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皇帝神の戦いは永遠に  作者: Amenbo
第1章 絶氷の章
24/25

第24話 未熟だけど

ベーゼ「一応言っておく、その檻はこのマギラセントラルの誰にも壊すことは出来ない。本物の神遺聖ならまだしも複製体の君では壊せない。大人しく黙って見ることを推奨する」


アイシュレイズ「……何故知っている…」


アイシュレイズが睨んだ目つきでベーゼを見ると、ベーゼはアイシュレイズの方へ顔を向けて


ベーゼ「…あまりにも弱すぎるから。今の君は次元ですら斬れない」


ミリル(頭の中に戦い方があの時のように思い付く、でもなんだか不安定な…とりあえず30分以内に終わらせないと!)


本能に従い、指先から白い光線が追尾式でフラルとアイルに襲いかかる。フラルとアイルは風魔法で空中浮遊しながら猛スピードで避けていき、仕舞いには衝突するように見せかけて急降下することで光線同士がギリギリな所でぶつかってしまった

しかし撃って満足しているミリルではない

撃った後すぐ白い剣を持って走りフラルとアイルに斬りかかる準備をしていた


ベーゼ「…そう動くのか…神権も大した事ないようね」


アイシュレイズ「貴様に陛下の何が分かる!」


ベーゼ「…皇帝神など雑魚に等しいの。いや…雑魚未満ね」


アイシュレイズ「よくも陛下を馬鹿にしでェッ……」


アイシュレイズは主を馬鹿にされた憎しみで歯ぎしりしていたが冷静さを失ってはいけないと気づき、1回深呼吸をした


ルナティア「アイシュレイズ!そいつの挑発なんか無視して!ただミリルが勝つか…救援が来ることを願いましょう」


アイシュレイズ「…この女神がいる限り誰が来ても勝てないわ」


ベーゼ「別に無意味な殺生はしないわ。生命は勝手に生きて勝手に死ぬ。これが摂理よ」


アイシュレイズ(本当に何を考えてるのこの女神は…)


ベーゼ「…何を考えているのかしらね」


ミリル(リディア様ごめん!!少し土地を破壊します!!)


ミリル「やぁぁぁぁっ!」


フラルとアイルが急降下したと同時にミリルも白い剣を両手で持って地面へ急降下し、剣を地面へ勢いよく突き刺すと剣から溢れた神力が一気に解放され地面にヒビがはいり上空へと暴発した


2人「っ!?」


フラル(すぐに横によければいいだけの…!)


フラルとアイルがそれぞれ左右に避けようとするとミリルはそれすら見越していて白い輪を作り上げ瞬きする間にはフラルとアイルの身は拘束されていた


アイル(この女は簡単に倒せると思ったのに…強い…)


ベーゼ「………」


ミリル「…直に受けてみて」


フラル(あんなの浴びたら…)


ルナティア(太陽みたいな眩しさ…)


ミリルは先程撃った上空へ行ってしまった砲撃の力を操作し、一気に地上へ降り注ぐようにした

神力砲撃は地面を破壊し、グレイスにいる民達に伝わるほどの爆風と爆音をもたらした


ベーゼ「…弱い砲撃、こんなのが皇帝神の成れの果てか…」


煙が消えるとフラルとアイルは無傷であり、2人がいる場所以外はあまりの高熱で溶けている抉れた地面と燃えている雪の木があった


ミリル「………」


アイシュレイズ(陛下のあの砲撃は全然初級の初級とはいえ…人間程度の耐久力しかない生き物は確実に瞬殺出来るはず…ベーゼの強化が強すぎる…ということですか)


アイル「生きてる…」


ベーゼ「神化してる君と戦うには人間程度では確実に無理がある。産まれたばかりの私を参考に耐久力、攻撃力を同じにしておいた。だがやはりいきなり手に入れた力を人間程度が使いこなせるわけがない……しばし様子見をするのが最適か…」


ミリル(ベーゼは本当に何考えてるのか分からない…私を殺すのは容易いはずなのに最低限ぐらいしか…真の目的は私の命じゃなくて…)


