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『追放された掃除屋の俺、全自動の「洗浄結界」を張ったら聖域が爆誕した。〜ボロボロの女騎士を洗ったら神話級の英雄に覚醒したんだが、俺はただの清掃員なんだが?〜』  作者: ジキルぅ
第2章:異端審問と真・聖女認定編

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第16話:「本物の聖女」は誰だ!? 聖女エルナ、掃除弟子に志願する。

 大陸守護清掃聖者という、全人類を代表する「掃除の権威」となったリト。しかし、彼がどれほど崇められようとも、その朝のルーティンが変わることはなかった。

 聖都ルミナリスに与えられた豪華な屋敷。リトは朝日とともに起き出すと、まずはエプロンの紐をキリリと締め、自作の「重曹ハーブティー」を一口啜る。

「よし、今日も良い天気だ。……じゃあ、まずはこの屋敷の『結界の継ぎ目』から掃除していこうかな」

 リトが手に取ったのは、聖女エルナが献上した最高級の魔導雑巾――のはずだったが、リトの手によって特殊な薬液で「煮洗い」され、もはや一拭きで物理的な壁を透過して霊的な次元の汚れまで掻き出す「神器」へと変貌していた。

 そこへ、屋敷の扉が静かに、しかし決然とした音を立てて開いた。

「リト様! おはようございます!」

 現れたのは、聖女エルナだった。しかし、昨日までの彼女とは明らかに雰囲気が違う。教会が用意した煌びやかな法衣を脱ぎ捨て、代わりに着ているのは、リトのエプロンを模して自分で縫い上げたという「聖なる清掃服」だった。

「エルナさん? どうしたの、その格好」

「リト様、私は決意いたしました。神の教えをただ唱えるだけの聖女など、もう辞めます! 私は……私は今日から、リト様の『掃除弟子』として、この世界を磨く技術を学びたいのです!」

 エルナはリトの前に膝をつき、深々と頭を下げた。教会の象徴である彼女が、一個人の弟子になると宣言したのだ。これには、背後でリトの着替えを用意していたアルテミスの目が鋭く光った。

「……聞き捨てなりませんね、元聖女。リト様の隣で汚れを拭うのは、この私の役目。貴女のような温室育ちに、リト様の『高圧洗浄』についていけるはずがありません」

「温室育ちとは失礼な! 私は昨日、自らの手で大聖堂の地下にある『千年の煤』を三割ほど磨き上げました! 指がボロボロになっても、リト様に教えていただいた『円を描くように磨く』という教えを守り抜いたのです!」

 火花を散らす二人。リトは「あはは、やる気があるのはいいことだね」と苦笑いしながらも、エルナの瞳に宿る、以前の「義務感」ではない「純粋な情熱」を感じ取っていた。

「わかったよ、エルナさん。じゃあ、まずは基本の『バケツの水換え』から。……僕のバケツは、魔力の純度を保つために特別な『水流回転』をかけているから、意外と重いよ?」

「はいっ! 喜んで!」

 こうして、帝国最強の女騎士と、教会最高の聖女が、一人の掃除屋の背中を追って雑巾を絞り合うという、世界で最も贅沢な「大掃除パーティ」が結成されたのだった。

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