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AIが発達してくると、小説家になろうじゃなくて漫画家になろうになって、果てはアニメーターになろうになっちゃうの?

作者: 夢野ベル子

まあ、そうなるな。


AIの現状を、わたしが知覚した範囲でお知らせすると、いまのAIは単体画像絵を謎のコマンドで打ち出すというのが多いが、そこから少し進化して、いまではポージングを指定できるようになってきたらしい。アニメーションで言えば、ちょっとSFチックなゲームのオープニングのようなものはできるけど、人間さんが創っているアニメーションとはちょっと違うかなと思う。キャラクターの同定というのもちょっと苦手かな。


しかし、ここまで進化してくると、キャラクターの同定はもうほとんど手が届いていると思うし、謎コマンドについても、日常単語に置換されていくだろう。よって、ある程度平易な文章であれば漫画的な描写に置換可能だと思う。


もっと未来になれば、『小説そのもの』を入力しただけで、ポンっと漫画ができる未来やアニメーションができる未来も考えられるわけで、音声データも人工声優をつければ楽勝ではないだろうか。オープニングやエンディングとかの歌も、『悲しげで~メランコリックな歌』みたいな文章でポンっと何十も候補ができて、あとはイメージにあったやつを選ぶみたいな作業になるのかもしれない。


はっきり言って妄想の類なんだが、そうなりそうな予感はビンビン感じてる。


先にわたしの考えを述べておくと、まあそうなっても、小説を書くほうが好きかなぁ的な発想があって、漫画バージョンやアニメバージョンがボタンひとつでできたとしても、何回か試す程度かなぁ……と今のところは予想しております。


他の作者さんはどちらを選ぶかな。


あくまで小説という形態にこだわるのか、それとも漫画やアニメという形態にシフトチェンジしていくのか。もちろん、受け取り手がどちらも視聴できるように小説バージョンも残すみたいなのもありかもしれないけど、漫画化やアニメ化は、表現行為としては劣化する面もあるから嫌っていう人もいるかもしれない。


嫌って言う人はたぶん少数派だから、思考の材料を提示しておこう。


――なぜ、漫画化・アニメ化が嫌なのか。


漫画化やアニメ化は主体から離れていく。

まあ小説も、セミオティックな領域からシンボリックな領域へと足を踏み入れている時点で劣化しているといえるわけだが、程度問題としてどんどん離れていくのは間違いない。


なので、小説という形態にこだわる人もいると思う。シンボリックな領域からセミオティックな領域へと逆流するというのが、つまりロゴスをつかってロゴスを越えるというのが、文学だからね。


文学という言葉を使った時点で「うさんくせぇ。さかしらぶりやがって。クソ以下のニオイがぷんぷんするぜぇ」って人もいるかもしれないので、一応言っておくと、文学という言葉が高尚だとかそういう事が言いたいんじゃないんだ。


言葉を使ってなにかを表現するというのは、その時点で主体にとってみれば、必ずまがいものを表現しつづけているということだよ。


例えば「世界一かわいい美少女」を脳内で思い描いて、そのように言葉を出力したとしても、読者側に作者の想像そのものが伝わるわけではないでしょ?


作者自身も美少女描写をどんなに連ねても、自分の脳内とはどうしてもズレが生じてくる。想像という領域より先に進むと、選択的透過性によってケガレをはじくバリアが見える。美少女に聖女成分をみたり、娼婦成分をみたりね。どうしてもソレそのものには近接できないわけだよ。


言葉によって表現できるものは主体にとっての鏡像である対象aであり、まがいものであるから、主体そのものを表現することはできないって話だ。文学は対象aを表現することだって主張する人もいるかもしれないが、それって偽物掴まされて喜んでいるだけなんじゃ……って思う。辛辣かもしれんが。


もーっとわかりやすく言うと、なんだろうな……漫画化やアニメ化されたとしたら、それってぶっちゃけ原作者にとっては二次創作だよね。少なくとも、「わたし」の作品ではないというのは理解しやすいだろうと思う。


たとえAIが提示する無数の選択肢から作者が選んでも、作者のイメージを加工しているという事実は変わらない。選択肢が多くなれば想像の領域には近づいていくだろうけど、完全に一致するということはありえない。まあ、選択の結果に満足して、完全に一致していると錯覚することはあるかもしれないけど。