アイル「いきなり現れた貴方に従う理由はない」


ベーゼ「…それは一理ある…ならば知を授けてみよう。

私の一挙一動は容易く運命を変えてしまうから…今はこれ以上の介入はしない」


フラル「私達は今のままでもやれる、知らない奴の力を借りて勝つのはフラルと姉さんの生き道に反する」


アイル「フラル、アイル達の狙いはあの女。他の奴に意識を向けないで」


フラル「うん、姉さん」


ミリル(あと何分ぐらいだろう…4分は経ってる気がする…早く倒して戦闘できない状態にしないと…とりあえずさっきのやつが使えないとなると…物理で戦うとか…)


アイシュレイズ(考えないと…考えないと…私の目から見て今のあの双子の個体値が陛下の個体値とほぼ変わらない…陛下の攻撃があの双子に通らないとなると…陛下の激痛の方が先に来てしまう…私が出られない限り陛下の痛みを中和させることが出来ないっ…)


ミリルは目に力を入れて双子を注視すると行動パターンが浮かび上がり、これに従っていいものなのかと疑っていたが時間制限がある以上する他なかった


ミリルは剣を神力へ戻し、四肢に神力を分散させてフラルとアイルに対して一気に殴りかかった


フラル「重ッ…!」


フラルとアイルの武器の側面でミリルの殴打に耐えていたが、ぶつかる度に反動が凄まじく腕に響きわたっていた。しかしベーゼの力で反動の負荷は綺麗さっぱりにすぐ無くなっていた


アイル「ッ!」


アイルの持つ武器はイゼルムと呼ばれる。

簡単に言えばブーメランを刃物に変えたようなものだ

アイルはイゼルムをミリルに向かって投げ、その刃がミリルの髪の毛に当たるとチリチリと切られていった


ミリルは慌てて左手を出し、アイルに向かって神力の砲弾を無数に放射させた


ミリル(どっちにも集中なんて出来ない…2人とも早すぎるし…追いつけない…)


ルナティア(まだ戦闘に慣れてなさそうなのに…星よ…私を導いて…)


ベーゼ「…そろそろかしら」


ベーゼがそういうと空から氷の流星群が現れ、アイルとフラルは感知しすぐに避けた


リディア「私の領地でこんな暴れるなんて…怒るわよ!」


ミリル「リディア様…」


リディア「…ってミリルじゃないの!どうしたの体が白く光っちゃってるわよ!目もなんか…真っ白に近いじゃない!」


リディアはミリルを見るや否や驚いた顔でミリルの顔をジーッと見つめていた


ミリル「ああこれは…気にしないでください。やっぱり城まで届いちゃいましたか」


リディア「だってあの爆発音空から隕石でも降ってきたのかと思ったのよ!民達も怯えてたし…宥めるの大変だったんだから…とりあえず貴方を襲ってるそこの2人が問題を持ってる訳?」


ミリル「…目的は分からないんです、ただ私とアイシュレイズを襲ってきて…」


リディア「ふーん、で肝心のアイシュレイズはなんか檻の中にいるし…何してるの」


アイシュレイズ「リディア様…陛下の力になってください…私はここから何も出来ません…」


リディア(ミリルだいしゅきしゅきなアイシュレイズが

あんなすぐ諦めるなんて…らしくない。勿論ミリルの力になるわ。だけどそれは貴方もよアイシュレイズ)


ルナティア(良かった、権主様がいらしたわ…私も助太刀したいのに…この檻が邪魔すぎるのよ!)


フラル「フロイゼン領地で戦ったら権主様が来るのは想定内…」


アイル(マスターに貰ったこの灼熱瓶で!)


