第1話――今日から始まる私の仕事――
初投稿です。楽しんでいただければ幸いです。
「ここが私の今日から担当する仕事場かぁ~」
そう言って綺麗な金色の髪を揺らし入って来た幼い少女はこれからたくさんの迷える魂を異世界に導く神、セレネだ。
「よろしくお願いします!!って言っても誰も居ないよね…」
そう、まずセレネにとってこの仕事の大変なところは秘書の役割の人は自分で見つけないといけないことだ。普通は事前に秘書を欲しいと異世界管理委員会に書類を提出しなければいけないものをあろうことかこの女神様、提出する期日に寝坊をしてしまったというのだ。
「まあ、仕事は最初はそんなに多く無いようだし~大丈夫だよね…」
目の前の約50㎝の紙の束を目にしながらそう呟いた。
ちなみに、異世界に旅立つ人の経歴や死亡原因、行ってみたい異世界の情報が全てこの中に書いてある。
「まあ、とりあえず考えていても仕方ない。やれることからやっていこう!!ファイト私、頑張れ私」
そう言ってセレネは朝まで書類整理をしてそのまま眠りについた。
翌朝
「ぎゃあああああああ!!!!」
小さな仕事場にドラゴンの咆哮のような叫び声が響いた。
「まだやらなきゃいけない仕事がたくさんあるのに寝ちゃった。どうしよう、どうしようこのままじゃ神様失格だ。私。いや…今からでも遅くない今日中に提出のものはまだ間に合う!!うおおおおおおおおお!!!」
こうして、そんなヘッポコ女神様の異世界案内生活は幕を切った!!