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皇帝神の戦いは永遠に  作者: Amenbo
第1章 絶氷の章
19/25

第19話 世界神の脅威 (1/4)

世界神、、、、、、、、

世界を管理する存在の頂点

【世界】という定義はあやふやであるが、世界神にとっての【世界】は自身が世界だと認識したものだ

その世界神の名は、セーラ・スフィーガーデンという


ー事件が起きる数百億年前ー

金色に輝く縦ロールの髪の毛に金色の長いまつ毛、七色の瞳が特徴の自信溢れた女神が廊下の真ん中を歩いている

彼女こそ皇帝神の親友であり、絶対忠実の配下である世界神 セーラなのだ


配下神A「見て…セーラ様よ!やはり強い神は気品があるわね…」


配下神B「ミリル様の次に強いらしいぜ、自信溢れるのも当然だよな」


配下神C「セーラ様はミリル様の言うことしか聞かないで有名だしどうやって心を掴んだのかしらミリル様…」


セーラ「…そこの貴方達、雑談してる場合があれば早くやりなさい!報告書の事前チェックは私がしていますのよ!提出遅刻していたら暗黒名簿に名前を書いてさしあげますわ!」


配下神達「すっすみません!」


セーラは後ろ髪よりも長い髪の毛を人差し指でクルクルとしながら横目で逃げてく配下達を見て「はぁ…」とため息をついていた


セーラ「早くお姉様に会いたいなぁ…」


ミリル「あっ、セーラじゃん!どこに行くの?」


目の前にいきなり現れたふわふわの白い髪の毛に透き通った白い肌に銀色の星のような瞳を持つセーラの最愛の神である皇帝神になりたてのミリルが瞬間移動で偶然セーラの前の座標に途中経過点を設定していたのだ


セーラ(なんて幸運なのかしら…お姉様が運良く私の目の前に現れるだなんてっ…)


セーラ「あの部屋から見るのではなく直接見に行こうとおもっておりましたの。でもお姉様が私の目の前にいらっしゃるのであればずっとお姉様の隣に…!」


ミリル「だーめっ、今は仕事中でしょ?私も仕事中なの。遊ぶのは勤務時間が過ぎてからね」


セーラ「嫌ですのー!お姉様最近私に全然構ってくれませんの!私寂しいですわ!」


ミリル「それはごめん…普通に他の子と…」


ミリルの発言でセーラの心がまるで刃物で刺され、鎖で締め付けられたみたいにズキズキと痛み始め、口を軽くポカンと開けてミリルを見つめていた


セーラ「…お姉様…私よりも他の神を優先しましたの…?」


ミリル「優先というか…話しておきたいことがあったというか…普通に仕事関連だよ。みんな忙しいからご飯という名目で会食したりとか…」


セーラ「それでしたら私も誘っていただいたら…」


ミリル「セーラ連れていくとみんな怖がっちゃうから…」


セーラ「お姉様をほかの神に取られたくありませんの!お姉様はずっと私のことだけ見てくれれば…」


ミリル「私は皇帝神だから…貴方だけを見る訳には…セーラは私の大切な友達だよ」


セーラ(お姉様は私の事を友神として見ている…私はお姉様のことを独り占めしたいほど愛していますのに…)


配下神D「あっ!皇帝神様!各配属書類をまとめてきました!」


長い廊下を走ってきた配下神が書類を持ちながらミリルの元へ駆け寄り、ミリルに手渡しで書類を渡そうとした


ミリル「ありがとう!お疲れ様ー!」


配下神D「はィ」


ミリルが笑顔で受け取ろうとするとセーラが何も動かずにいきなり配下神がいた所の世界の一部を消し始めたのだ


ミリル「えっ……」


消えた世界には何も無い

消えた世界はとてつもなく危険であり、世界はその危険を塞ぐために自動的に修復されるものだが世界の神であるセーラはそれを許さない


セーラ「お姉様と会話するなんて…指が触れるなんて許しませんわ」


ミリル「ちょっと!今すぐ元に戻して!!なんてことをするの!!!」


ミリルが切羽詰まった顔でセーラの両肩を掴むとセーラは嬉しそうな顔で頬を染めてこう言った


セーラ「お姉様の手が大好き、お姉様の顔が大好き、お姉様の声が大好き、お姉様の性格が大好き、お姉様の今が大好き、お姉様の過去が大好き、お姉様の行動が大好き、お姉様の夢が大好き、お姉様の愛が大好き、お姉様の目線が大好き、お姉様の感情が大好き、お姉様の才能が大好き、お姉様の神力が大好き、お姉様の足が大好き……全部全部大好き……1番愛してるのはお姉様が私だけを見てくれることですの!!!!!」