アイルが灼熱瓶と呼ばれるものを素早く割ろうとするとリディアは何も動かずに2人を氷の中に閉じ込めたのだ


ミリル「…はやい…」


ベーゼ「成長が速い…あの時はそこまでの力は無かったはず…」


リディア「氷の権主として次は間違えないわ」


氷の権主の証である瞳に浮かぶ雪の結晶模様が青白く光り、手から氷の剣が錬成されリディアは横へ大きく振るとその斬撃はフラルアイルを閉じ込めてる氷とルナティアアイシュレイズにも激突した


リディア「…あれ、よく見たら檻2つあるじゃない…アイシュレイズの後ろに隠れてて見えなかったわ」


ルナティア「私存在気づかれてなかったの!?大魔法師なのに!?そんなーーっ!」


リディア「しかも大魔法師ルナティアじゃない…」


アイシュレイズ「…待ってください、檻にヒビが…」


ベーゼ「権主に私の檻を破壊できる因子を持つ者がいるのね…あの子が強く干渉してしまったのかしら」


リディア「とりあえず檻に捕まってるあんた達!この私でも檻に傷を入れられるのよ!まさか私以下なのかしらね!大魔法師とミリルの護衛の名が廃るかも〜ていうか大魔法師ルナティアってあまり名も聞かないし〜若作りおばさんよね!星にしか頼れない占いババアー!アイシュレイズに関しては尚更よ!ミリルを見捨てるのねー!自分は安全圏から見てるんですかー?弱虫じゃないのバーカ!!私がミリルを守るから弱虫さん達はそこで見ててくださーい」


ミリル「ちょっとリディア様…それ言い過ぎじゃ…」


リディア「こんぐらいの煽りが必要なのよ、あとが怖すぎるけど…」


ミリル「えぇ…(困惑)」


普段冷静なルナティアとアイシュレイズはリディアの態とらしい煽りを聞いて、落ち着いて対処し始めるのではなくプライドを大きく抉られふたりはブチ切れそうになっていたのだ


ルナティア「誰が占いババアですってぇぇぇぇぇっ!!!!!!!このクソガキぃぃぃぃ!!!」


アイシュレイズ「この私を弱虫呼ばわりとはいい度胸ですねリディア様…今すぐそこに行って脳を切り刻んであげますよ」


ベーゼ「…挑発に乗らせて檻を破壊させようと?…」


リディア「ミリル!あの檻に向かって攻撃するわよ!内側から多分力が出ないのだわ!」


ミリル「分かりました」


リディアがさっきの斬撃と同じものを10連発振りかざし、ミリルは砲撃を人差し指から解き放ち檻に激突すると檻は砂のように溶け始めた


ミリル(最初から檻を壊そうと思ってれば良かったんだ…ふたりが出れないから私の攻撃も効かないと思い込んでたよ…)


アイシュレイズ「ありがとうございます陛下」


ルナティア「ありがとう…」


2人はありがとうとは言っていたがリディアに対しては怒ったような顔をしていて リディアはミリルの後ろに隠れて苦笑いをしていた


ベーゼ「…茶番はここまででいいかしら。後は好きにやって」


ミリル「待ちなさい!!」


アイシュレイズ「逃がさない!」


ミリルとアイシュレイズは退場しようとするベーゼを止めようとしたが、何故か近づいてるはずなのに手が届かずそのまま目の前でベーゼは黒い霧と共に消えてしまった


アイシュレイズ「空間操作…」


ミリル「………」


アイシュレイズ(あんな芸当出来るのは…セーラ様…)


ルナティア「占いババアなんて呼ばせないほど活躍してやるんだから!!!」


フラル「うぅっ…姉さん…起きて…」


アイル「ッ…戦わなきゃ…マスターに…怒られる…」


ミリルとアイシュレイズは逃げたベーゼよりも襲ってくる双子に目を向け、ミリルは口を開いた


ミリル「ねえ、何故私たちを襲うの」


フラル「…雷光審判(ドゼルジャッジ)!!!」


フラルの雷魔法はミリル達を襲おうとしたがリディアの氷に防がれてしまった

しかしその氷は一瞬で砕けてしまった


リディア(私の氷が砕かれるなんて…ちょっと甘く見てられないわね)


アイル「フラル慌てないで!」


アイル(どうする…どうする…4対2じゃ厳しい…あの黒い女の力を信じていいの…?…さっき頑丈にしたみたいなこと言ってたし…捨て身で戦うしか…このままじゃ負けてしまいそう…)


アイル「……25番で行く」


フラル「ッ…………アイツを信じるつもりなの…姉さん…知らない奴の力に頼るなんて…」


アイル「…マスターの命令が最優先」


フラル「……分かった」


2人が背中を合わせると呼吸を落ち着かせ、4人へ目を向けた

4人は警戒態勢を取り、そしてすぐ6人が同時に飛びかかった


ルナティア(さっきよりも動きが何倍も速くなってる!!!)


