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皇帝神の戦いは永遠に  作者: Amenbo
第1章 絶氷の章
11/25

第11話 剣の乙女

ーミリルsideー

ある夢を見た

燃え盛る海で青いコートを着た金髪の乙女が戦っている夢を

自分と同じ体格なのに規模が桁違いすぎる相手を容易に斬り刻むその姿はまるで敵無しというかのように綺麗であった


なんという強さだろう

私にもこんな強さがあったとしたら…


?「陛下、早く思い出してください…私達は陛下に呼ばれるのを心からお待ちしております」


陛下…私の事?私が貴方を呼ぶって言われても私は貴方を知らないよ


?「それは陛下が私の顔と名前、生まれた意味を思い出せないからでしょう。私は陛下の可能性の1つ…言わば世界線の1つ。剣のみを磨きあげ剣を極めた存在…その名もアイシュレ…」


アイシュレ…?もう1回言って!私は貴方を思い出さないといけない気がするの!


アイシュレ?「…いつか私の名と存在意義を思い出せた時に出会いましょう、私は陛下の忠実なる剣ですから」


やっと顔が鮮明に見えた…………

なんて綺麗な目だろう

深い海のような青に無数の星が広がってるような…

それにしても私に凄くそっくりな顔………………


ミリル「………ふわぁぁぁ」


ミリルが目を覚まし、大きな欠伸をして目を擦ると目の前に眠ってるアルフェミアがいた


ミリル(?????…なんでアルフェミアちゃんが…それにこのベッド…私の宿のじゃない…)


アルフェミア「…おはようございます ミリルさん」


ミリル「ひゃぁっ!?…お、おはようアルフェミアちゃん…」


アルフェミア「昨日お風呂から上がった瞬間ミリルさんは床で寝始めちゃったんですから…ここまで運んできたんですよ?」


ミリル「…全然記憶が無い…」


アルフェミア「余程疲れていたんですねっ、筋肉痛はどうですか?」


ミリル「特に問題ないですね…あっ!そういえばアルフェミアちゃん!私夢を見たんです!」


アルフェミア「夢…ですか?」


ミリル「はい!私にそっくりな女の人が数え切れない程の敵を1振りで全部倒す夢です!」


アルフェミア「それは権主様レベルの強さですね…もしかして無くした記憶に繋がるのでは…?」


ミリル「多分繋がるのかな……私のことを陛下って呼んでて…」


アルフェミア「陛下ということは地位が高いということになって……ミリルさんの名前はどの国でも聞いたことないですね…」


ミリル「もしかしたら私この世界の住人じゃない説…?」


アルフェミア「他の世界から来たとなれば大騒ぎですよ……でも可能性としては捨てられないですね…ユスタルお兄ちゃんなら何か知っているんじゃないでしょうか!」


ミリル「そうですよねぇ…」


アルフェミア「………そういえばミリルさんって本当白い服似合いますよね…」


ミリルはアルフェミアの夜間着に着替えていて、白色の薄い肌に優しい生地で作られた通気性のいいワンピースだった


ミリル「これ凄い着やすくていいですね…わざわざありがとうございます…」


アルフェミア「いえいえ!それよりもベッドにミリルさんのいい匂いが染み付いてて幸せです〜」


ミリル(うーん、危ない匂いがするなぁ…)


ミリル「今何時なんだろう…」


アルフェミア「多分8時ぐらいかと…ユスタルお兄ちゃんは帰ってるのかな…」


ミリル「さすがに帰ってるんじゃないですか?」


アルフェミア「一応様子を見に行きましょう!」


2人はせっせと普段着に着替えて、アルフェミアの部屋からリヴィットの部屋に行きこっそりと部屋の扉をバレない程度に開けた

扉の隙間から見えた景色はベッドの上で鍛えられた上半身を持つリヴィットとリヴィットほどではないが薄らと鍛えられているユスタルの二人が上着を着ずに寝ているのを目撃してしまった


2人(ひゃぁぁぁぁぁ!)