ミリル「…」


ミリルがセーラの神権を封印しようとすると逆にミリルの神権が封印され、皇帝神としての神権が使えなくなっていたのだ


ミリル「…まさか私たちの周りに何重ものの世界を作ったの!?」


セーラ「…もう我慢出来ませんの、お姉様…ずっと私と一緒にいましょう…ここなら誰にも邪魔されませんわ」


ミリルが神経を尖らせるといつもの世界の方の状態が見え始め、浮かんできたのは崩壊していく世界だった


ミリル「…はぁ………セー……ラ…」


ミリルがため息をついてセーラを見るといつも綺麗な虹色の瞳のはずが黒い目に赤色の光が灯った禍々しい目に変化していたのだ

その目は皇帝神としての格を身につけているミリルでさえ怯えを多少感じてしまうほどのものであった

下手すれば収集がつかないことになる可能性がある

皇帝神の神権を容易く封印出来てしまうセーラの神権はもはや神権と言っていいのかーーーー


セーラ「こんな世界なんて要りませんわ。私とお姉様だけの世界ひとつだけで十分ですの」


ミリル「…………心底見損なったよセーラ」


ミリルが蔑むような顔でそう言うと全力で世界の境界に蹴りを入れたのだ

蹴りの力を大いに受けた境界に亀裂が入り、みるみる世界が崩壊していくのが見えた

神権が無くとも皇帝神の力は健在であるのだ

ただ多様性を失っただけであり本質の力そのものは消えていない

皇帝神の血所ではなく全生の滲む努力による鍛錬で得た爆発的な破壊力である


セーラ「流石お姉様…こんな弱い世界では意味がありませんですわね!」


ミリル「…このまま続けるようであれば私は貴方自身を封印しなければならなくなる。貴方に手を出す前に今すぐ元に戻しなさい、これは皇帝神としての命令よ」


セーラ「…お断りしますわ、お姉様に愛されることが1番ですが…愛を手に入れて寂しい思いをするのならばお姉様に嫌われてでもお姉様を独り占めする方が幸せですわ。お姉様にずっと恨まれるのもお姉様の独り占めと同じですもの」


ミリル(愛の女神も嫉妬の神も驚く恐ろしい愛の量…なんて狂った女神に好かれちゃったんだろう……どちみち世界は私の神権さえあればすぐに元に戻せるし…神権の封印の解除が最優先だね…皇帝神となってもセーラに勝てるかどうか分からないな…神権の封印といってもセーラの神権だけは何故か中途半端にしか出来ないし…完全なる封印出来るように私が強くならないとセーラがこんな風に暴れだして……ああもう…)


ミリル「…私の言葉はもうダメそうだね…それじゃあ勝負しよう。私が勝ったら今回のことをちゃんと反省して反省室にしばらく籠ること、そしてみんなに謝ること。二度とこんなことしないと誓って」


セーラ「…私が勝った場合は?」


ミリル「…私を好きなようにしてくれて構わないよ。世界もこのままでいい」


セーラ(お姉様がこんな提案してくるということは勝機があるということ…ふふっ…私がどれほどお姉様のことを知っているか…その自信を覆してみせてお姉様を私だけのものにして未来永劫ずっと私のそばで…)


セーラ「かしこまりましたわ。それでいきましょう」


セーラがそう言うと世界が展開されていき、景観が一気に変化したのだ

まるで新たな荒れた大地に足を踏み入れたような感覚で嫉妬の心を表現したかのように命を感じない世界である


ミリル「……また世界を作ったんだね…今度は広いのか…そして…歴代最強の強度を持つ境界…」」


セーラ「これが私の全力、お姉様が逃げないようにと昔から作ってきた私の楽園ですの」


セーラがそういうと地面に花が咲いていき、途中でミリルの像が何億…何兆と数えられないほど作られていったのだった


セーラ「…この世界は【理想郷(セーラピア)】、お姉様だけを想う私とお姉様だけが入れる世界ですの」


ミリル「……」


ミリル(ここも相変わらず私の神権は封印されたままか…)


