刺殺
お茶会に行くのをやめてジグとデートする事にしたルナ。お互いに準備してから家の門の前で待ち合わせした。
「お嬢様ー!」
待ち合わせ場所にジグが遅れて走ってくる。
「あら、ジグ。女性のエスコートの仕方ぐらい身につけておきなさい?」
「は、はい。ですが、どうして、その、で、デートなど?僕と……?」
「……さあ、何故でしょうね?よく考えてみなさい?」
「……」
そうして、馬車を出す。
「お嬢様、お茶会はよかったのですか?」
「ええ、いいのよ。それより、行きたい場所はある?」
「……!あります!」
「そう。」
ジグの案内で連れて来られたのは1面の花畑だった。
「まあ、素敵!ジグ、貴方にしては良いセンス……!?」
刺された。血が吹き出す。
「じ、ジグ?」
「バカにするな。いつもそうやって僕を見下してただろう!!」
そう聞こえて意識が暗闇に落ちてゆく。そう、私は誰にでも憎まれていたのだ。
目が覚めるとそこはジグを引き取った日だった。
「こんな前に?」
「ルナ、この子を貴方の執事にしようと思うの!どうかしら?」
そうルナの母はいった。思えばルナはこの日から嫌がらせをしていた事を思いだした。
「ええ、もちろん。賛成ですわ。」
殺されるまで憎まれていたなんて思わなかったが……。
「お嬢様!奥様!ありがとうございます!僕!頑張りますね!!」
ジグは嬉しそうにそう言った。幼いジグ。そんなジグはこれから私と母、そして、父から酷いあつかいを受けるのだ。ここで運命を変えてしまえばよいのでは?
「ジグ、あっちで一緒に鍵遊びしましょ!」
「はい!」
この日からルナはジグをかわいがった。そうして、7年が経つ。
「長かったわ。遂にその日がきた……。」
その日は来た。断罪される日である。ルナは舞踏会にジグを連れてやって来た。
そして告げられる。
「ルナ・グラディウス!君を断罪する!!」
結局こうなるのだ。そう思った。ブルームはチャールズの後ろでにたにたしていた。
「待ってください!お嬢様は何も悪いことなど!」
ジグが庇いにきてくれた。7年だ。7年待ったのだ。だが、結末は一緒らしい。ジグの言葉は誰にも届かなかった。ブルームはわざとコケて突き飛ばされたと言い張った。チャールズは怒りのあまり、ルナに刃を振り下ろす。
「?!」
そして、死んだ。ジグが……。私を庇ったジグが死んだのだ。雨が降る。
「誰か!誰か医者を!!医者をお願いします!!」
ルナは必死にジグを助けようとするが、出血は止まらない。
ルナの声も届かない。そんな、こんな結末の為にループしたんじゃない!チャールズはルナに再び刃を振り下ろした。
目が覚める。そこは……。
神の前だった。
「やあ、悪役令嬢。ループはどう?楽しいかな?」
「……たの、しい?ふざけないで!!」
「あー、はいはい。怒らない怒らない!」
「あんな結末見せられて私は、怒ってるの!!」
「はいはい。じゃ、次は別の所に転生しようねー。」
「嫌よ。」
「はいはい。……はい?」
神はルナの思いもよらぬ言葉に呆気にとられる。
「私は勝つ!!必ず!ルナ・グラディウスで生き残って見せるわ!!」
「……頑固だなぁ。仕方無いじゃあ、今度はどの時間にーっと」
「どうして、どうしてなの?どうして私は不幸にしかならないの?!」
「それは君が……」
「私が何?」
「いいや、なんでもない。それより、今度はどこに戻りたい?」
「どこでもいいわよ!」
「はいはい。てんせーい、と。」
光る円盤を操作しながら神は適当にそう言った。
目が覚めるとそこは牢獄の中だった。
「は?」