2人は顔を赤くして恥ずかしそうにしながら見るのを辞めないまま小声で話し合ってた


ミリル「アルフェミアちゃん…あれはもはや芸術品だよ!」


アルフェミア「お兄ちゃん達どうして服着てないんですかぁぁっ」


ミリル「私もあんな筋肉欲しいです…」


アルフェミア「ミリルさんがムキムキになったらダメです!一生その体型でいてください!」


ミリル「そうですか?」


アルフェミア「とりあえずこの部屋は神聖すぎてダメです!とりあえずジョンセムに朝食のお願いを…」


リヴィット「…アルフェミア…?起きていたのか?」


リヴィットが目を腕で擦りながら起き上がるとそれにつられてユスタルも起き始めた


ユスタル「もう朝ですか……ふわぁ…」


アルフェミア「おおお兄ちゃん!!」


ミリルはアルフェミアの後ろであたふたしていると扉の前にリヴィットとユスタルが立ち、アルフェミアはここをどいたらミリルに2人の上半身を見せる羽目になってしまうと思っていた

だがリヴィットはアルフェミアの慌てている姿に疑問を持ち、扉を開けてアルフェミアの後ろを確認するとミリルがリヴィットを見て「おはようございます〜」と小さく手を振った


リヴィット「なんだミリルか」


アルフェミア「お兄ちゃん達ちゃんと寝る時は上になにか着て!風邪引いちゃうよ!」


ユスタル「…僕の上着どこでしたっけ…いでっ」


ユスタルは寝ぼけているのか棚に顔をぶつけたりなど色々衝突音を出していたため、ミリルが扉の方へ顔を出した


リヴィット「おいおい大丈夫かユスタル」


ミリル「おはようございますー…ユスタルさん」


ユスタル「…ん?ミリルさんですか…おはようございます」


ミリル「なんかユスタルさん目が赤くないですか…?」


リヴィット「あーーっ、夜少し泣かせちゃったからな…」


ミリル「泣かせた…?喧嘩でもしてたんですか?」


アルフェミア「…お兄ちゃんその言い方は誤解を生みやすいからやめた方がいいと思う…」


リヴィット「ん?そうか?喧嘩じゃなくて普通にユスタルの痛いところ突いて…」


アルフェミア「本当に誤解産むからもうやめて!!!」


リヴィット「ええ…?」


アルフェミアが顔を赤くしてリヴィットのお腹をポコポコ殴っているとミリルが寝ぼけているユスタルのお腹にそっと手を置いていた


ミリル「うわぁ…かたーい…」


ユスタル「ミリルさんの手冷たくないですか…あと勝手に触らないでください……」


ユスタルが少し睨んでるような顔でミリルの手をユスタルのお腹から離した


ミリル「うわ、すみません!つい綺麗なお腹が目の前にあったもので…」


リヴィット「それなら俺の触るか?ユスタルよりは硬いぞ」


アルフェミア「ミリルさんもう触っちゃダメです!触るなら私のお腹を!!…というか2人とも早く上着てください!」


アルフェミアが2人を押し込んで扉を勢いよく閉めて、ミリルを連れて別の部屋に走っていった


ー集食部屋ー

ジョンセム「おやおや…リヴィット様とユスタル様がそのような…」


アルフェミア「もうあの二人は自分達がどれほど影響を及ぼすのか考えて欲しいよ!」


ミリル「あれは彫刻にすべきかと…」


アルフェミア(ミリルさんが筋肉美に目覚めかけてるしぃぃ…)


ジョンセム「暖房が効きすぎたのですかね…少し室温を下げるように調整致します」


アルフェミア「ありがとうジョンセム…それで今日の朝ごはんは何?」


ジョンセム「フレンチトーストとベーコンサラダ、フルーツヨーグルトでございます」


アルフェミア「わぁ!好きなやつだ!」


ミリル「私も頂いて良いのですか…?」


ジョンセム「ミリル様は大切なお客様ですから」


アルフェミア「ミリルさんがお姉ちゃんだったらどれほど良かったかとずっと思ってます…」


ミリル「アルフェミアちゃんみたいな可愛い子が妹にいたら幸せだよ〜」


ジョンセムがアルフェミアとミリルを席に座らせると奥から朝食を運んでくる料理人がぞろぞろと現れた


ミリル(わぁ…すごい…)


アルフェミア「あ…あの…ミリルさん…」


ミリル「ん?どうしましたか?」


アルフェミア「良ければなんですけど…ミリルお姉ちゃんと呼んでもいいですか…?」


ミリル「いいよ、敬語もしなくて大丈夫だからね。気軽に接してね!」


アルフェミア「お姉ちゃん…!」


アルフェミアは目を輝かせてミリルの椅子に自分の椅子を近づけさせ、リヴィットとユスタルが来るまで楽しそうに話していた


ミリル「早く魔法を使えるようになったらこの服でも外で平気になれるのに…毎回服持っていくの大変で…」


アルフェミア「魔力庫も使えたらいいですよね…」


リヴィット「すまない遅くなった」


ユスタル「…………」


集食部屋にリヴィットとユスタルが現れ、リヴィットは何事も無かったような顔をしていたがユスタルはまた顔を赤くしていた


ミリル(なぜ顔が赤いのだろう…)


