2度目の処刑
ルナ・クラディウス。彼女は過去に戻った。過去に戻った今なら自分の破滅を回避できる。そう思ったのだ。彼女は行動に移す。たが、転生した彼女の行動は、とんでもないものだった。断罪される前に自分を破滅に追い込んだ女へ復讐をする為に彼女は動く。この世界の主人公、ブルーム・ストーン。彼女はルナの許嫁だった王子チャールズ・リーンを籠絡し、ルナに無実の罪を被せて断罪させたのだ。
「そう、これはよくある悪役令嬢の物語……。」
ではない。それをルナが知ることになるのはまだ先の話。馬車に揺られてたどり着いたのは舞踏会である。この舞踏会にはルナの宿敵、ブルームも参加していた。
「ルナ様!ごきげんよう。本日も美しいですね。」
何も知らないような顔をしてブルームはそう言った。その言葉がルナのカンに触った。
「きゃ?!」
ルナはブルームを突き飛ばしたのである。
「貴方のせいで私は!私は断罪されましたのよ!!」
「なんの、お話でしょうか?ルナ様…」
「はっ!そんな事を言って私を陥れようとしているのね!?」
「おやめください!」
「ルナ様、落ち着いて!」
周りはそう言ってルナを止める。そこに現れたのはチャールズである。
「これは一体なんの騒ぎだ!」
「!チャールズ様!?」
周りの人間は押し黙った。ブルームはチャールズに縋り付く。
「ルナ様が!ルナ様が私を突き飛ばして……」
「何?!それは本当か!ルナ!?」
「あ、え、と、これは、その……。」
そうしてホールにチャールズの声が響き渡った。
「ルナ・クラディウス!君を断罪する!!」
「?!」
これが2度目の破滅。本当ならもう少し遅く来るはずだった断罪イベント。そう、運命すらルナを見放したのだ。
「また、またなのね……。」
そして、ルナはあっという間に処刑されてしまった。




