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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: ジキルぅ
第2章:異端審問と真・聖女認定編

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第28話:異端審問、最終決戦。マルドゥクの「最後の一汚れ」。

 ネフィリムがリトに陥落したという知らせは、地下回廊を逃げ延びていたマルドゥクにとって、最後の一線を超える引き金となった。

「ネフィリム様まで……! あの男は、教会の光だけでなく、影までも奪い去るというのか!」

 マルドゥクは、もはや正気ではなかった。

 彼は教会の禁忌中の禁忌、神が世界を創った際の「失敗作の廃棄場」――『絶無のゴミ捨て場』の封印を解いた。

 そこから溢れ出したのは、もはや「汚れ」ですらなく、すべてを無に帰す「虚無」そのもの。

「リト……! 貴様がどれほど磨こうと、この『無』を磨くことはできまい! 存在しないものは、洗えないのだからな!」

 聖都全体が、不気味な震動に襲われた。

 大聖堂の地下から立ち上る「無」の柱が、空を削り、街の音を奪い、人々の存在感を希薄にしていく。

 リトが磨き上げたピカピカの街が、色を失い、灰色に透けていく。

「リト様、これは……! 私の聖女としての感知能力に、何もかかってきません! そこに『何も無い』のです!」

 エルナが叫ぶ。

「……うん。これは、過去最大の『難敵』だね」

 リトが、空を見上げて呟いた。

 さすがのリトも、存在しない「無」を洗うことはできない。

 だが、リトの目は、灰色の空の向こう側に、一点の「曇り」を見つけた。

「……いや、違うな。あれは『無』じゃない。……『あまりに分厚い埃』のせいで、何も見えなくなってるだけだ」

 リトにとって、世界を消し去る絶望も、ただの「換気不足」に過ぎなかった。

「アルテミスさん、みんな。僕に力を貸して。……この世界の『フィルター』、一気に交換しちゃうよ」

 リトは、アルテミスの聖剣、フラウレルムの魔力、エルナの祈り、そしてネフィリムの「影の力」を、自らのバケツの中で一つに混ぜ合わせた。

 それは、世界のすべての要素を含んだ「万能クレンジング・オーラ」。

「【全自動・世界同時洗浄ギャラクシー・クリーン:プレ・ウォッシュ】!!」

 リトがバケツを空へと放り投げた。

 世界から色が消えようとするその瞬間、リトの「洗剤」が全空域へと拡散された。

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