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皇帝神の戦いは永遠に  作者: Amenbo
第1章 絶氷の章
10/25

第10話 仲直りは早急に

あの後 3人で連合へ戻りクエストの完了の報告を済ませると3人で報酬を山分けしようという話をしていた


ミリル「えぇっ!?…本当に良いんですか…私ほぼ少ししか貢献できてないのに…」


リヴィット「元からこの予定だったからな、遠慮なく受け取れ」


アルフェミア「普通はこんな感じですよ!」


ミリル「なるほど…」


リヴィット「まだ13時ぐらい…というか昼飯まだだよな。今頃だと並ぶ必要も無いだろうし食べていくか」


アルフェミア「ミ、ミリルさんは何か食べたいものとかありますか!」


ミリル「…私いつも宿のご飯を食べさせてもらってるので具体的にどんなものがあるのか知らなくて…」


アルフェミア「だったら私たちのオススメの店に連れていこうお兄ちゃん!」


リヴィット「アルフェミアが積極的なのも珍しいな…いつもの店でいいか?」


アルフェミア「うん!」


リヴィット「それじゃあ3人で行こう」


3人は連合を出て、2人行きつけの店に向かい始めた

アルフェミアのお腹から腹の虫が鳴り、恥ずかしそうにお腹を押えているとミリルとリヴィットが笑いアルフェミアがリヴィットのお腹を叩いた

リヴィットは苦しそうにお腹を押えてミリルが「お腹擦りましょうか!」という発言でそんなことされてるのを他の人にどんな目で見られるんだと思った


着いた店は中から美味しそうな匂いのする所であり、扉を開けて入ると暖かい暖房と香ばしい匂いで包まれていた


ミリル「あたたかーい…」


店主「っ!?いらっしゃいませオーナー!!アルフェミア様!我が店にお越しくださりありがとうございます!」


リヴィット「やぁ、3人で行けるだろうか」


アルフェミア「こんにちは」


ミリル「……………こんにちは…」


店主「…こちらのお嬢さんと合わせて3名様でしょうか」


リヴィット「あぁ」


店主「かしこまりました、こちらのお席に…!」


店主の誘導で3人は席に座りメニュー表を見ながら雑談していた


ミリル「お店の偉そうな人がペコペコしてるの凄いですね…公爵の地位ってそんなに高いんですか…」


アルフェミア「この国の爵位でリディア様の次に偉い公爵ですからね!でも偉いのは私達の親で私たちは普通なんですよね…」


リヴィット「一応受け継いでるだけだからな」


ミリル「なるほど…あとオーナーってどんな立場なんですか?」


リヴィット「簡単に言えばこの店の持ち主だな」


ミリル「えっ、じゃあここって公爵家の所有してる店ということですか?」


リヴィット「そうだな、だから今回の食事代も掛からないんだ。好きなだけ食べて元気になるんだ」


ミリル「本当ですか!?ならお言葉に甘えていっぱい…」


アルフェミア「私のおすすめはお肉の盛り合わせです!そしてパスタもオススメですよ!そして1番はトマトの中身をくり抜いてその中に野菜やチーズを入れてオーブンに入れて焼いたスープです!これが絶品なんですよ〜」


ミリル「聞いてるだけで美味しそうです…それも食べたいです!」


リヴィット「じゃあ一先ずこれで行くか…シドさん!これで頼む」


リヴィットは紙に書いた注文用紙をシドという男性に渡した

その男性は先程の店主であり、受け取ると同時に厨房に急いで走っていた


ミリル(あの人シドさんっていうんだ…それにしてもすごい慌てよう…)


