腐敗した中身
その牢獄はただ冷たくそして寂しい場所だった。
「牢獄からまた始めるなんて、無理があるわよ!あの神、一体何を考えてるの?!」
思わずルナはそう叫んだ。
「うるせえぞ!!このアマ!」
そう言ってやって来たのは看守である。
「うるさいですって!?誰に口を聞いているの!?」
「あ?俺にさからっていいのかぁ?ははっ。殴られたいようだなぁ?」
看守はそういうと牢屋の中に入ってきた。
「じゃあ、始めようかっ!」
殴られる!?そう思った時だった。看守の上司が牢獄にはいってきた。
「おい、何をしてる?」
「あ、い、いえ!何も!」
「ならその女には関わるな。これでも一応公爵令嬢だったんだ。暴力をふるえば公爵家が黙っていないだろう。では、仕事に戻るように。」
「はい!」
そういうと上司は去っていった。
「……けっ!運のいい女だ。」
助かった。そう思った。この男には以前も酷い目に合わされた事を思いだした。
「今に見てなさい!父上が直ぐに私を助け出すわ!!」
「はっ!罪人が何を言っても無駄だ!諦めな!」
看守はそう吐きすてて持ち場に戻ってゆく。
ここから生き残るなんてできるわけが無い!一体どうすれば……?
色々思案していると牢獄に誰かが入ってきた。あの女だった。
「ごきげんよう。ルナ様。」
「ブルーム!?何故ここに?!」
「そんなの貴方の無様な姿をこの目に納めて置こうと思ったから以外にありまして?」
「……貴方と言う女はっ!!」
「ふふふふふ。そう怒らないでくださいませ?綺麗な顔が台無しでしてよ?」
その女は醜く笑う。
「貴方の思い通りにはならないわ!!私は今度こそ生き延びて……」
「無理よ?」
「は?」
「何度繰り返そうとも貴方はもう、生きては戻れない。そう。これは、この罰は神からの贈り物なの。」
「くっ!貴方なんかに決めつけられてなるものですか!」
「……決めたのは神でも私でも無く、貴方自身よ?」
「何を……言っているの?」
「ふふふ。そのうちわかるわよ。」
「貴方……誰?」
「私はブルーム。そう。ブルーム・ストーン。それ以外に名乗る名などないわ。それでは、ごきげんよう。」
「待って!待っ……」
ブルームの後ろ姿が去ってゆく。彼女は1人、牢獄に残された。
違う!あの女じゃない!?あの女なら話しただけでわかる!なら、ならば!あの女の中身は一体誰なの?!
「あの女は、だれ……なの?」




