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青の証明  作者: 岩尾葵
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良く晴れた日

 それからずいぶんと長い間、走り続けていた。私は人気のない川の堤防付近で力尽きて立ち止まり、そのまま倒れて寝転んだ。

雲の切れ間から太陽が覗き、辺りを明るく照らし出す。裾が泥にまみれ、生地が湿っているワンピースに、世界に満ちた光が燦々と降り注ぐ。

「あは、ハハハハ……」

 私はわけも分からず駆り立てられるようにして声をあげて笑った。日輪の日差しが網膜に焼き付いて眩しい。青い空、白い雲、煌く水面。典型的な晴れの日だった。

「今日もいい天気ね」

空を見ながら一人、ぽつりと呟く。言いようのない目覚めの心地よさが頭の片隅で開花する。何もかもが嫌になって投げ出し、空っぽになったような虚無感と倦怠感、清々しさ。形容しがたい温かさ、身に詰まされる真っ青な空。雨に濡れた後がうかがえる、病院、民家、大きなビルの雫。何もかもが予定調和的に計算されつくした世界が広がっている。

暫くすると腹部に何かが押し込まれるような、鋭い痛みが走った。内出血でもおこしているのではないかと思われるように、きりきりと私の身を焼いていくすっぱい痛みを訴える場所を、思わず手で覆う。それでもその、虫が這いまわるような感覚は治まらず、脇腹辺りを食いつぶしていく何かは時間が経つごとに痛みを増長し続ける。そして痛みが激しくなればなるほど、以前あったことが事実であることを認めざるを得なくなる。

ああ、あれは夢ではなかったのだな、と。

 

夏には猛暑に見舞われる内陸の土地だった。私は地元から遠く離れた高校に通うべく、ビルの多い地方都市に下宿していた。

夏休みの終わりの日曜。雲ひとつ無い、よく晴れた日だった。

私は勉強の合間を縫って、近場のアーケード街まで買い物に出かけた。冷蔵庫の中身が切れかけていた。

都会の人はよく自転車を利用すると聞いてはいたが、置き場に困るし、学校と下宿は目と鼻の先だったので、私は自転車を持っていなかった。そのため例に漏れず、買い物も歩いていける場所に限っていた。

徒歩五分程度の短い距離。にもかかわらず、夏の太陽は容赦なく私の体力を奪っていく。ポケットに入っているハンカチを取り出し、汗を拭う。

財布以外には何も入っていない鞄を提げて、私は見慣れたアーケード街をただ、「暑いな」と思いながら歩いていた。暫く行くと、右手の道をまっすぐ行った先に、壁のすすけたスーパーマーケットが見えた。看板の文字が一部かすれて見えないそのスーパーの品揃えはあまり良くなかったが、徒歩でいける距離にある店では一番近いので、私はよく利用していた。

少し足を伸ばせばもっと高級で品揃えのよいスーパーはいくらでもあった。しかし、冷蔵庫の中身をそろえるだけだったし、値段に関しては破格の安さなので、古いスーパーの方が手軽だった。学生である以上は、親からの仕送りを切り詰めなければならない。必要最低限のものを買えればいいと思い、そこに入った。

店内で冷凍食品を主として買い物を済ませ、ビニール袋に買った物を詰めて帰路についた。

自動ドアを出た瞬間に、アスファルトから蒸した熱気が顔全面に襲ってきた。またこの暑さの中に戻るのかと思ったが、それも五分の辛抱だと自分に言い聞かせた。

割りと買い込んだつもりではあったが、陽はまだ南中したばかりで、休日の買い物客が道にちらほら見えていた。買い物をすませるのは大体週末になってからなので、こういった光景にはよく遭遇した。私はそれらを目の端において、重たい買い物袋を片手にスーパーを後にした。

そこからほんの数十メートル行ったところだった。

アーケード街の入り口で動く、黒い影を見つけた。長袖長ズボンの黒服に身を包み、サングラスとマスクで顔を隠した身長の高い人物だった。この暑いのに珍しい格好をしている人もいるものだな、と、それだけ思ってその人物の付近を通り過ぎた。暑さで何も考える気になれなかった。

だが次の瞬間、私は腹に痛みを覚えて舗装された道に倒れこんだ。

遅れて鋭い痛みが全身を駆けた。腹部から内臓に至るまでのわずか数センチの道筋を、ブラシでこすってかき回すように、何かが執拗に舐め上げる。押し込むと言う威圧と、外気に触れた部分から腐食していくような切迫感。皮の一枚、下を切られたようだった。頭の中に巡る、電流、火炎。じわじわと広がる、傷口。