アルフェミア「ご飯楽しみですね〜」


ミリル「そうですね〜、ご飯を食べてる時と寝てる時が凄い幸せなんですよね…」


アルフェミア「分かります!…でも私はミリルさんのお姿を見る時もすごい幸せです…」


ミリル「そんなに私を見ると良いと感じるのですか?」


アルフェミア「だってこんな綺麗な人今まで見た事ないんですもん…お母さんかリディア様ぐらいかと思ったのにその上を超えた美しさが来てしまいましたから…」


リヴィット「アルフェミアは昔から綺麗なものと可愛いものには目がなかったもんな。アルフェミアがこんなに話すのはミリルと仲良くなってもっと見ていたいからとかそういう感じか?」


アルフェミア「そんな下心満載な理由だなんて………あるかもしれないです…」


ミリル「そんなに気に入ってるのならこの顔渡したいぐらいですよ…アルフェミアちゃんだって可愛いじゃないですか」


ミリルの透き通った声と白いまつ毛と見通すかのような銀色の眼にアルフェミアの心は完全に射抜かれていた


アルフェミア「ふにゃぁぁぁ…本当に美人すぎます…」


リヴィット「あーあ、アルフェミアが恋に落ちちゃった〜」


アルフェミア「恋ではありません!尊敬です!」


ミリル「ふふっ、賑やかですね」


リヴィット「2年間2人で生きてきたからな、俺の妹は可愛いだろ?」


ミリル「ええとても可愛いです!」


アルフェミア「2人して私をからかわないでください!!私だって立派な淑女ですから!」


そうして談笑しているとリヴィットが少し真面目そうな顔をしてミリルに問いかけた


リヴィット「あまり深くは聞かないが、どうしてユスタルと喧嘩したんだ?」


ミリル「あっ………喧嘩というか…私が悪いんです。私がいつも勝手に危ないことをするのでユスタルさんが迷惑だと怒ってて…だったらもう友達を辞めて離れた方がいいかなって…」


ミリル(大蛇の話とか火事の話はしない方がいいかな…)


アルフェミア「……ユスタルお兄ちゃんってたまに誤解を生むような発言をしたりしますからね…それにしてもユスタルお兄ちゃんを怒らせる程ってどんなことしたんですか…」


ミリル「えーと…暴漢退治を1人でやろうとしたりとか…」


リヴィット「それは怒るだろうな…ミリル、ミリルは女の子であることを忘れるな。暴漢なんて女だという理由だけですぐ襲いかかってくるクソ野郎達だ」


ミリル(また嘘ついちゃったぁぁあ…暴漢じゃなくて大蛇ですとか言ったらもっと驚かれるだろうなぁ…)


リヴィット「ユスタルに怒られたというのだったらその時近くにユスタルが居たんだろう?あいつのプライド的に自分がいるのに守るべき民を危険な目に遭わせようとしたということが許せないんだろうな。いいか、大魔法師が近くにいるならそいつに頼れ。あいつは頭が良いから最善の策を考えてるはずだ」


ミリル「……頼る……」


アルフェミア「ユスタルお兄ちゃんはミリルさんを危険な目に遭って欲しくなかったんですよ…ミリルさんがユスタルお兄ちゃんを友人だと思うかのようにユスタルお兄ちゃんもミリルさんのこと友人だと思っていたのかもしれません。友達が危険な目にあって心配しない人はそうそういませんよ」


ミリル「……そうですよね…私謝らなくちゃ…食べたら謝りに行きます!」


リヴィット「…と思うだろ?でもユスタルは機嫌が悪い時は本当に見つからないんだ。多分風魔法で隠れて移動してるはずだし…」


アルフェミア「フロイゼン内にいるのは確実なので何処か人目がつかない所に…」


リヴィット「…お、そうだ。ユスタルを簡単に呼べる方法あるかもしれないぞ」


2人「??」


3人はご飯を満腹になるまで食べた後、アンタルク公爵家の屋敷まで歩いていった


ミリル(またでかい御屋敷…ユスタルさんの御屋敷と良い勝負…)


ミリルが横に倒れても少なくとも200人以上は必要になると思えるほどの広さでこれが公爵家という圧を感じた


ミリル「凄いでかい御屋敷ですね…」


アルフェミア「といっても昔ほど使用人はいないので住んでいるのは50人ぐらいですよ」


リヴィット「とりあえず中に入って作戦決行だ」


3人は門に入りミリルが門を通り過ぎた瞬間、開いていた門がガチャン!と閉まった


ミリル(全自動…?)


