↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
67/301

六十七話 ヘッポコ冒険者さまご一行

 お米がやたら白かった。

 シノに見てもらった。

 なんとお米はもち米だった。



 俺たちは地上の様子を見るために空へと飛び立った。

 相変わらず空を飛ぶときは俺がラビと一緒に飛び、飛竜の姿のツバーシャがシノと飛ぶ。


 最初は仲が悪かったのになあ。

 

「ご主人さま見てください! 陸が見えるのです!」


「おお。とうとう着いたか!」


 二ヶ月前に海に出て以来ずっと海だっもんなあ。

 流石にこんなに長い間陸に着かないとは思わなんだ。


 嬉しいな。

 何でだろう?

 生活は城なしのみで安定しているし、陸がなくとも空は飛べる。

 だから、陸なんて無くても良いハズなんだが。


「陸が見えてくると嬉しくなるな」


「ご主人さま。早く降りて見たいのです!」


「そうだね。まずは海岸からかな」


 塩が切れそうだから海水がほしい。

 たまに補充しないと城なしの海が干上がってしまう。


 そんなわけで海岸めざして高度を下げた。


「あっ、お船が見えるのです!」


「んー。港は無いけど船がとまってるな」


 風を受けて進む船か。

 帆船(帆船)だっけ。

 そこそこ大きいな。

 貿易用の商船か?


「しかし、ぼろっちくて汚いな。古いのかな」


「ご主人さま。あの船にはおっきな穴が空いているのです!」


「なるほど難破船か」


 ふむ。

 商船の難破船とは冒険心をくすぐられるな。


 商船=お宝

 難破船=俺のモノ


「お宝俺のモノ!?」


「ふえええ? ご主人さま。突然何を言い出すのです?」


「いやすまん。荒ぶった」


 そりゃあ、金銀財宝には興味ないよ?

 そんなもんより、まだ持ってない作物のが嬉しい。

 でも、お宝だよ?

 心惹かれるモノがある。

 多分これを人はロマンと言うのだろう。


 ふふふ。

 一度はやってみたいよなあ宝探し。

 作り物じゃなくて本物だし、絶対楽しいって。

 しかも、異世界だ。

 お宝もスッゲーぶっ飛んだモノありそう。

 伝説のとか頭につくヤツとかね。


「ご主人さま!? 落ちるのです!」


「んあ!? 危なっ!」


 妄想が捗って落ちるところだったぜ。

 いかんな。

 早く降りよう。


 何て気分がハイになっていたので、手信号を送るの忘れて着地したので怒られた。


「いつのまにか空から居なくなるから探したじゃない……」


「すまん。胸の奥から沸き上がる興奮を抑えきれんかった」


「ふーむ。難破船とな」


「ご主人さまは宝探しがしたいのです。そんなご主人さまを見ていたらラビもわくわくしてきたのです!」


 おおっ。

 分かってくれるかラビよ。


 それでは早速乗り込もう。

 しかし、困った。

 甲板ははるか頭上じゃあないか。

 直接甲板に降りれば良かった。

 穴は海側だから回り込めないしなあ。


「んー。面倒だけど飛び立てる場所を探そうかなあ」


「私なら、ここからでも飛び立てるわよ……」


「ツバーシャちゃんが飛竜になってお船に着地したしたら壊れちゃうのです!」


「ここは、わぁの出番かのう。駆け上がって来るのじゃ」


 言うが早い、シノはネコの姿になると船の横っ腹を駆け上がり、ロープを上から垂らしてきた。


 これは凄いな。

 忍者とネコの愛称良すぎだろう。

 シノは忍者時代大層活躍してただろうな。


「さあ、登ろうか。二人とも自力で登れるかい?」


「問題ないわ……」


「……」


 ん?

 ラビの返事がないぞ?

 船とは反対側の方をずっと見つめてる。


「ラビ?」


「ひゃい!? あっ、ラビは芋ヨウカンが良いのです!」


「いや、おやつの話はしてないよ!?」


 どうしたんだろうか?

 ラビが見ていた方を見てもなにもないし。


「ラビ、何かあったのかい?」


「誰か居たような気がしたのです。でも、誰も居ないのです」


「風の音かも知れないわよ……?」


 何だか気になるが、注意深く辺りを探っても、やはり何もなかった。


 シノを待たせたら悪いな。

 多分気のせいだろう。

 早く甲板に向かうとしようか。


 ツバーシャ、ラビ、俺の順番で上った。

 ラビなら、ドジして落ちてくるかも知れないし。

 そしたら、捨て身で庇うつもりだったが、何事もなく上りきった。


 しかし、甲板も痛みがひどいな。

 ううん。

 ヌルヌルしてるし、ぼろぼろだから怖いな。

 甲板に直接降り無くて良かったわ。

 転んでベチャってなったら悲しくなる。


「はわわわわ。滑るのです!」


「ああー……。ラビが転んでベチャってなったのじゃ」


「どろどろね……」


 まさか、そんな事を考えたそばから転ぶなんておドジさん過ぎる。


「ほら、拭いてあげよう……。うん……。怪我は無さそうだな」


「ご主人さま。ありがとうなのです!」


「少し、ゆっくり進むかのう」


「手を繋げばいいのよ。ほらっ……」


 なんと!

 ツバーシャがラビに手を貸す気配りをしている!?

 良い傾向だな。

 この調子でどんどん仲良くなってほしい。

 見ていて微笑ましいしわ。


 ちょっぴり緊張感が足りないヘッポコ冒険者さまご一行って感じだがらしくていいか。


 よし、それじゃあ、張り切って難破船を冒険してみようかね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。