私は腹部から奇妙に赤黒い血を撒き散らしながら、表通りに逃げていく犯人に、力のなく手を伸ばした。届かなかった。追いかけることもできず、その場は意識を失った。

 目が覚めると、固いベッドの上にいた。痛みを感じた箇所を確認しようと下を向くと、がっちりと包帯を巻かれていた。身動きもほとんど取れないような状態で、暫く寝ていたらしかった。起き上がろうとしたが全身がだるく、力が入らなかった。私は面倒になって、もう一度瞼を閉じた。

次に目覚めたのは夜だった。昼には見えなかった白い蛍光灯の光が、私を眠りの淵から呼び戻した。私はやはり起き上がろうと思ったが、今度は腹が痛みを訴えたので寝たきりのまましばらく天井を見上げて呆然としていた。それ以外に何も出来なかった。

暫くして点滴を換えに来た看護婦さんに事情を聞いた。何でも私は、帰り道、何者かに腹をナイフで刺されたらしい。周囲に人がいてすぐに救急車で運ばれたので、致命傷を負いながらも何とか一命を取り留めることができた。しかし当然のことながら傷は深く、身元も分からないままに手術を施さねばならなかった。だから本人が目覚めたら、伝えられるだけの情報を聞き出してくれと、彼女は医者に頼まれたのだそうだ。

気分が悪いかもしれないけど、と彼女は前置きをして尋ねた。

「お家は?」

 家。この場合は、下宿の方でいいのだろうか。

「この近くです。帰っても、一人ですが」

「そうじゃなくって、ご両親」

「ああ」

 実家の方だったか。私はとりあえず電話番号を告げて、両親に連絡をとってもらうことにした。ほどなくして、看護婦さんが医者のところに行って、戻ってきた。どうやら身元の確認は済んだようだった。

「少し大変かもしれないけど、そのうち警察も来るから、いろいろ答えてあげてね」

「ケー……サツ?」

「事情聴取よ。犯人の手がかりになることはないか、聞きたいらしいの」

 よく分からなかったが、これは事件になるな、と思った。できる限り時間はとりたくなかった。しかし自分を刺した犯人がまた事件を起こす恐れがあると思うと、入院中の情報提供くらい何の問題もありはしないだろうと考え直した。

 私は警察が来るまでの間、何も考えずにテレビを見続けていた。ブラウン管の向こうではめまぐるしく話題が入れ替わっていた。ただ、番組自体はどれもほとんど変わらない情報を取り扱っているばかりで、昨今の石油・食糧価格の高騰問題、政治問題、汚職事件、そして私が被害にあった傷害事件のことばかりが、時々天気予報を交えて伝えられていた。

 傷害事件に関してはやはりどこの局も「詳しくは調査中」という内容にとどまった。それもそのはずで、実際に被害にあった私はつい先程まで眠っていたのだし、混乱で身元の確認もままならない状態だったのだ。もともと、私がこの土地の人間ではないのだから尚更だろう。

 しかし、各報道機関は皆一様に「連続通り魔事件との関係を調べている」と言っていた。

そういえば、最近勉強に忙しくてめっきりテレビを見る暇がなくなっていたことに気づく。石油や食糧価格の高騰問題や諸々は、学校の友人や先生が言っていたから知っていたものの、傷害事件などは話題に上ってこない。知らない間に、連続通り魔が横行しているらしい。

 次の日の昼前に、早速警察はやってきた。私はとにかく知っていることを洗いざらい告白した。しかし告白したと言っても、私の知っている事は、犯人が全身黒尽くめで、サングラスとマスクをしているということだけだった。だがそれだけ聞くと、警察の人はすぐに納得して帰っていった。長袖の黒服、サングラス、マスクという三つのキーワードが、連続通り魔との関連性を示したのだろう。模倣犯という可能性もありうる。いずれにしても、真夏にそんな目立つ服装で堂々と人を刺して去っていくなんて、自信家でもなければそうそうできることではない。犯人は警察を試そうとしている。第一、その人物はどうやって被害者以外に姿を見られることがなかったのか。

 私はそんな自分には解決しようのないようなことを考えてはいたが、やはりベッドに横になって寝ているか、テレビを見ているしかなかった。

 テレビでは昨日と同じように凄まじい早さでトピックが入れ替わっていた。しかし前日のニュースと違うところがあるとすれば、今日、警察が私のところに来てからマスコミに公表したと思われる情報、「連続通り魔犯の犯行である可能性が高い」ということくらいだった。そして必ず最後は「再発防止に努める」「警察は犯人の手がかりを捜している」などという一節で締めくくられた。

 医者に安静にしていろと言われたので、私は昼寝をするか、午前午後に関係なくとにかくテレビを見て時間を潰した。一日一日には変化がないと思っていたニュースでも、四日もすると新しい話題が出てきて、キャスターがその度に渋い顔をした。