アルフェミア「この門はお兄ちゃんと私が認めた人のみ通ることが出来るんです!」


ミリル「すごい便利な門ですね…グレイスの入口もそんな風にすれば…」


リヴィット「そしたら旅人お断りの首都になってしまうな」


ミリル「なるほど…」


ミリルが下を向きながら考えていると前から老人のような声が聞こえ、前を見ると執事のような黒いスーツをきて眼鏡をかけた70代ぐらいの男性がいた


?「おかえりなさいませ。リヴィット様、アルフェミア様」


アルフェミア「ジョンセム!ただいま!」


リヴィット「ただいまジョンセム。紹介する、俺たちの友人のミリルだ」


ミリル「…っ!ミリルです!初めましてジョンセムさん」


ジョンセム「…初めまして。ようこそいらっしゃいましたアンタルク公爵家へ」


リヴィット「今から訓練場を使いんたいんだが良いか?」


ジョンセム「リヴィット様、貴方様が当主様なのですからお自身の判断でお決めになっても良いのですよ」


リヴィット「っあ、そうだった…つい癖が出ちゃうな…」


リヴィットは若干寂しいような顔をして後ろ頭を擦り、アルフェミアはリヴィットの服を握って問いかけた


アルフェミア「ところでお兄ちゃん…作戦って何をするの?」


リヴィット「それはなぁ…」


3人が訓練場に行くとリヴィットがいきなり魔法でミリルを浮かせ始めた


ミリル「えっ!?えっちょっ!リヴィットさん何を!?」


ミリルが慌ててリヴィットに手を伸ばそうとするとリヴィットはミリルの耳の近くで小声で「ギリギリで止めるから安心しろ」と言うと天高くミリルを持ち上げた


ミリル「びゃぁぁぁぁあぁぁぁっ!?」


リヴィット「ほらミリルたかいたかーい!」


アルフェミア「ちょっとお兄ちゃん!?ミリルさんが危ないよ!!今すぐ辞めてあげて!」


リヴィット「そして命綱なしの急降下〜!」


リヴィットが魔法を解くとミリルは重力に従って落下していき、段々と落ちる速度が上がって行った


ミリル「さぶぶぶぶざぶいいいい!(寒い)死んじゃうぅぅぅぅぅ!」


リヴィット「ほらほら訓練だぁ!」


アルフェミア「お兄ちゃぁぁぁん!」


アルフェミアが魔法を使って助けようとするとリヴィットがその手を止めて こっそり シーっと何か策があるかの顔をしていた


ミリル「ぶつがるぅぅぅぅ!!!!!」


ミリルが顔から地面にぶつかりそうになるといきなり落ちる感覚が無くなり、魔法が使われている感覚がした


リヴィット「やっぱり見てたんだなユスタル!ミリルをずっと見てるお前なら助けると思ってたぜ」


ユスタル「いきなり変なことをすると思えばこんな危ないこと…正気ですか!?」


ユスタルが訓練場にある柱の影から現れ、アルフェミアとミリルは驚いた顔をしてユスタルを見ていた


ミリル「…えっ?」


アルフェミア「ユスタルお兄ちゃん!いつから居たの!?」


リヴィット「ユスタルは罪悪感には弱い男だからな、ずっとミリルを遠い所から見てたんだろ?どうせ謝りたいけどタイミングが分からないーとか」


ユスタル「………たまたま通り掛かっただけです」


リヴィット「あれれユスタルくーん、ここって結界が貼られてあって普通の人間は通れないはずなのに何故か壊れた形跡があるんだけどどうしてかなー?」


ユスタル(修復しようと思った先にミリルさんの悲鳴が聞こえたから…)


