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よくある悪役令嬢ものだと思ったら……  作者: ユキア


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7/18

腐った身体

「あの女は?!あの女は誰、なの?」


その疑問は持ってはいけなかった。彼女の中身は醜悪で腐りきった何かだったから。そもそも、どうして牢屋にいるのか。それは王子から断罪され、無実の罪を背負わされて牢獄送りになってしまった。そして、明日は処刑の日である。どうやればここから逃れられるのか?そう考えるが何も浮かばなかった。そうだ!ジグ!ジグは?!この時間軸ではジグはどうなっているのだろう?


「誰か!誰かいないの?!ジグ!ジグは?!」


「うるせえな!」


看守がやって来る。看守はぶっきらぼうにそう吐き捨てながらやってくる。


「ジグは?ジグはどこ?!」


「あ?知るか!!」


「教えて!私の執事はどこ?!」


「そんなもん、お前が殺したじゃねーか!」


「へ?」


ころ、した……?覚えにない。一体どういうことなんだろう?!


「使用人を盾にして逃れようとして使用人は死んだって聞いたぜ?」


そうか、ここはあの後の時間なんだ。ジグが私を庇って……そして、王子に剣を振り下ろされて私は殺されたはずだ。


「何故、私は生きているの?私は王子に殺されたはずよ!」


「あ?ブルームて嬢ちゃんが王子を止めたって聞いたぜ?」


「ブルーム、いや、あの女が?どうして?」


「どうせ処刑されるのに王子の手を汚す必要ないだろって。」


「!」


ブルーム、いや、あの女は一体何者なのか?その謎を解かなければいけない気がした。色々考えたが、処刑の日になってしまう。


「結局、死ぬ運命なのね。」


処刑台に散る。否、タダでは死なない。いや、死ねない!ルナは野次馬の中へ目をやる。ブルームを探した。いた。ブルームはニタニタと笑っていた。そして、断頭台に刃が落ちてくる。そして彼女は呟いた。


「早く堕ちろ。」


そう言ったように聞こえた。死体はしばらく放置された。身体が腐りきった頃、それは土に埋められた。



「馬鹿な、ルナ。」


ブルームはそう言うと埋める前のルナの死体を蹴った。


「あら、そういえばもう口も聞けなかったわね。さようなら。」


そう言って死体を埋めた。


目が覚める。


「はっ!ここ、は?」


目が覚めるとそこは処刑される5年前だった。


「大丈夫ですか?!ルナ様?!」

「ルナ様!ご無事ですか?!」


この日は急に私が倒れた日である。犯人は分かっていた。ブルームである。


「ブルーム!貴方が私の紅茶に毒を?!」

取り巻きの1人がそう怒鳴った。

「え?!ち、違います!私は……」


「さっきブルーム以外の人間は私と一緒にいました!ブルーム以外考えられないわ!」


ああ、でも、これでは結局同じ運命に……。なら、この女を救うべきなのだろうか?


「……ほ、本当にブルームなのかしら?」


「ルナ様?」


取り巻き達は耳を疑った。


「ほ、ほら、ブルームとは限らないかもしれないわよ。」


「ですが!」

ルナは取り巻きの言葉を遮った。

「本当にブルームならこんな分かりやすいことをするとは思えないの。」


そう、本当に中身がブルームなら、ね。


「ルナ様!」


ブルームの目がかがやく。そして、ルナの手を取った。プスッ…。


「え?」


視界が暗転する。手には毒針が刺さっていた。


「ばーか。」


薄れゆく意識の中、そんなブルームの声だけが響いていた。

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