アルフェミア「ユスタルお兄ちゃんようやくはっきりと目を覚ましたんだね!」


ユスタル「は、はい…恥ずかしい…」


リヴィット「寝起きが少し悪いからなぁ、アルフェミアならまだしもミリルに上半身見られたの恥ずかしいよねぇ ユスタルくーん」


ユスタル「うるさいです!ミリルさんも…」


ミリル「とても美しい筋肉でした…」


ミリルか尊敬の眼差しで2人を見るとユスタルが手を組んで机に肘をついて「はぁぁ…」と大きなため息をついていた


ユスタル「次からはもう貴方と寝ません…貴方の隣で寝ると暑苦しいんですよ!」


リヴィット「いやー俺の隣で寝たユスタルくんが悪いね〜」


ユスタルはリヴィットに正論を言われて何も反論出来ず、拗ねていたようだった


アルフェミア「そういえばミリルお姉ちゃんの魔力って結局どんな感じなのかな…ユスタルお兄ちゃんは何か分かったりしない?」


ユスタル「…ミリルさんから正直言って魔力は1ミリも感じませんね…もしかしたら無魔力症かもしれませんが…」


アルフェミア「…無魔力症って…それは…」


この世界において魔力は持って当然であり、無魔力症を持って生まれる子は数百年に1度見るレベルであった


ユスタル「…僕の知人に無魔力症の人がいました…その人は貴族に殺されましたね」


ミリル「貴族が殺す…?」


リヴィット「貴族は魔力量で相手を測るんだ。魔力が強いほど尊敬し、魔力が無いほど見下す…そういう奴らが多い。他の貴族にミリルが魔力無しだとバレたら何されるか分かったものじゃない……それよりも食事中にこんな暗い話は辞めよう。話は食べた後だな」


4人は朝食を取り、訓練場に集まって先程の話の続きをし始めた


ユスタル「…これは魔力測定の魔導具で…これをつけてみてください」


ユスタルはミリルに腕輪を渡し、ミリルがその腕輪を右手首につけた

そうすると腕輪から光が飛び出し、空中に0という数字が書かれていた


アルフェミア「そんな…」


リヴィット「……ミリル、外では魔力が無いことを絶対にバラすな。魔法を使えと言われた時には誤魔化すしか…」


ユスタル「貴族は誤魔化しが通用しませんよ、一度目をつけた獲物は逃がしませんから」


ミリル「…無魔力症……」


アルフェミア「魔力が無くても剣とか弓とかを極めれば魔力ある人と同じぐらいにはなれるよ!きっと!」


ミリル「その気遣いが凄い心にくるよ…」


ユスタル「どう言葉にすればいいか分かりませんが…僕達は魔力があろうかなかろうがミリルさんの友人です。だから落ち込まないでください」


リヴィット「当たり前だ、これからビシバシ剣を教えていく弟子だしな!」


アルフェミア「ミリルお姉ちゃんの味方ですから!」


ミリル「ありがとうございますユスタルさん…アルフェミアちゃん…リヴィットさん」


ミリル(みんなこんな優しくて…私は素晴らしい人達と出会えて嬉しいなぁ…)