リヴィット「そしてユスタルくんよー、女の子を傷つける言葉を言ったら直ぐに謝るのが男ってもんじゃねえのか。友達なら直ぐに謝れ」


リヴィットはユスタルの肩に手をおいて耳にそう囁いた

リヴィットの低い声は相手に緊張感を与えられる

公爵の威厳が少し現れているからだろうか


ユスタル「っ……それは…」


ミリル(私が逃げちゃったからですごめんなさい私のせいです…)


リヴィットの言葉がユスタルとミリルの心にグサッと刺さり何も反論出来ずにいた


ミリル「……あ、あの時は…」


ユスタル「待ってください!……僕から言いたいです」


アルフェミア「その前に下ろしてあげて…ずっと浮かせたままにするつもり…?」


ユスタル「あっ…そうですよね…」


ユスタルはミリルにかけた魔法を解除し、ゆっくりと地面に着地出来るようにした


ミリル「っと…」


ユスタル「……昨日は本当にすみませんでした!」


リヴィット(大魔法師が誠心誠意謝る姿なんて滅多に見られないし…それほど罪悪感が大きかったのか)


ユスタル「ミリルさんの想いを踏みにじる言い方をしてしまって……傷つけてしまって本当にごめんなさい」


ミリル「っ…私のほうこそユスタルさんは私の安全を考えていてくれたのに変に感情的になってしまって…ごめんなさい!」


ユスタル「好きなだけ僕を使ってください……頼ってください…大魔法師として頼られる存在でなければならないし………ミリルさんの友人として…力になりたいです…だから友人でいることをどうか認めてくれませんか…」


ミリル「………これからユスタルさんの力をもっと信じます…私の方こそユスタルさんをこれからも友達だと思っていいですか?」


ユスタル「ええ、ありがとうございます……………」


ミリル「はい…………………」


2人(……………気まずい…)


アルフェミア「…それじゃあとりあえず仲直りの握手しましょう」


アルフェミアは2人の手を掴んでお互いに引き寄せて握手させるとミリルは驚いた顔をしてユスタルは耳を赤くして体を震わせていた


ミリル「…仲直りの握手…」


ユスタル「あ、あのっ…これって需要…あるんですか…?」


アルフェミア「あるに決まってます!さぁユスタルお兄ちゃん!ミリルさんの顔を見て強く握り返すのです!」


ユスタル「アルフェミアさん………」


ユスタルが恐る恐るミリルの方を見ると、ミリルが心配そうな顔をしてユスタルを見つめる為ユスタルは恥ずかしがって力強く手を握ってしまった


ミリル「いだだだだだっ!いだいです!!骨折れちゃうぅぅっ!」


リヴィット「おい!ユスタル力入れすぎだ!」


ユスタル「あっ!ごめんなさい!」


ユスタルが慌てて力加減を抑えようとすると今度はミリルの手の骨をグリっとズラしてしまい、公爵家の領地全体に悲鳴が響いた

その後ユスタルが慌ててミリルの腫れた手を回復させ

アルフェミアから「どうやったらそんな力加減の強弱になれるんですか」と説教され、リヴィットから「いくら耐性が無いとはいえ加害するとは有り得ないな」と注意されていた


ユスタル「本当にごめんなさい…魔力が全部手に行っちゃって…」


ミリル「い、いえ…緊張してたなら仕方ないです…」


ミリル(それにしても手が偉いことになってる…親指の近くが内出血してる…)


ユスタル「……僕ってなんでこんな不器用なんだ…」


リヴィット「それはユスタルがあまりにも1人でいるからだ、人ともう少し関わった方がいいぞ」


ユスタル「…そうですかね…」


リヴィット「あと…ストーカーについてはちょっとお話を後で聞かせてもらえるか?今後のユスタルの為だ」


ユスタル「ストーカーって…」


リヴィット「良いから訓練後に部屋に来い」


ユスタル「は、はい…」


ミリル(ストーカー?)


