零れる赤
目覚めるとまた過去に戻っていた。失敗した。そう。また失敗したのだ。乙女ゲームとか悪役令嬢ものだと主人公と仲良くなったり以前と違う変わった自分に王子が惚れたり、異国の王子に求婚されたりとかするのが当たり前だとルナは思った。だが、そうならないのは主人公と仲良くしようとしないからだと彼女もわかってはいる。だが、公爵家の令嬢としてのプライドがそれを許さない。たかが、子爵家の娘にチャールズ王子を横取りされた挙句処刑されてしまうのだ。認められない。そんな相手と仲良くするなんてできるわけが無い。そう思ったが、もし、自分が生き残れるならと彼女は妥協しようとした。そして、舞踏会へと赴く。馬車から見える風景。これが最後の景色かもしれないと思いながら舞踏会の会場についた。ブルームを探す。ブルームを見つけるとルナは近づいた。
「ごきげんよう。」
「ルナ様!ごきげんよう。」
この女と仲良くなどできるのだろうか?そう思ったがやるしかない。やらなければ命がないのだ。ルナはしばらくブルームと世間話した。するとチャールズがやって来た。ブルームはいきなり自分にワインを盛大にドレスに零す。
「チャールズ様!ルナ様が!」
「はい?」
「これは?!ルナ!君がやったのか!?」
「違います!誤解ですわ!」
「チャールズ様!私、怖い…」
「大丈夫だ。ブルーム。君は私が守ろう!」
そうしてまた断罪された。
「ルナ・グラディウス!君を断罪する!!」
ショックのあまり声も出ない。ルナに対してブルームは去り際にそっとこう言った。
「諦めてください。何度やってもチャールズ様は私のものですから……ふふ。」
この女こそ悪役令嬢だ。いや、悪魔である。それに何故ループの事を?そんな事を考えている間に処刑台の上で頭上から刃が落ちて来た。




