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トルネード  作者: みつ
7/10

7

鍋でお腹一杯になり、自室で、小一時間ゲームをしようとしていたら、

兄が僕の部屋をウィスキーの入ったグラス片手に訪ねてきた。

そして、言う。

「宝くじは、買わないと当たらない。畑中くんも、その大賞賞金1000万円のコンテストに自作の小説をエントリーさせないと、大賞には、ならない。

当たり前だけどな…。

兄ちゃん、あんまり深くは知らないが、今や小説は紙だけでなくてネットを介しても読めて、それらにも、やはり印税は、もちろん発生するのだろう。

いや、おまえの話を聞いてたら、俺も畑中くんの書いたソレを読めるもんなら、読みたいな♪って、思ったりもしてな。今まで、それなりに書いてきて書き留めているって彼が言うなら、できるだけ短い小説なんかがあれば俺が読むにはベストかな♪」

兄は続ける。

「…ヒロ、おまえの会社、今度は北海道、沖縄にも支店を出すんだってな。」


そうであった。僕は、まだ平社員だったが、

全国規模の僕の勤める会社は、収益がよく、昨今、拡大の一途だった。

「おまえも、高卒で勤めて早20年…終身、勤めあげれば退職金2000万円は、かたいんじゃないか?

前に俺に話してくれたままなら、普段の給与も毎年ベースアップしているようで、今まで必ず年二回の賞与がある………バンバンじゃん!まぁ、その調子で♪」

兄は、そう言いニコリと笑って去っていった…。


明日は、仕事。

僕は、いつも通り、出社する。

それは、間違いない。


ふいに、いつかの彼女と、天気のいい日にデートしたことがフラッシュバックした。

そして、今日会った、畑中の顔も…。


ゲームの電源を入れようとしていたのを止めて、デスクにあった裏地が白い紙に、

僕は、さらさらと日本列島の絵を書いた。

何も見ずに、そこそこ描けた…。

そして、次は余白に文字を書き始める。


『日本は、北半球にあり、四季があります』


そこで、筆は止まった。


僕は、己で描いて書いた、それをしばし眺めていた…。



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