アルフェミア(お兄ちゃんってユスタルお兄ちゃんと仲悪いとか言ってるけど結局仲良いんだよね…制御装置みたいな?)


そして回復が終わり、剣を握っても違和感がないことを確認するとユスタルは手を差し出して「どうぞ僕の手にも同じようなことを…」と言った


ミリル「別に大丈夫ですよ…治ったので全然平気です!」


ユスタル「…今度お詫びの品買って宿に送りますので…」


リヴィット「お金で解決しようとするな!ミリルはお金にがめつい貴族じゃねえんだから!気持ちで返せ!」


リヴィットはユスタルの頭を叩き、ユスタルは「はい………」と頭を押さえてそう言った


そして4人で訓練をすることが決まり、リヴィットはミリルに剣術を。ユスタルはアルフェミアに魔法を教える形となっていた。

夜遅くまでその訓練は続き、リヴィットによるミリルの戦い方考察が粗方定まってきた。


アルフェミア「ふわぁぁぁ…疲れたぁ…ユスタルお兄ちゃんの魔法の使い方分かりやすいです〜」


ユスタル「それは良かったです」


リヴィット「腹筋100回とランニング10周と空振り200回を一先ずやってもらったが…どうだ?」


ミリル「あっ…体が悲鳴あげてます…これ明日筋肉痛ですよ…」


リヴィット「まぁ初めてで結構良い方だと思う。明日も訓練するか?筋肉痛が無かったらの話だが」


ミリル「やります!私もっと強くなりたいですから!」


ユスタル「…筋肉痛が心配なら治しますよ」


リヴィット「ダメだユスタル、今治したら筋肉が育たない」


ユスタル「ミリルさんを筋肉ゴリラにする予定なんですか…?」


リヴィット「そこまでする気はないよ、ただ必要最低限の筋肉をつけるまでに毎回元通りにしたら練習の意味が無いだろ」


ユスタル「確かに…」


アルフェミア「ミリルさんとりあえず帰る前に体洗った方がいいですよ…一緒に入りませんか?」


ミリル「えっ?良いんですか?」


アルフェミア(お兄ちゃん、ミリルさんなら任せて)


アルフェミアはリヴィットにアイコンタクトするかのように意思を伝えて、それを感じとったリヴィットは頼んだというかのように手で合図した


2人が訓練場から居なくなったのを確認すると、リヴィットはユスタルを自室に招き入れた


リヴィット「……ユスタル、何故そこまでミリルに執着するんだ。お前らしくない」


ユスタル「…自分でもよく分からないんです…ミリルさんは他の人と少し差はありますがほぼ変わらないようなのに…目を離せられなくて……見ていないと落ち着かないんです…」


リヴィット「女性苦手のユスタルがねぇ…ミリルが魅了系の類を使ってる様子もないし…一体何だろうな。じゃあストーカー行為も自発的なのか…」


ユスタル「ストーカーって言わないでくださいよ…ただ歩いてる貴方達を見かけて…ミリルさんがいたので謝るチャンスではないかと思っていたのですが中々話しかけられなくて………」


