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トルネード  作者: みつ
6/10

6

僕が家に着くと、

母が夕飯を作っており、

兄は仕事から帰り、ウィスキーを飲んでいた。

「ヒロ、おまえも、1杯、やるか?」と言われ、

「宗教上の理由で、ちょっと…」と返すと、

兄が、それは、それは、驚いたので、

僕は、笑いながら、兄さん、ジョーダンだよ、ジョーダン!と兄と飲み始めた。


世間話も一通りして、自然と畑中のことを兄に話していた。

事細かく、話していた。

兄は、黙って聞いていた。

そして、言う。

「なぁ、美味いものを食べないと、美味いものは語れない、って、聞いたことないか?」


僕は、「それとなくは…。」と返すと、

兄は、頭をかきながら

「いやな、兄ちゃん、若いときに車にハマってな…おまえも知ってるが、乗りたい車に好きなだけ乗り換えて、カスタマイズも、やりたいだけやる……あるとき、貯金の大切さに気づいて今は、そういった車へのオカネの使い方はしていないが正直、それがあって現在まとまった金額の貯金が俺は無い…。」と述べ、ため息をついた。

兄は、続けた。

「ある男が、いる。

30歳で仕事を辞めて、貯めた300万円を全て遊びに使いに使う…瞬く間に、お金はなくなり、男は、最後に残った3000円で、宝くじ10枚を買う……

結果……」


「…結果?」


「とまぁ、即席なら、こんな兄でも創作話は出来て、その話の結末は、俺の意のままだってことだよ♪」


その時、母の、「鍋、出来たわよ♪」の声がした。

ちょうど父も帰ってきて、

秋が深まり冬が近づく気配がする、その晩、

僕の家では食卓を家族で囲み、

それは温かい温かい鍋を食べた…。

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