ランク戦、開幕
昼食を食べ終えて時計を見ると、二時半を回っていた。
「食べ終わったっぽいし……、じゃあ行くぅ?」
紗榎が3人に聞くと、3人全員が頷く。
そして4人は点検してもらっていた武器を取りに行ってから、個人順位戦ーー通称ランク戦が行われる会場のホールに向かった。ランク戦は、自由に見ることが出来るので、もう会場には多くの観客がいた。
「っし! 二週間ぶりのランク戦だし、燃えてきたっ!」
「いつもランク戦は二週間ぶりじゃん」
燈は拳を握りしめて叫んだ光輝をからかいながらも、彼女自身も早く戦いたいのか、うずうずしている様子だ。そんな2人に利乃が笑みを浮かべた。
「いつも通りやれば、別に良いと思いますです。そこまで戦力差は無い相手ですし。利乃の相手はこの紗榎さんですよ? 勝てるビジョンが見えないです……」
でも、と利乃は続け、
「負けに行くつもりは、毛頭無いですよ」
そう言って、挑戦的な笑みを浮かべる。
それを聞いた紗榎もにぃ、と不敵な笑みをこぼす。
その時、ホールに3時を知らせる鐘が鳴り響いた。
「では、時間になりましたのでランク戦を始めたいと思います!」
司会者がマイクを使い、ホール内にアナウンスを始めた。
「今日のランク戦は合わせて3戦です。一戦目は、6位の都我燈さん対5位の島田和也さん。二戦目は、7位の早川双決くん対4位の高住光輝くん。最終戦は、2位の飯沼利乃さん対1位の神居紗榎さんです! では、一戦目を始めたいと思いますっ!」
わぁっ! と会場が一瞬にして盛り上がった。