。


「それって、私の家や他の家が学園に寄付をしてくれているから学科が広くなり、受け入れる人数が増えて。だから、あなたみたいな精神を持つ騎士道皆無でも入れたってことなのでは?」


「は!?な、なんだと!?」


「まさか、騎士科に入ったから騎士になったつもりにでもなったのですか?確かにあなたの態度は騎士科に入ってからさらに悪化してましたけど、皆を見下してるんですか?もしかして、文官たちもですか?あなたたちの使っている学園の備品を揃えているのは事務ですが、理解してなかったのですか?」


 彼は何か言いたそうにしたが、何か言う前に続ける。


「学生に高級品なんて支給できないので、備品を適正の規格で買って配る人たちの苦労も見てないなんて……貴族なのに。私もただの学生なので騎士科より下だと?だから騎士科に所属する女とバカにしてたってことですよね」


「バカにしてないっ」


 図星なのか拳を震わせるディンレイ。


「どうやって、あなたが庇った人を虐めたのか教えてもらっても?スケジュールも帰り道も、生活も違うのに。私そんなに暇じゃないです。どこで待ってたら彼女に会えるんですか?どこで虐められたと?呼び出したと?呼び出したところを見た人は?私がそちらの教室に?」


 質問責めにすると、途端に口を開かなくなる。


「あいつが、言ったんだ。お前に、嫌がらせを」


「ふうん」


 一言、責めるでもない相槌に彼は随分と驚いた顔をした。反論、文句、言い訳、謝罪。どれもなかったからだろう。


「なにもしてないんだから、何を言えと?」


 ため息混じりに伝えるとディンレイは悔しげにしている。


「騎士科には尋問の授業もありますよね?私に聞いてこないということは、授業も真面目に聞いてなかったってことですね」


「ゆ、友人を信じて何が悪い」


「冤罪をかけた方が悪いに決まってるだろう」


「え、お父様」


 ディンレイが自分の父の言葉に横を向く。苦しそうに呻く大人は、こちらを向いて深く頭を下げた。


「ルエズさん。すまなかった。こんなにも傲慢に育っていたとは。騎士科に入って、自慢に思っていたが、どうやら騎士がなにかを学ぶには未熟すぎました」


「えっ、なっ、お、お父様!?急に何を」


「黙れ。騎士になるにはお前はあまりにも驕りすぎている。ルエズさんからお前の態度が日に日に悪くなっていると聞いている。約束の時間に遅れる。口の利き方に礼儀が薄くなっている。口調が強く、叫んで押さえつけようとしてくる節があると」


 ルエズの親から聞かされる内容に、注意を度々していたがその都度「騎士科では厳しく、周りの厳しさに慣れてそれが彼女には強く感じてしまっているだけです」などと小賢しくも言い訳を揃えてきている。


 向こうの家からもう少し、もう少しと先延ばしされてきたが。今回の出来事は、関係を修復できなくなったと判断するには十分だ。


「少し、行き違いがあっただけで」


 ディンレイは、婚約破棄を口にしたものと同じ口で、やっぱりやめると言っているのだこの人は。


「行き違いというのは、婚約者にまず事情聞いてからお前が話し合いが足らずになるものであって。一方的に怒鳴り捲し立てるものを、行き違いとは言わない。お前の中だけで起こったことを今日、ルエズさんに伝えただけだ。まさか、それが謝罪なのか」


 父親に気圧されるディンレイは、こちらをギチギチなりそうなほどゆっくり見て来た。


「すまなかった」


「なにを、ですか」


「その……婚約破棄をしたこと」


「だけ、ですか」


「あとは、責めたこと」


「何を責めました?」


「まだ、謝らせるのか!?」


 ろくに謝ってないのに、真剣に謝ったつもりなのが、何様なのか。ただの喧嘩ならここまで一方的に謝らせたりはしない。今回は完璧な傷害事件に等しいもの。


「別に謝れと言ってません。どうぞ、帰って下さって構いません。二度とこのように会う機会はありませんが」


「……ディンレイ、しっかり謝れ。お前とルエズさんはもう婚約者じゃない。婚約者ではない女性として、謝るんだ」


「ま、まだ納得してません」


「お前が望んだことを叶えた。それだけだ。口から出したことも責任を負えなければ。お前から出る言葉は今後、口から出まかせの嘘つき。または冗談なので本気で受け取らなくていいと……思っていいのだな」


「ひ、酷いです。間違えただけではないですか。友人は勘違いしてルエズに、攻撃されたと混同したの、だとか」


「思い込んで、ありもしないことが起きたとお前に言ったと?勘違いではなく意図的な発言だろうそれは。貴族に嘘を言い、他家と揉める原因を作る行為は今後の貴族家の長い亀裂の原因を作る。それをなんというか、知っているのか」