リヴィット「照れ屋さんなんだな」


ユスタル「その言い方やめてください…」


リヴィット「それで結界に侵入するほど気になる女の子だと」


ユスタル「気になる女の子って…まるで僕がミリルさんのこと好きみたいな言い方じゃないですか!」


リヴィット「えっ、違うのか?ミリルにも否定されたからお前達本当に何も無いんだな…」


ユスタル「ちょっと待ってください!ミリルさんになんて聞いたんですか!」


リヴィット「ん?付き合ってるんじゃないのか?って」


ユスタル「…ミリルさんに変に勘違いされたら………」


リヴィット「まぁあの様子だともう気にして無さすぎて忘れてると思うが…………ってかあの時変な奴来たんだよ」


ユスタル「変なやつですか…?」


リヴィット「どうやらミリルの知り合いらしくてな…殲滅の女神とか言ってて…嘘ついてるのかそれとも本当なのか分からなくてな…」


ユスタル「……女神の特徴は瞳孔が白い、魔力じゃない神の力を操る、そして力を使う時に体が光ることです」


リヴィット「…確かに光ってた、そいつの名前はエンディと言うんだが幻覚?を見せてきた時に体が赤く光ってた気がする…」


ユスタル「……神が下界に干渉するということは神にとってどうしようも無い不都合が下界にある…ぐらいですよ」


リヴィット「やっぱり上のことはユスタルがここでは1番詳しいな」


ユスタル「…うろ覚えですけどね、このこと知ってるのは貴方だけですから他言無用でお願いします」


リヴィット「あいよ、俺とユスタルの仲じゃないか」


ユスタル「仲良くなったつもりは無いですよ」


リヴィット「あっ、ミリル。風呂上がった時は服着ろよー」


ユスタル「えっ?」


リヴィットがそう言い、ついユスタルが部屋の入口へ振り向くとリヴィットの手がユスタルの頭にゴツンとぶつかった


ユスタル「いたっ…」


リヴィット「スケベ大魔法師め、ミリルがここにいるわけないだろ?」


ユスタル「スケベ大魔法師って何ですか!」


リヴィット「その言葉の通りさ、そんなにミリルを見たいんだなこの変態男め」


ユスタル「もうからかわないでください…」


ユスタルが機嫌悪そうにリヴィットを睨んでいると扉からノックの音が聞こえた


ジョンセム「リヴィット様、ジョンセムでございます。今お時間よろしいでしょうか」


リヴィット「あぁ、入れ。どうしたんだ?」


ジョンセム「実は…おや、ユスタル様もいらっしゃったのですね。いつの間に」


ユスタル「こんにちは…」


リヴィット「まぁこいつは放っておいて要件を聞きたい」


リヴィットがそう言うとジョンセムはリヴィットに手紙を渡した


ジョンセム「今度開催されるヴォーヘン公爵家のパーティーへの参加状が届きまして…」


リヴィット「…ヴォーヘン公爵家といえば……カルミア嬢か?俺あいつ少し苦手なんだよなぁ…何考えてるか分からないけどきっとヤバいことだろうなぁって…」


ユスタル「ヴィトレア伯爵家と最近仲良いと聞きますね」


リヴィット「…一応参加しよう。人脈と情報は大事だからな、ユスタルは参加するのか?」


ユスタル「パーティーはパートナーが必要でしょう?僕はそういうの嫌なので参加しません」


リヴィット「…ユスタルくんお願いだよォ、ユスタルくんが来てくれれば僕寂しくないからさぁ」


ユスタル「辞めてください気持ち悪いです!」


リヴィットはユスタルに縋って顔を擦っていたが、途中で真面目な声で「そろそろ出とかないと情勢が分からねえだろ、大魔法師が3年連続出ないだなんて良くない」と言い、その言葉がユスタルを説得するには十分であった


ユスタル「……………分かりました、少しだけ顔を出すぐらいにしときます」


リヴィット(ミリルは貴族じゃないし参加出来ないから…ちょっと寂しいな…いや、ミリルをパーティーに出したら変な輩が近づいてきて危ないかもしれないから丁度いいかもな…美は敵っていうし…)


リヴィット「そういえばユスタルが大魔法師になってからもう3年なのかぁ…あん時は喧嘩ばっかりしてたよな〜」


ジョンセム「確かに、よくユスタル様と庭で喧嘩していていらっしゃいましたね。旦那様と奥様に怒られていたあの時が懐かしいです」


ユスタル「…………そうですね…」


部屋に飾られているアンタルク公爵家全当主夫妻の写真を見て3人は懐かしさに深けていた







































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