リヴィット「それじゃあ剣の指導を続けるぞミリル!…そういえばユスタルもそろそろ魔法だけじゃなくて剣術も極めたらどうだ」


ユスタル「ぼ、僕は体力にはあまり自信が…」


アルフェミア「ユスタルお兄ちゃん!剣術やりましょう!魔法で解決出来ないこともあるかもしれないのですよ!」


ユスタル「…そうですか…それでは僕も剣術の方やります…」


リヴィット「それじゃあミリルとユスタルは体力訓練からだな!走ってこーい!」


ミリル「はい!」


ユスタル「えっ、僕も走るんですか?」


リヴィット「当たり前だ。ほらほら」


ミリル「ユスタルさん行きましょう!」


ミリルがユスタルに手を差し伸ばすと、ユスタルの目には目の前に太陽があって逆光になるせいかミリルが眩しいように見えた

無意識にミリルの手を掴み、そのままミリルに体を引っ張られて走ることになった


リヴィット「よしよし、じゃあ俺らは対戦でもしてお互いを磨くか」


アルフェミア「うん!」


アンタルクの剣術をお互い習ってきた者同士だからか、年齢が2歳しか変わらないからか剣術の上達度はほぼ近い

剣がぶつかり音が訓練場に響いていた


リヴィット「流石俺の妹だ!」


アルフェミア「お兄ちゃんに負けないんだからね!」


兄妹が戦っているのをよそ目に2人は腕を振りながら訓練場の周りを走っていた


ユスタル「っはぁっ…はぁっ…もう無理…」


ミリル「ユスタルさん諦めるのは早いです!大魔法師がこんなことでめげては守れるものも守れませんよ!」


ユスタル「大魔法師じゃない人に゛…言われたくっ…ないでず!」


ミリル「だったらもっとやる気を出しましょう!」


ユスタル(ミリルさん昨日はヘトヘトな様子だったのに何故そんなに平気な顔を…)


ミリル(そういえば私全然息切れしてない…何でなんだろう…)


気づけば訓練場を10周しており、昨日とは比べ物にならないくらい体力が身についていた


ミリル(己の成長が怖い…)


ユスタル「…ずみまぜん…僕少し休みます…」


ミリル「いってらっしゃー…って大丈夫ですか…?」


ユスタルは壁に手を置きながらゆっくりと前へ歩き、近くにあるベンチで横になって倒れていた


リヴィット「大魔法師〜、生きてるか〜?」


ユスタル「………生きてますよ、もう口の中が血の味で…」


アルフェミア「ミリルお姉ちゃんは全然疲れてなさそうですね…寧ろ汗かいてる姿が美しい…」


ミリル「着眼点そこ?」


リヴィット「昨日は倒れてたのに今日は平気だなんて凄いな、何か薬でも飲んだのか?」


ミリル「いいえ何も…」


ジョンセム「皆様方、訓練お疲れ様です。こちら水分補給でございます」


屋敷からレモンの入った水のボトルとコップを持ってきたジョンセムが4人分の水を用意し全員に手渡しした

4人が一気に飲むと爽やかな顔でぷはぁと言った

運動の後のキンキンに冷えた水は格別である


ミリル「程よい酸っぱさで美味しいです〜」


リヴィット「この酸味がいいよな!」


アルフェミア「美味しい〜」


ユスタル「水の偉大さ…」


ミリル「そういえばアンタルク公爵家には騎士っているのですか…?たまに騎士達が廊下を歩いてるのを見かけたりするのですが…いうて数人ぐらいで…」


ジョンセム「いらっしゃいますよ、こことは少し離れてる別館の訓練場で訓練をしております。ここはリヴィット様とアルフェミア様専用の訓練場ですから」


ミリル「なるほど!」


リヴィット「よし!水分補給した所で訓練の再開だ!」


ユスタル「僕はあと2時間ぐらい横に……」


ユスタルがまだベンチで横になっていると服から振動音と発光が見え、ユスタルが服に手を突っ込んで魔導具らしきものを取り出すと驚きと絶望の中間あたりのような顔をしていた


リヴィット「どうしたユスタル」


ユスタル「……呼び出しがあるので行ってきますね…」


ユスタルはそういうと嫌々そうに転移魔法で一瞬でどこかへ行ってしまった


ミリル「呼び出し?それにしても一瞬で消えちゃいましたね…」


アルフェミア「フロイゼンには他にも大魔法師が2人いて…確か名前がリングリアさんとゼートさん!何かあったのかな…」


リヴィット「あれは大魔法師のみ使用が許される魔法だ。あの魔法便利だよなー…前俺にもかけてくれと言ったら断固拒否されたし…」


ミリル(大魔法師って思ってる以上に色々とあるんだね…)