 連続通り魔事件に関しては、その後、進展がなかったのか暫くすると話題に上らなくなってしまった。数日間のテレビの情報で、私の他にも二人ほど被害にあっていたことがわかった。しかし被害者の共通点は女性というだけで、年齢も住んでいる場所も全く違っていた。犯行の対象は全く無差別だった。警察の捜査が難航していることが、マスコミの干渉の有無からありありと伺えた。

ある日の午後、呆然とテレビを見ていると、画面が天気予報に切り替わった。そろそろ暑さも控えめになって、秋の始まりが近いらしい。

私はそれを見て、入院してからかなりの時間が経っていることを知った。思えばもう夏休みも終わり、二学期が始まっていた。そして一日一日をベッドの上で過ごすうちに、全く時間の感覚が抜け落ちたことを思って愕然とした。テレビを見ていても日付が実感を伴わないことを思い、どうして今まで気がつかなかったのかを不思議に思った。私はどうしようもない焦りを感じた。

その日、看護婦さんに、まだ退院できないのかと尋ねた。これ以上病院にいてはいけないような気がした。

「先生が判断しないと、なんとも言えないかなあ」

看護婦さんはそう告げただけだった。確かにそのとおりではあった。

「でも、もうお腹に痛みはありません。学校も始まりましたし……」

 私は腹の辺りをさすりながら言った。本当は、良くなるどころか意識すると痛むようになっていた。最初のうちに残っていた麻酔が完全に消え去ったのかもしれない。

「傷が開いちゃうと大変だから。今はしっかり休んだ方がいいよ」

看護婦さんはやさしく微笑んで点滴を換えた。やはりまだ、点滴でしか栄養を取れないのだな、と自分の傷の深さを改めて感じた。私は引き下がるより他なかった。

その後も、私は懲りずに昼寝をしたり、テレビを見続けたりを繰り返していた。テレビは私が起きてから寝るときまで、点けっ放しだった。私は一局のニュースが終わるとまた別のチャンネルを変えて、一日中ニュースを見ていた。なんだかニュースを見ている間は痛みを忘れられるような気がした。

秋口になり、少しだけなら体を動かせるようになった。

ある朝、いつものようにテレビを見ていた私は、ふとその下に茶色の手提げ袋があることに気づいた。意識して、少し腹の傷が痛んだが、袋が気になったので我慢した。ベッドから手を伸ばし、取手を掴んで引き寄せ、掛け布団の上に置く。中を見ると、着ないからと言って実家においてきたはずの、フリルのついた青いワンピースが入っていた。

なぜこんなところにこんなものがあるのか、不審に思ったが、すぐに察しがついた。昼寝をしている間に遠方からはるばるやってきた両親が、これを届けてくれたのではないかと思った。さらに中を漁ってみると、少し丈の短いジーンズと、洗濯のためにサイズの縮んだ白いTシャツが入っていた。そしてその脇には中学のときに買って、数曲入れただけのウォークマンと余り物のイヤホン。これも、確か必要ないからと、実家に置いてきたものだった。

私はウォークマンを取り出してイヤホンを付けた。イヤホンを耳に入れ、適当なところで曲を選んだ。流れてきたのはサザンオールスターズの『TSUNAMI』だった。ずいぶんと古い曲が入っているものだと、過去の自分の趣味に驚いたが、久々に聞いてみるとこれがなかなか心に響く曲だった。私はニュースを見ているときと同じように、我を忘れてその曲を何度も聞き続けた。

イヤホンの圧迫で耳が痛くなった頃に、テレビをつけた。珍しく、テレビにはニュースより先に別の番組が映し出された。まず目に入ったのは大河の流れる森だった。次に両手足のみが青く、体の赤い蛙が大きく画面に張り付いた。その鮮紅色に、私は何か心ひきつけられるものを見て、思わずチャンネルを回す手を止めた。

番組は中米の蛙を特集したものだった。その赤い蛙は、小さく、縄張り意識の強い自己主張タイプ。鳴き声高らかに自分の居場所を周囲に知らしめている。蛙にも自分の場所を主張するものがいるのかと思うと、そういう奴はやはり有毒だった。自然界ではそんな目立つ奴は、よほど強いか、毒を持っているかのいずれかである。人間だって同じようなものだ。そして赤のほかにも黄色や緑、黒に変色する、と説明したところで、別の蛙に映像が映った。

私はその赤い蛙を、まるで何かにとりつかれたように呆然と眺めていた。ニュース以外のものを見ているというのに、不思議と全く腹に痛みを感じなかった。そして気がつくと赤い蛙は見る影もなく画面から消えて、代わりにニュースが映し出されていた。チャンネルを回した感覚があったわけでも、番組がつまらないと思ったからでもなかった。いつの間にかチャンネルは変わっていた。