「あ……」


 ディンレイは父親のよくもやってくれたなという怒りの視線を受け、目を逸らす。


「お前はその生徒が掘った穴に落ちた、間抜けな獲物だな」


 力の抜けた声で言われて、ディンレイはびくりと震えて膝に手を乗せて防衛の仕草を取った。


「情けない。貴族男児が高度な教育を受けた結果、この体たらく……特権だけを啜るだけではあっという間に落ちぶれるのだぞ」


 彼だけではなく、家族も含めて貴族としての問題が付きまとう。責任も一人だけでは済まない。今回の発言により、騎士科そのもの。女の生徒の素行に疑心が生まれる人たち。様々な立場と人たちに影響があり、ディンレイをどう扱うか。


「すみ、ません」


「謝るのは私たちではない。真っ先に謝らねばいけなかったのはルエズへだ。親から言われないと謝る気持ちも生まれないとはな」


 ディンレイはこちらを向くことはなく、ずっと俯いたまま。そこから学園の外に、顔だけで見送る。ルエズに何かされたと言った女生徒のエテリンテは平民だったので、ルエズの親が平民の親たちの家に訴えた。


 偽証、侮辱。無礼討ちされなかっただけ、感謝してほしい。血生臭いことをした印象をつけて、次の婚約の話を無くしたくなかったこちらだけの関係だ。

 そうじゃなかったらルエズ自ら家に赴き、エテリンテを連れて行って引き摺り回したかったところだ。人前で怒鳴らせるというあるまじき辱めを受けたのだ。


 彼女に今更そんなつもりはなかったのだという言い訳は聞かない。例え、どんな理由があろうと。物事がもっと軽く終わるつもりで話したのだとしても、結果がああなったのだ。

 もう知らなかった、そうなるとは思わなかったというものは通用しない。エテリンテは平民生徒だったらしい。それすら気にしなかったので、知らなかった。平民みたいだなとは思ったけれど。


 エテリンテというと、会う前にすでに我が家からの訴えで学園を退学し、賠償金も支払った。騎士科とはいえ、女性としてはしたない距離でずっと共に行動していたという見方は数々の証言により、認められたのだ。

 貴族も平民も同じ数が証拠として集められた。つまりは、貴族が排他的に協力しあったわけではない。平民も、婚約者のいる相手にあれほど共にいるのはどうかと思うと思われたということ。


 将来のことになるが、証言が決め手になったのかディンレイは退学にならなかったものの、卒業だけして生まれた家で働くことになった。

 一応、騎士として職を探したが、見つからなかったのだろう。学生時代に問題を起こした男を雇うような義烈な人間は、そういない。


 ルエズも問題が何かあった家同士の令嬢という話は同年代には、長く残ることになる。そこから外れているが、年上の貴族男性が文官云々の話をしたルエズのことを聞いたと、夜会で話しかけて来た。


「私は目立たない文官科だったので、なんだか今更ですが嬉しくなりまして」


 父が自慢げに娘を語るのは、どこの家庭も同じ。あの場は勢いで言ったこともあり、大袈裟に感じないでほしいと頼んだ。


「あの、なんであろうと威張るのは間違っていると言いたかっただけなので」


「それでも、物事をよく見ているという話は納得させられました」


 父の娘自慢が、なんとびっくり。今回の婚約の話を繋いだ。父が胸を張ってどうだと語る傍らで、母がクスクスと楽しげに笑う。


 誰よりやっていることが大変だから、労られるべき褒められるべきと元婚約者は不相応な感情をたぎらせていた。今、ルエズと婚約している人は目立たなかったが、誰よりも周りを見ていて。

 いるものやいらないものを仕分けている仕事をしている。目に見えるから偉いと思い込んでいた人間とは、大違いだ。


 誰かを過剰に守ったつもりで、誰かを過剰に責め立てる過去のあの瞬間は忘れられないが。ルエズはそれでも、あんな人と縁を繋いだままにしたくなかった。だからこそ、隣には優しく、静かに誰かに褒められることもないことをコツコツする誠実な相手が現れたのだ。


 あのように責めたのは将来、友人のエテリンテを愛人か浮気相手として認めさせるつもりで紹介したのかもと、ふと浮かんだ。しかし、そうなると男女の友情など、なかったことになる。


 友人でもなんでもなく、単に好きな人を傍に置くための事件を起こしたかったから、ルエズの婚約を認めたくないと矛盾した言葉をかけたのかもしれない。なんて、流石に想像のしすぎだろうか。


 窓辺に飾られた婚約者からのプレゼントの花を眺めながら、ふふっと笑った。

最後まで読んでくださり感謝です⭐︎の評価をしていただければ幸いです。一方的なものは非難とエコ贔屓と言います。視野が狭いのでしょう

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>ルエズはエテリンテに会う前にすでに訴えで学園を退学し、賠償金も支払った。 この文章だと、ルエズが学園を退学して賠償金まで支払ったという意味になりますが合っていますか? 言いがかりをつけられた上にペ…
周りの人が説明してようやく謝ったけど、ただただ頭が悪いだけの人間だった。
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