意志を持つ者にしかできないことがある
どうも初めまして、ティモシーです。
前まで趣味で小説は書いてはいたのですが、一番仲のいい人にしか見せたことがなくていろいろ探っていたらこのサイトにたどり着きました。
連載もしていこうと思ってますが、自分のペースで投稿していけたらなと思っています。
読んでくださるだけでも幸いですが、ぜひ評価のほどよろしくお願いします。
ある一人の少女がいた。浅美丘成留、通称;ナル。絶賛ぴちぴち高校生である。
母親と父親は小さいころから仕事の都合で、家にはほとんどいない。そのため祖母に育ててもらっている。
このあと、絶賛ぴちぴち高校生のもとに訪れることは?
「ただいま~。」
いつものようにナルは学校から帰ってきて自分の部屋で荷物を整理していたその時。
ヒュンッ
後ろで何か物音がしたと思って後ろを振り返ると、全身血だらけで見るからにボロボロの一人の男がいた。
「えっ!? えっ、なんなのこれ!? ていうか早く私の部屋から出て行ってよ! 血だらけになっちゃうじゃない!」
ナルはもちろん驚いたが、自分の部屋が汚くなるのを嫌がって足元をつかんで廊下に引きずり出した。
「みっ、みずっ...、水をくれ...。」
「わっ! しゃべった! え? なに、水? わかった今持ってくる!」
そう言って早足に台所に行き、コップに水を入れて飲ませた。
「ありがとう。」
そのあとすぐに変な謎のおかしな人に聞きたいことをぶちまけた。
「ていうかあなた誰? どこから来たの? まさかわたし鍵開けっ放しにしてた!?」
「いや、鍵は閉まっているぞ。俺の名前はルト・ダスカ・ジオク。ルトって呼んでくれ。宇宙を統一するジオク星の王の息子だ。」
「は? え? 王の息子? じゃあなんでこんなところにこんな姿でいるの?」
「...王が死んだ。父上が召されたのだ。そうなってはあの星はおしまいだ。」
「なんで? だって次は普通あなたが王権握る番じゃないの?」
「俺はまだ成人してないから王権は握れないのだ。そうなると先頭に立つ者はいなくなる。」
「女王様とかいないの?」
「俺がここに来る数分前、俺と母上は父の葬式を終えた後、この星の実権を握ろうとし、長年ジオク族と戦ってきた一族が反乱を仕掛けたのだ。母上は、...そいつらの弾丸の餌食になった。」
「お父さんとお母さん死んじゃったの? でも家族はいるんでしょ?」
「俺の身内は全員暗殺された。」
「じゃあ一人なの?」
「ああ。」
「よっ、よかったら、うち...泊まる? 部屋余ってるから泊まりたいならいいけど。」
いきなり想像もしないくらい重い話を聞き、少し同情してしまいナルの癖のお人よしが作動してしまった。
「いいのか? 申し訳ない。 しばらくの間邪魔する。いきなりだが、シャワー浴びていいか?」
「どうぞ。着替えはどうするの?」
「こうやって着替える。」
そう言って何をしだすのかと思えば、さっきまで来ていた鎧のような服が変形、そして生成されていく。終わったと思えばいつの間にかTシャツ短パンになっていた。
「なにそれ? どうやってんの?」
ナルの想像もしない事が目の前で起きた。
「地球人にはできないだろう。ジオク族にしかできない特殊な技だ。ほかにもあるぞ?」
「やってやって!」
そういわれたとたんさっきまでルト゚がいた場所には誰もいなくなっていた。
「ここだ。」
声がしたような気がした後ろを振り返るとそこにルトはいた。
「えっ!? いつの間に後ろに? 瞬間移動もできるの?」
「まあ、ジオク族はたいていいろんなことができる。俺はこうやってジオク星から逃げてきた。」
「すごいね~。」
もっとやってほしかったのでせがもうと思ったが、申し訳ないかなと思い迷っている間に、
「今更だが名前を教えてくれ。」
言われてから自分の名前を伝えてなかったことに気が付く。
「教えてなかったんだね。私は浅美丘成留。ナルでいいよ。」
* * *
そんなこんなでシャワーを浴びて戻ってきたルトは畳に座り、
「一度だけこの星に来たことがあると父上が言っていた。」
「そうなの?」
だとしたら、誰か知ってる人がいるのかな? まあいいや。
「ああ。一度といってもかなり長い期間いたそうだ。」
「へー。どうして?」
「まだ、ジオク族が宇宙を統一する前、戦乱で乱れているところに入ってしまい宇宙戦艦に吹き飛ばされて飛ばされた場所がここ(地球)だったそうだ。まさか俺も来るはめになるとは思ってもいなかったが。」
ルトのお父さんってすごい時代を生き抜いたんだ...。あっ、そうだ、部屋を案内しなきゃいけないな。
「ルトの部屋を案内するよ。」
「頼む。」
そう言って、ルトと一緒にナルの部屋の隣の部屋に案内した。
「ここだよ。この部屋はもともと友達が来たりしたときに貸してたんだけど、家がないのはかわいそうだから貸してあげる。」
ルトは丁寧にナルに礼をしてから、新しくできた自分の部屋を見渡した。その部屋は成留の部屋と全く同じだが、家具は一切なかった。
「ベットとか家具も買わなきゃね。」
私、バイトとかしてないからどうしよう。
「どうやってこの星では金を稼ぐのだ?」
バイトって...、まずまだ年齢を聞いてからにしなきゃ。
「えっとね、今何歳?」
私より二十センチくらい高いから十九歳とか二十歳くらいかな?
