夜が更ける前に
夜が更けるのを待たずにそれは起こった。
「ルナ・クラディウス!君を断罪する!!」
その言葉がホールに響きわたる。周囲は騒然とした。
ルナ・クラディウス、この物語における悪役令嬢。彼女がそれを知ったのは少し前のお話。彼女は1度この末路を見た。そしてこれは2度目である。
「また、またなのね…」
彼女はそう呟くしかなかった。何も知らずに終わった1度目の人生、そして、2度目になるのだが、その前に、別世界で目が覚めた。気が付くとダンスホールから、薄暗い部屋へと移動していた。そこで神を名乗る少年と、会話し、自分の世界が乙女ゲームの物語の、中だと知る。現代の日本と言う所に転生させられた。そこで私が悪役令嬢の乙女ゲームをプレイすることになる。そこには私が知らないことも多く書いてあった。そして悪役令嬢ものの小説やら漫画を読みふける毎日をおくった。しかし、そんな生活は突如として終わりを迎える。不摂生な生活のせいで体調を崩し、病に蝕まれた。前世での悪行が祟ったのだろうか?何はともあれ、再び神を名乗る少年に出会う。私は願った。再び元の物語の世界へ戻りたいと……。目が覚めると、今度はいつも目覚めるベッドの上へと移動していた。否、時が戻ったのだ。そして2度目の乙女ゲームライフを過ごすことになる。
「今度こそは…!」
彼女は決意した。今度こそ生き残ってみせると。しかしその決意は儚く討ち消されることになる。
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