飛び火
アンドレスの屋敷に着くと使用人達が迎えてくれた。アンドレスの書斎へと向かう。
「ルナ!」
「アンドレス!会いたかったわ!それで例の件はどう?」
「ああ、君に彼女が近づかないように暗示をかけてある。」
「そう、ありがとう。」
「しばらくはこの屋敷で過ごすといい。」
「ええ、ありがとう。」
こうして、ルナはしばらくアンドレスの屋敷で過ごす事になった。食後の事である。ルナはアンドレスの書斎へと向かう。
「アンドレス。」
「ルナ、どうかしたのかい?」
「ええ、放火した犯人を見つけてほしいの。できるかしら?」
「ああ、それぐらいならできるさ。」
「ありがとう!」
その様子をジグは扉の隙間から見ていた。アンドレスの書斎からルナが去るとジグがノックして入った。
「あの……」
「?君は?」
「ルナ様の使用人のジグと申します。」
「使用人?何か用かな?」
「ルナ様とはどう言ったご関係ですか?」
「関係?ただのいとこだよ?」
「そう、ですか…」
「ああ」
★★★★
ルナが庭でアフタヌーンティーを楽しんでいると屋敷から悲鳴が聞こえた。ルナと使用人達は大急ぎで悲鳴の元へとむかう。そこで見たのは酷い有様だった。
「……アン、ドレ……ス?」
アンドレスの顔は切り刻まれてぐちゃぐちゃになっていた。
「いやぁああああ!!」
ルナはその場で失神した。使用人達はルナをゲストルームのベッドへと運ぶ。
「…さま」
「お……じょ さま…。」
「お嬢様!」
ルナが目覚めるとベッドの横にはジグがいた。
「ジグ?」
「お嬢様!良かった!目が覚めて……」
「私、は、……はっ?!」
アンドレスの事が頭を駆け巡る。
「アンドレス!アンドレスは?!」
「アンドレス様は……」
「そんな!嘘よ!」
「お嬢様!落ち着いてください!大丈夫、僕がいますから!」
そう言ってジグはルナを抱きしめる。そして、ルナは見つけてしまった。ジグの肩に血が着いているのを……。ルナはジグから離れる。
「ジグ……怪我でも、したの?」
「え?」
「ほら、ここに、血が……」
「あ、ああ、これはその、ちょっと転んで……」
「…………」
「ジグ、正直に言って?」
「何をですか?」
「貴方が、アンドレスを、殺したのね?」
「!?」
「ジグ、答えて!」
「……あの男がお嬢様に色目を使うから!」
「?!そんなわけないじゃない?!何を言っているの?!」
「あの男が悪いんだ!!それに、それに、放火した犯人を見つけるなんて言うから……!」
ジグは口を滑らせた。その瞬間にルナは確信する。
「………どう、して……?」
「お、お嬢様!違うんです!本当に違っ」
ルナに縋り付こうとするジグ。そんなジグをルナは突き飛ばした。
「どうして?!どうして火をつけたの?!答えて!ジグ!」