セーラ「お姉様が肉弾戦とするならば私が勝てる算段はありましてよ」


セーラの戦闘スタイルは世界による自由自在な改変の為、全てが都合よく変化されてしまう

普段はミリルが許可無しで影響力が大きい改変はしないことと決めているが今のセーラは違う

ミリルとの約束を破り、セーラの攻撃が全て最高倍率になりミリルの攻撃が全て0倍率になるというイカれた法則いじりをしたのだ


ミリル(この感覚私の攻撃が全部無効にされたようなものか…神権さえあれば無効化も意味無くなるのに…ちょっとしくじったなぁ…)


セーラはさらに自身に『不変の意志』を付与したのだミリルが自分を説得して心変わりしてしまうのを恐れた故に、ミリルが何を言ったとしてもセーラの決意は変わらない


ミリル「………仕方ない、1度殺すか」


ミリルの目に冷たい光が差し込んだ

普段温厚な性格で神殺しなど不向きそうな雰囲気とは正反対の確実に相手を仕留めるという本来の皇帝神の顔である


セーラ(お姉様の殺意を感じる…あぁゾクゾクしますわぁ…しかしお姉様は私を殺せるはずがない。全ての攻撃が無の火力となる、それは神力による攻撃もそう、物理もそう……私の力はお姉様への愛の力を参考にしている…お姉様こそが私の真の【世界】ですもの。この秘密はお姉様にも内緒、お姉様は神の心も読み取ることが出来るからこの世界にいる時以外は私も力の源を忘れるように【世界】に設定した…やはりお姉様の神権は素晴らしい…)


セーラはミリルの全てを愛している

その愛の力を自身の神としての力として変換することで皇帝神に近いほどの実力を持っているのだ

この力の秘訣を誰にもバレる訳にはいかないということで【理想郷】の内部でのみ自分の力の仕組みの情報を世界から受け取るという制約をかけたのだ


セーラ「さぁ…お姉様参りましょう」


ミリルはセーラがそう言ったと同時にセーラの目の前に瞬く間に移動し思いっきり蹴りと殴りを入れた

しかしミリルの攻撃パターンを計算していたかのようにセーラは右腕と左足で攻撃を受けとめたのだ


セーラ「…痛くも痒くもありませんわ、摩擦すら感じませんの」


ミリル「確かに手応えはないね……このままじゃすぐ決着着いちゃいそうだ…」


セーラ「お姉様大人しく諦めて私と共に幸せな一生を過ごしましょう」


ミリル「………貴方は1つ重要なことを見落としてる」


セーラ「重要なこと…?」


ミリルは喋りながらセーラの元へ歩いていき、優しくセーラの頭を両手で触った


セーラ「お姉様…?もしかして…」


セーラは嬉しそうな顔でミリルを見つめていると瞬きよりも光よりも速い速さでセーラの頭を強く掴み右足で思いっきりセーラの顎を蹴り飛ばした


セーラ「ウグァッ…!」


攻撃の倍率を0にしているはずなのにダメージを喰らったことに驚いたセーラは崩壊しかけている自分の体を必死に修復しながら驚いた顔でミリルを見ていた


セーラ(どうして…どうしてお姉様の攻撃が通ってるの!?)


ミリル「神権が封印されたぐらいで他の神に負けているようじゃあ……皇帝神の名は語れないよ」


セーラが見たミリルの顔は怒りと言うよりも悲しんでいるようなものであった

失望と悲しみの神力がセーラを襲い、神格に直接浴びせてくるような感覚

皇帝神に勝てるはずがない、何故なら生まれた時から皇帝神に勝てる方法など無いのだから


セーラ(初めて見るお姉様の本気……お姉様のことを知れて嬉しいはずなのに怖い、お姉様に本気で殺されそう…私の神格が脅えている…神権無しでもこの余裕…流石ですわお姉様!…もっとお姉様の攻撃を浴びたい…【世界】の掟が守られるというのなら私は不死となれる…つまりお姉様に戦う意思がある限り私はお姉様の力をずっと浴びることが!!)


ミリル(あの子なんか喜んでるな………逆効果なのかなこれ…)


セーラは不気味な程に口をにやけ笑い、ミリルはそのセーラを見て少し自分の行いを後悔していた












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