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ランク戦

「なんででしょう……。紗榎さんに可愛いと言われて少しうれしい自分がいます!」

 燈が唇を噛みながら言う。

「良かったな燈」「良かったですね先輩」

 光輝と利乃がとびきりの笑顔で笑いかける。

「二人共うるさいっ!」

「ほほぅ……。それはそれは良かった! じゃあ、これからも言うことにしようかなぁ?」

「け、結構ですっ!」

 う、嬉しいですけどっ、とニヤニヤと笑う紗榎に、燈は小声で付け足す。その時、ちょうど利乃のお腹の虫がきゅるる~、と音を立てた。

「まあ、早くご飯食べようぜ。冷めちゃうぞ」

 光輝が座りながら言うと、利乃と燈も頷いて座る。

 ずるるっ、と麺を啜りながら利乃が紗榎に話しかける。

「今日の午後は何かすることありましたです?」

「ん~? 今日は訓練だけじゃないかなぁ?」

 ぱくっ、と利乃の皿の上にあった唐揚げを手で摘まみ、口に運びながら言う。

「そうなんですか、ありがとうございますです。……って、勝手に食べないでくださいですっ!」

 いいじゃん1つくらいさぁ、と言いながら次は魚のフライを口に運ぶ。

 ああっ! 、と利乃が言うのを無視して紗榎は燈に聞く。

「今日の訓練は確か個人順位戦なんだよねぇ。相手は誰か知ってる?」

 個人順位戦。通称、ランク戦は各拠点内の実力を把握するために行われる、戦闘員同士の戦いである。だいたい月に2回、ホテル内にある広いホールで行われ、それによってホテル内の順位が入れ替わることもある。

 ちなみに現在の4人のホテル内の順位は、燈が6位。光輝が4位で、利乃が2位。そして最強の戦士、紗榎が2位の利乃を大きく突き放して1位である。

「えっ?! 今日、ランク戦なんですかっ?」

「うん。3時からだよ」

 燈の驚いた声に、紗榎が頷く。

「知ってはいましたです。けど、誰が相手かまでは知らないです」

 利乃が口に入っている野菜炒めを呑み込んでから答える。それを聞いてから、思い出しながらなのか、ゆっくりと紗榎が言い始める。

「燈ちゃんの相手は、5位のシマカズこと、島田和也さん。最近少し調子が良いらしいよ。光輝君の相手は7位の早川はやかわ双決そうき君。今、調子が乗っていなくて順位は落ちてるけど光輝君と同じくらいの実力の持ち主だねぇ。そして、利乃ちゃんは不動の1位、私との勝負だよ」

 最後は、利乃に向かって思いっきり笑いかける。利乃はそれを見て、残っていた大きな魚のフライにかぶりついた。

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