私は底知れない不気味さを感じた。それと同時に、腹の痛みがじくじくと内面を蝕んでいくのが分かった。私は漠然と、何の根拠もなしに、このままではいけない、と思った。頭から来る感覚、何かに追いかけられているような感覚が、私に自分でもよくわからない行動を促した。

私は血管を傷つけてしまわないよう丁寧に、点滴の針を引き抜いた。幾分体が楽になったような気がして、そのままベッドから上半身を起こす。掛け布団の上に置いた茶色のバッグから、絶対着ないだろうと思っていた、青いワンピースを取り出す。ごそごそと着替え始める。

胸には、誰にも見つかってはならないという気恥ずかしさと焦りが巣食っていた。私は腹を押さえながら手早く袖に腕を通し、スカートの裾を叩く。そして少し躊躇った後に、ベッドから足をそっと下ろして、床につけた。

久々の感覚だった。全身に喜びの血が流れ、膝には重力に逆らって直立するという力が巡っていた。ベッドの中でどんなに抱えても冷たかったはずの足の裏が、今は大地をも駆け回れるとでもいいたげに、力強く地面に吸い付いていた。私は自分が自分で信じられなくなった。しかし今までのことを踏まえれば十分にありえる結果だということにも気づいた。

小脇に茶色のバッグを抱えて、部屋のドアをスライドした。そしてまるで通行人のように当然の顔をして、病院内を歩いた。看護婦さんに見つかることを恐れたが、髪を整え服装を変えたせいか、気づかれるどころか気にもされなかった。壊れた電灯に止まった白い蛾だけが、廊下を黙々と歩く私を見下ろしていた。

病院の外に出るや否や、私は激しい立ちくらみに見舞われた。しかしここで足を止めては何の意味もないと、国道に面した道をとぼとぼ歩いていった。その間はまるで白昼夢を見ているかのように、視界がぼやけて何の光景も残っていない。

気がつけば横断歩道の前にいて、今にも雨が降り出しそうな空が、私に重くのしかかっていた。それから何度も、前に進み続けたらしく、もう一度、はっと我に返ったときは、冷たい風が鎌居達のように身を裂き、鉛を抱えているかのように足が重かった。

 

私は苦痛に身を翻し、バクバク鳴る心臓の音を聞いて、一つ痙攣した。

雨が降り終わって湿った堤防のコンクリートが視界の端を掠めた。地面をのた打ち回る自分の手足が、まるで他人のもののようにぶらぶらと岩肌に打ち付けられた。打撲した箇所は少しあざになって、切れた箇所に若干血が滴った。一暴れして、疲労で体が動かなくなった。

このまま、自分がどうなるのか、私自身、よくわからなかった。

私は病院を抜けて出してから一度も誰かと話したことがなかった。一度も食事を口にしたことがなかった。誰かに頼って生きるということが嫌いだった。今まで親に頼りっきりであっただけに、自分が与えられる立場に着くことが許せなかった。

だが現に私は生きている。食べ物を口にしないでもう何日経ったのかわからないのに、死なないで歩き続けている。

私以外の何者かが、私の体を使っているとしか考えられなかった。

いつの間にか、着ていたはずの青いワンピースは、色も形も変わっていた。黄色いワンピースなんて、私は持っていない。

そして肌身離さず持っていたはずの茶色いバッグは、気がつくとなくなっていた。最初は大切にしていたものがなくなって腹を立てたが、最終的に私はそれを受け入れるしかなかった。

「結局……」

 くたくたになった体に、まだ喋る力があるのに感心しながら、無意識のうちに私は口を開いていた。

「痛みからは逃れられなかった……」

 夢を見ているような感覚のときだけ、痛みを忘れられた。

 しかし現実を見れば痛みは増すばかりで、だんだん自分が自分ではなくなっていくような感覚さえしていた。

きっと痛みが消えることを望まなければこんな状態にはならなかったはずだった。時間を短縮するどころか、余計ややこしいことになってしまった。

それならば、いっそ自分を取り戻せばいいと思ったから、私はあの時、病院を出たのではないだろうかと思う。

黒でもなく、白でもない。まして赤であるはずもなく、緑でも黄色でもない、青色。青のワンピースを着た自分を、取り戻すために。

雨の日の記憶がなくなってから、もう久しい。きっと、痛みの消えた自分とは、もう会えない。痛みがなくなった私は、晴れの日を知らないから、たぶん私に気づかない。

だけどもし、「黄色い私」に「青い私」を思い出させるようなきっかけがあれば――

私はそんなことを考えながら起き上がった。

何にしても、ここで倒れているだけでは何も始まらない。

私が苦痛に耐え、過去の記憶を引きずり、どこともわからない場所を徘徊してでも、生き続けるのは何のためなのか。

思い出せば自然と足は動き出す。

私は晴れ渡った空を見上げ、当ても目的地もない旅路をゆっくりと踏みしめた。

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