はっきり言おう。

AIはケガレそのものだ。

だから、AIはケガレを表現できない。


ここまでグダグダ書いてきたが、しかしまあそんな作者側の事情なんて、正直受け取り手側からしたら、「知らんがな」だよなぁ。


だいたい、なろうでも書籍化→漫画化→アニメ化だし、データとかは知らんが、基本的には情報の消費量としてはアニメのほうが多いんじゃないのか。


何も情報を知らない素の消費者がいて、同じ作品の漫画・アニメを視聴するのと小説を手にとってみるのと、どちらが多いかなという話だと、小説を先に読みたいという人は少数派なんじゃなかろうか。


漫画やアニメは小説に比べると五感に訴える情報量が多いから、それだけ刺激的といえるし、言葉に特別思い入れのある人は少ないという印象だ。この点についてはいくらでも反論してもらってもかまわない。むしろ反論してほしいくらいだが、しかし……、小説というものの小カテゴリであるライトノベル、そのまた小カテゴリであるなろう小説は、結局のところ、漫画的な想像力を小説にしたものじゃないか。


つまり、そもそもの話、なろう小説は漫画やアニメの原作としてのポジションが期待されているんじゃないか。


そう言い切ってしまうと、次の問いは「漫画を書けないから小説を書いた」になってしまい、脊髄反射的に反論したくなるが、受け取り手目線だと、作者の価値はその程度かもしれないなとも思う。


まあいずれにしろ、小説をカンタンに漫画化したりアニメ化できる時代が訪れたら、どちらが手をのばされやすいかは、すぐに現実的な数値として現れるだろう。


仮に、やっぱり需要は漫画・アニメにあったねって証明されちゃったらどうするかという話だ。


言うまでもないが、そのときは需要との関わり合いのなかで、作者が物を書くという行為のどこに重点を置くか。つまり、価値観によることになる。


わたしは前にエッセイで物を書くという価値は「ヒト・モノ・カネ」の3つに分類できると書いたことがある。 https://ncode.syosetu.com/n9090fj/


まず、カンタンなところで「カネ」というのは金銭的価値のことだけど、漫画になったりアニメになったりすれば、原作である小説も読まれる可能性があがるわけだから、要するに売れるだろう。よって、小説という形よりも漫画やアニメのほうが消費可能性が高いとなれば、そちらにシフトチェンジする。


よって、カネに重きを置くなら、漫画家になろうやアニメーターになろうになることは悪くないはずだ。


運営側にとってもそうだろう。漫画やアニメのほうが需要があるなら、当然、リソースが許す限りそちらのほうにシフトチェンジする。


よって、カネに重きを置くなら、作者と運営の価値観は一致し、漫画家になろう・アニメーターになろうというふうになる。


ヒトというのは、伝達に主眼を置く考え方だ。この考え方は、二次創作されることがうれしい。漫画化・アニメ化が二次創作であるならば、そうなることがうれしい。だから、この価値観を重視した場合も、漫画化・アニメ化はうれしいとなる。


問題となるのはモノ的な思想。

この場合は、主体を劣化させたくないと考えているわけだから、漫画・アニメ化はうれしくないとなるわけだ。


もちろん、これらの価値観は複合する可能性もあり、どこに比重を置くかという問題になる。


わたしはたぶん『モノ・ヒト』タイプ。


漫画化・アニメ化したらそれはそれでうれしいんだけど、劣化してるなぁ……まあいっかみたいな感じだ。


純粋モノタイプ作者さんは絶滅危惧種になりそうかなと予想しますが、わたしの場合は、一回は試してみようと思います。

コメント欲しい。

そういう人はたぶん、漫画・アニメ化を肯定するだろうな。

つまり、コメント欲しいってことなんだけど(ちらっ、ちらっ)。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  いまのところ、作品を見たい、読みたいと思うのは人間だけでしょう。なのて、文章とか画像とか動画とか簡単に作れる様になろうとも、それを組み合わせて面白いストーリーを作れるのはそのターゲットを…
[良い点] わかりみ~~だよ? 先週AIで小説書かせたけど、まだ自分でキーボード入力するんがはやいんですよ。自分AIの調教能力がたらん。テイマースキルがががが、だれかテイマー上級のスキルオーブ譲ってく…
[一言]  この話の最終的な到達点は、「媒体無しのダイレクトリンクで相手と繋がる」だと思います。  みょんみょんと頭からコードが伸びて相手の頭と繋がる、そんな絵面。 昔、CMでそんなのあったな、相手は…
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