「十七歳だ。」
「あれ? 同い年なの? 大きいね。それはさておき、十七さいっだったら高校二年生だからバイトするしかないね。」
「バイト? なんだそれは?」
そっか、宇宙から来たからバイトとか知らないんだ。
これを機に一緒にバイトでもしてみようかな?
「えっとねー、んっとねー、実は私もバイトしたことないからわかんないや。もしよかったら一緒にバイト...する?」
「いいのか?」
「うん。私もいつかはしたいなーって思ってたからね。じゃあやろっか。」
バイトをしようと少しまじめに考え始めたその時、
「いろいろ考えてもらってて悪いんだが、その必要はない。俺はたいてい何でもできるって言ったろ?」
「え? どういうこと?」
「つまりだな、俺は金ですら作ることができるんだ。小さいころはよくそれで友達とゲーセン行ったしな。」
ナルは一瞬頭が混乱した。
「ちょっと、どういう意味か分かんないんだけど。」
ルトはちょっと困った顔をして、
「この星の金を俺に見せてくれ。」
そう言われたナルはすぐに十円玉を渡した。
「見てろよ?」
少しにやけた感じでそう言って、手のひらの端っこに十円玉を乗せた。
次の瞬間、十円玉は三枚に増えていた。
「えっ!? そんなこともできるの!? すごーい!」
ルトは少し嬉しそうにナルにお金を渡して、
「俺に金を稼ぐという面倒なことは必要ないのさ。」
「でもこれってホントに使えんの?」
「当然だ。どっか近所でガムでも買って来い。」
その後ルトはナルの体に触れた。次の瞬間、ナルがいたのはおそらく家から一番近いコンビニのトイレだった。
少し戸惑いながらトイレを出たら、トイレの前にはルトがいた。
「今のはどうやったの? ルトがやったんでしょ?」
「今のはナルと一緒に瞬間移動したのだが、さすがに俺が女子トイレの中にいるわけにはいかないから、俺は男子トイレ、ナルは女子トイレにワープさせたってわけ。」
少しナルも、ルトのペースがわかってきて理解が早くなった。
「そうだ、ガム買うんだった。」
レジのところに、さっきの十円とルトが作り出した十円でガムを買う。
「これお願いします。」
「あいーよっ。」
ピ、ピピ、ピピ...。
「ありがとぉーござぁーしたぁー」
ナルはてきとーな返事とともにすんなりガムが買えてしまったことに驚く。
ルトはといえば、ガムが買えた時は当然のごとく当たり前というような顔をしていたが、定員の態度に対して憤慨していた。
「なんなんだあの態度は! これがこの地球の定員の態度か!?」
ナルは何だか地球が嫌われてるような気がして、
「地球すべての定員があんな態度じゃないよ。ちゃんとまじめに働いてる人もいるからね。」
「す、すまん。」
「わかればいいよ。それより布団はどうするの? このまま家に帰ってもあまりの布団なんてないよ? 布団も作れるの?」
「いや。小型拳銃くらいの大きさの物くらいだったら作れるけど、それより大きなものは作ることができないんだ。」
ナルは意外だなという顔をしたが、少し考えてから、
「も、もし、もしよければ、わ...私の布団で...寝る?」
そう言った後すぐに二人は少し顔を赤らめたが、
「そ、それでよければ、そうしたい。」
続く
この小説を読んでくださった皆様、お忙しい中まことに感謝申し上げます。
どうでしたか? 自分の中にある続きのストックを読んでみると、これからのほうが面白いと思います。
皆様からの評価次第で、この小説に対するモチべがだいぶ違うので良かれ悪かれ評価をお願いします。
ぜひ次回もよろしくお願いします。