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支援学級

 4話に支援学級の事を書きましたが、「支援学級ってどんなの?」と思った方がいらっしゃるかもしれません。今回は前回の補足のような内容です。


 まず、支援学級は正式には「特別支援学級」という名前で、学校によって養護学級、育成学級、心障学級、障害児学級、実務学級、学習室、総合学級、個別支援学級、なかよし学級、あすなろ学級、すみれ学級など、さまざまな呼び方があります。

 しかし、「特別支援学校」(養護学校は昔の呼び名)とは違う物です。特別支援学級は「学校のクラスの一部」ですが、特別支援学校は「学校が丸ごと支援学級」といった感じです。

 視覚障害の方が通う(もう)学校、聴覚障害の方が通う(ろう)学校も特別支援学校の1つです。


 支援学級はだけ1つではなく、何と種類が7つもあります。

 ①弱視(じゃくし)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ②難聴(なんちょう)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ③肢体(したい)不自由(ふじゆう)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ④病弱(びょうじゃく)身体(しんたい)虚弱(きょじゃく)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ⑤言語(げんご)障害(しょうがい)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ⑥知的(ちてき)障害(しょうがい)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 ⑦自閉症(じへいしょう)情緒(じょうちょ)障害(しょうがい)特別(とくべつ)支援(しえん)学級(がっきゅう)

 です。

「難しそう……」と思った方もいらっしゃると思います。1つずつ説明しますね。


 ①弱視特別支援学級

 メガネなどを使って測る矯正視力でも視力が出ない場合、通常の授業で使用する教科書の文字の大きさでは学習が難しいので、弱視特別支援学級を選ぶこともできますが、「視力○○以下が支援学級に在籍しなくてはならない」という基準はありません。

 矯正視力は1.0以上あるけれど、文字を使用することが難しい知的障害を併せ持つ子が在籍していることもあります。

 さらに、普通の文字に加えて点字で学習することもでき、使う教科書も、一般の教科書・拡大教科書・点字教科書などがあります。


 ②難聴特別支援学級

 日常生活における音や話し言葉が聞こえにくい障害を持つ子が在籍しています。

 ここも在籍するための基準はありません。

 通常学級の授業では聞き取りができず学習が難しいと思われる場合は、特別支援学級を選べます。

 ここでは、聴覚を活用したカリキュラムが組まれています。

 発音や音の聞き分けなどを学び、通常の学習はもちろん、コミュニケーション力の向上を図ることもできます。


 ③肢体不自由特別支援学級

 事故や怪我けが、脳性麻痺(まひ)や筋ジストロフィーなどで体が不自由であり、歩行や通常級での学習が困難な子は、肢体不自由特別支援級に在籍することもできます。

 ここでは、その子の障害に合わせた運動をしたり、筆記する際に必要な動きを学んだりします。

 障害の程度に応じて、パソコンや情報機器を使って授業をすることもできます。


 ④病弱・身体虚弱特別支援学級

 入院を繰り返したり、継続的な通院が必要な子は病弱・身体虚弱特別支援学級に在籍する選択もできます。

 通常の小・中学校にある支援学級だけでなく、病院にある支援学級もあり、入院中は病院の支援学級(院内学級。後述)を利用することもできます。

 病弱で、入院を繰り返したり、継続的な通院が必要な児童は病弱・身体虚弱特別支援学級に在籍する選択もできます。


 ⑤言語障害特別支援学級

 話し言葉によるコミュニケーションが取りづらかったり、発音が不明瞭な子が在籍しています。

 1人1人に合わせた指導で発音や会話を学びますが、本人が「楽しい」と思って学習することが大事ですので、楽しい雰囲気作りも重要になります。

 遊びや話すこと(特に本人が興味を持っていることについての)を通じて「言語」を学んでいきます。


 ⑥知的障害特別支援学級

 理解力・判断力・記憶力などに遅れがあり、通常級での学習が難しいと思われる子は、知的障害特別支援学級を選択することもできます。

 少人数制のクラスで、生活習慣や日常生活で必要な言語や生活技能などを学んでいきます。

 特別支援学級の中では、最も在籍者数が多く、支援学級利用者の約半数がここに在籍しています。


 ⑦自閉症・情緒障害特別支援学級

 発達障害・自閉症スペクトラム・場面緘黙(かんもく)症などの障害をもつ子は自閉症・情緒障害特別支援学級を選択することもできます。情緒障害とは、感情の起伏が激しい、情緒の表し方が偏っているなどの症状が、本人の意志で抑制できない状態であり、コミュニケーションがとりづらい障害です。

 特別支援学級では、通常級では学びにくい子が、楽しい雰囲気の中で対人関係の形成や日常生活においてのルールなどを学んでいきます。


 おまけ 院内学級

 院内学級を利用する子は、退院後は在籍する小・中学校に戻って授業を受けます。つまり、院内学級はその児童が在籍している学校との連携も行うということです。

 ちなみに教育計画は、個人の状況に応じて作られます。


 特別支援学級はずっと教室にいるのではなく、「通常級との交流」を行なっているところが多いです。

 特に、言語障害特別支援学級の子は、通常級の子たちとの交流で会話する力やコミュニケーション力を向上させることがとても大事です。

 言語障害特別支援学級だけでなく、7つの支援学級のほとんどが通常級との交流を行なっています。


 参考文献

 6~11行目

(https://ja.m.wikipedia.org/wiki/特別支援学級)

 17行目~最後まで

(https://kosodate-march.jp/tokubetsusiengakkyu69451/)

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