ルナティアは星で作られた鎖『閃星鎖(ステラベル)』でフラルとぶつかった。閃星鎖が衝突する度に辺りに星のカケラが散っていき、その欠片は視界を大きく遮った


フラル(視界が悪い…でも何故か見える……あの女の力のおかげ…か)


フラルの視力は神の視力と同等になっており、星のカケラに視界を奪われてもルナティアの姿を確認することが出来ていた

ルナティアは幻星魔法で強制的に星夜に変換させ、夜空に浮かぶ無数の星の輝きの力を一気にフラルに向けて降り注がせた

そして星の魔力を限界まで凝縮させるとルナティアの腕の動きに合わせてその星の結晶体が地上に落ち始める


ルナティア「星の降臨を受け止めてみなさい!!!」


リディア「そして悪い子にはお仕置よ!」


リディアはルナティアの魔法発動と同時に権術を発動させ、フラルの周りに薄い氷のドームを貼った

そしてフラルが瞬きをした瞬間その壁から氷柱が伸び、フラルが動けないぐらいの隙間の無さ、そして氷柱に触れたところが凍っていくというものだった


フラル「こ、こんなの…!壊してやるんだからァ!!」


フラルが体に力を入れるとドームは破壊され、ルナティアの魔法を素手で打ち砕いた

ルナティアの幻星魔法は簡単には突破出来ないほど錬成されたものであり、普通の場合素手で触れたら星の運動による超高熱によって皮膚が爛れてしまうはずなのだ


ルナティア「嘘っ!!!?」


ルナティア(少し威力緩めたのが良くなかった…流石に殺しはしたくないし…悪い子達には見えない)


ルナティアは大魔法師の中でも人想いの存在であり、性格はツンツンとしているが誰よりも生命を愛している。しかしそれは相手が完全に悪な心を持っている場合は例外である


リディア「大魔法師!何手加減してるの!!!戦闘不能状態にさせるのよ!大魔法師は所詮その程度かしら!」


ルナティア「……悪かったわね!!ちゃんとやるわよ!」


リディアはルナティアを戦う気にさせ、そのままフラルとぶつかっている


ミリル「アイシュレイズ!私に合わせて!」


アイシュレイズ「はいっ!陛下!」


アイル(目的が2人とも目の前にいる…マスターの命令は2人を始末するか…もしくは金髪の女の力を借りれる状況にする………後者の方は恐らく隣にいる白髪の女を使って脅せばいける…だけど白髪の女も強い…あんな弱そうな顔してるのに…)


アイル「任務遂行…してみせる」


アイルは自身の鎌を両手でギュッと持ち、ミリルとアイシュレイズを睨んだ


・・・一方で


ベーゼ「……この運命の進行は不安定…君が書いたもの…少し下手ね」


ベーゼは本を取り出し、玉座に座るとペラペラとページを捲っていた


ダイデット「…申し訳ございません…ベーゼ様…」


ダイデットは恐る恐る謝罪をし、隣にいたエンディが呆れた目で見ていた


エンディ「そうよベーゼ様、なんでダイデットなんかに書かせたんです」


ベーゼ「…少し不安定ぐらいが一般的な運命というもの…だけどこれは今の私の知能だとしても完全に理解出来ないとは言わないけどし難いと判断する」


エンディ「なんでも知っているベーゼ様でも難しいことはあるんですね」


ベーゼ「…私は少しずつ知能を失っている…いつ君達のことも忘れてしまうか分からない。私が考えた運命の方が良いのだけど」


マジカル「でもベーゼ様が考えたものだと完璧すぎてアレに気づかれてしまうよぉ…折角眠らせているのにねぇ…」


ベーゼ「アレに気づかれたら私でも対応のしようがない…だから君達に委ねている。これに特化した神も引き抜けば良かっただろうか」





















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