父親
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以下の紹介
作者名:夏凪ひまり ※必須
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作者プロフィール
関西在住、20代(女性)
日曜日の22時からたまひまらじお!というダブルDJの企画枠をしている。笑い足りてるぅ?
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#夏凪ひまり
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サムネイル
タイトル、作者名を表記。
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脚本:夏凪ひまり
クリスマスの夜。
町はイルミネーションに彩られ
バラ色に頬を染めた人々の声で騒がしい。
しかし、俺にとっては何の関係もない。
今日も大きな重機の傍らで硬いアスファルトを踏みしめる。
クリスマスらしいことなんて、今年はひとつもしていない。
まぁ、この工事現場の明かりが
クリスマスのイルミネーションということにしておこう。
俺がそんなことを思いながら自嘲気味に笑うと
ポケットに忍ばせた携帯電話のバイブがなる。
少しだけ休憩をもらい確認すると、
別れた妻からのメールだった。
自動販売機で購入したホットコーヒーを片手に
折りたたみの携帯電話の画面を開く。
待ち受け画面では、
二人の子供達が滑り台を楽しそうに滑り降りている。
ちょうど二人とも万遍の笑顔で、
我ながらなんというベストショットを
とらえたものだと満足気に微笑んだ。
次に子供達に会えるのは来月。
いい子にしていればサンタが来ると指切りまでして約束した。
元妻には、子供達に良い思いをさせて欲しいと、
今月は少し色をつけてお金を渡した。
良い父親でいれなかった俺のせめてもの罪滅ぼしだ。
俺は待ち受け画面で光るメールのマークを選んで開いた。
元妻からのメールの内容は、絵文字もなんにもない
ただ、ありがとうだけの文字。
それでも、冷えきったこの心には十分に温かいと感じた。
ケータイを握る俺の手に
空からふわりと白く柔らかいものが舞い降りた。
雪……
クリスマスらしいことなんて何も無いと嘆いていた俺への
サンタからの憐れみだろうか。
「ホワイトクリスマスだな……」
そう呟いて、飲み終わったコーヒーの缶をゴミ箱に捨てる。
子供達は雪が降ったとはしゃいでいるだろうか。
弾けるようなその笑顔を俺は守りたい。
決意を新たに、俺は現場の騒音の中に再び身を投じた。
しぐまさんというスプナー様に贈った、ふわり様企画のシチュエーションクリスマス企画参加台本です。
是非、色んな方の声で聞いてみたいです。