そうして結局3人で訓練を続行し、夕日が沈んだ頃にはミリルは一旦宿に帰ることにした


ミリル「待って…これって馬車ですか!?」


アルフェミア「ミリルお姉ちゃんを1人で帰らせるわけにも行きませんから…!是非我が家の馬車を!」


ミリル「良いのですか…?」


リヴィット「あぁ、また遊びに来てくれ!」


ミリル「ありがとうございます!それではまた!」


ミリルが馬車に乗ると子供のようにガラスの窓から外を覗いたり椅子のふわふわな感覚を体を少し揺らして確認したりなどしていた

そうして外の景色を静かに見ながらぼーっとしているといつの間にか宿の目の前に到着していた


ミリル「送ってくださってありがとうございました!」


アンタルク従者「いえいえ、平和な夜をお過ごし下さい」


アンタルク公爵家の従者が頭を下げると馬車はさっき来た道を通って戻って行った


ミリル「楽しかったなぁ…!それじゃあ…今日はもう寝ちゃおうかなぁ…ご飯はいいやぁ…お金かかるし…」


ミリルが自分の部屋まで歩き、鍵を開けると一気にベッドに飛び込んだ


ミリル(お風呂は朝風呂でいいかなぁ…そういえば夢で出てきた子…名前なんだっけ…アイシュレ…だっけ…)


ミリル「……アイシュレの後につけて名前になりそうなの…アイシュレン…?アイシュレイナ…アイシュレリア…うーーんなんだろう…まぁいいか…」


ミリル(今日の訓練最終的に剣の振り方とか教えてくれて楽しかったなぁ…どんな敵にも負けない最強の騎士になって…誰かを守る剣になりたい………誰かを守る…誰を?…私を大切にしてくれる人達……)


?"そうです、私の役目は…"


ミリル「私を尊敬する民と私を守護する刃となり…命尽きるまで剣を振るう……………その剣の名前が………アイシュレイズ…」


ミリル(あれっ…なんで急にこんなこと言ってるんだろう……おかしいな…)


ミリルが自分の発言に違和感を持ち、右手で口を押えるとベッドの横に青い光が急に集まり始めた


ミリル「!?…なにっ…?」


?「……そうです…私の名前はアイシュレイズです陛下!」


青い光の中から現れたアイシュレイズと名乗る乙女はミリルの目の前で跪き、とても嬉しそうな顔でミリルを見つめていた


ミリル「ぁっ…あっ…貴方夢に出てきた…青い目の…!」


アイシュレイズ「覚えて下さり光栄です。あれは正確には夢ではなく記憶投影です。実際に陛下と共に共闘した時の記憶に私の意識を入れまして…どうしても陛下に私を呼んで欲しいと思ったからです」


ミリル「私があの大群と戦ったの…?…本当に私って何者なの…」


アイシュレイズ「陛下は誇り高き神の頂点であられる皇帝神です」


ミリル「皇帝神…」


アイシュレイズ「……っ!?待ってください…陛下の目が…」


ミリル「私の目…?」


アイシュレイズ「…神の瞳じゃない…まさか神ではなくなったということですか……陛下がそんなこと…まさかあのベーゼが何か…」


ミリル「あ、あの…少し状況をまとめたいのだけど…私は皇帝神?で…貴方は私の…仲間?」


アイシュレイズ「仲間でもあり陛下にお仕えする絶対忠誠の神遺聖(アウルムギア)です」


ミリル「アウルムギア……」


アイシュレイズ「私は陛下が神生全てを剣に捧げた世界線のステータスを受け継いだ神遺物…ということになります」


ミリル「私が剣だけを磨いた場合が貴方だと言うの…?」


アイシュレイズ「左様でございます。陛下はベーゼに殺され、この下界に降りてきたのです…これはまさに奇跡でしょう……やはり陛下は素晴らしいお方です」


ミリル「………ごめん、私…弱いの」


アイシュレイズ「………確かに今の陛下はほとんどが封印状態…いえ、封印に近い能力の逆行をしておられます」


ミリル「逆行?」


アイシュレイズ「恐らく目を覚ますまでに人間に堕ちるまでの弱体化を受けた…そう考えれば良いかと」


ミリル「なるほどね……それでそのベーゼという神は何の目的で私を殺したのか…」


アイシュレイズ「…分かりません、こうして陛下が生きている以上陛下を人間に堕として何か叶えたい野望でもあるのかと…………しかしその望みは叶えさせません。我らの陛下を害した不届き者は首を跳ねて輪廻を許さぬ程の因果断裂の斬撃を…」


アイシュレイズから怒りに満ちた不穏な気配を全身で感じとり、ミリルが気持ち悪そうにしているとアイシュレイズが慌ててその気配を消しミリルに近寄った


アイシュレイズ「大変申し訳ございません陛下!」


ミリル「ぅぇっ…だ、大丈夫……」


ミリル(本当にもう何がどうなってるのか分からないよぉぉぉ!!!)

















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