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二十六話 穏やかな休日の過ごし方

 サルナシ植えた。

 シノがどえらいことになった。

 あと、ゴエモン風呂した。



 翌朝。


 早速ゴエモン風呂の残り湯を作物に撒いてみようと思ったのだが、ゴエモン風呂に異変があった。


 なんだ?

 土台が無くなってる。

 城なしが食べたのかな。

 しっかりしたモノに城なしが作り替えていてくれてたりしないかなあ?

 なんて期待してたりしたのだけど。


「主さま! 栗林中にこんなものがあったのじゃ!」


「うん? シノ、何をしに栗林に入ったんだい?」


「そっ、それはそのじゃな……」


「冗談だよ。サルナシは言ってくれれば出すからね」


 いかんいかん。

 こう言う時は責めたらいかん。

 隠し事するようになったら困る。


「それで、何があったんだい?」


「それが良く分からないのじゃ。だから主さまに見てもらおうと思ってのう」


「どれどれ……。これは──」


 シノの突き出す両手には、まるで城なしを小さくしたような形の石像がのっていた。


 城なしのミニチュアか?

 あっ、風呂の土台食ったのはこれ作りたかったからか。

 良くできているな。

 海、栗林、マイホーム……。

 トイレまで細かく作られているのか。


 が、一点違うところがある。


 このミニチュアには城があるのだ。

 城なしは城を作りたいのか?

 しかし、なんだってまた栗林何かにこんなものを?


「もしかしたら、城なしは城を作りたいんだけど遠慮して城を作ることが出来ないのか?」


「城? この中央にある建物の事かのう?」


「ん? ああ。日出国とは違った見た目の城もあるんだよ」


 西洋の城とは言えないよな。

 この世界に大西洋あるか知らんもん。

 しかし、これだけの城となると大量の石がいるな。

 水源の上に城を作りたいのか。


「輸送量が問題だなあ。今の俺たちじゃ、こんな城を作れるほどの石を運べないよ」


「もっと輸送手段があればいいんじゃがのう」


「まあ、ないものねだりしても仕方ないさ。でも、城なしには世話になっているから、できる限り協力してあげよう」


 城だけじゃなくて、城なしが成長して大きくなること前提にこの石像作られているんだよなあ。

 尚のこと石がたくさん必要になるのか。


 ともあれ、今は海上を移動中だ。

 石は陸に出るまで待ってもらおう。


「城なしの石像は元に戻しておいてあげてね。それが終わったら、作物にお水をあげよう」


「分かったのじゃ。ついでにラビにも声をかけてくるのじゃ」


「あっ、ラビには俺が声を掛けるからいいよ」


 お手伝いしてもらうのに呼びつけてやらせるのはよろしくない。


 お願いする形が良い。

 俺から出向くのが良い。


 そんなわけでマイホームに戻った。


 ラビはうつ伏せになって足をパタパタさせながら本を読んでいた。


 食料が尽きて飢えてた時に渡したアイテムボックス【防具 布】のカタログだ。


「ラビは、そのカタログを見るのが好きだな」


「あっ。ご主人さま。これはですね。ラビの宝物なのです! 見ているだけでしあわせになれるのです」


「そうかそうか」


 ラビにとってはファッション誌。

 念じれば欲しいの出てくるんだが、一つだけだからな。

 カタログも消えちゃうし。

 出さない方が夢を見られるんだろうな。


「ラビ邪魔したな。ゆっくり楽しんでいてくれ」


「何か用事があったのでは無いのです?」


「いいからいいから」


 どうせ時間なんてもて余すほどあるのだ。

 やっぱり、水やりは俺が一人で行ってしまおう。

 のめり込めるものがあるのに邪魔してはもったいない。


「あーるーじーさーまー? ラビにお手伝いしてもららえる様にとお願いしに来たのに、どうしてそうなるのじゃ?」


「あっ。お手伝いするのです!」


「いやいいよ。ほら、どうせ大したことは無いし」


「良くないのじゃ。こう言うのは毎日やることで習慣化させて体に刻み込まなくてはダメなのじゃ」


 シノがオカン化してきた。

 教育方針で衝突。

 ありふれた家庭のやりとり見たいでちょっと嬉しい。


「な、何故主さまはニマニマしておるのじゃ?」


「さあ、何でだろうね」


「ご主人さまのニマニマはちょっと気持ち悪いのですが、幸せそうなのです」


 き、気持ち悪い。

 いや、セーフだ!

 ちょっとだから大丈夫。

 『マジキモい』じゃないし。


 ともあれ、ラビがお手伝いしたいと言ってくれるのなら、手伝って貰おう。


 シノにはバナナ、ラビには栗林の水やりをお願いし、俺は大豆に水を撒いた。


 おっと。

 シイタケに水をやるのを忘れていた。

 あれも小まめに水をやらんと。



 水撒きが終わってしまえば、やることは何もない。


 暇をもて余してしまうな。

 たまにはごろごろして過ごすのも悪くないかもしれない。

 と思ったのだが。


「さて、わぁは海で釣りを楽しむとするかのう」


「釣りをするのか? 素手でモリモリ捕れるのに?」


「食うためなら素手で捕るがのう。釣りは釣りで楽しみたいのじゃ」


 そんなもんかね。

 釣りをしたことはあるが良さは分からんかったなあ。

 ぼーっとするのは嫌いじゃないが。

 ぼーっとし過ぎて魚を逃がしてしまうのだ。


「主さま。海には漁礁があった方が言いと思うのじゃ」


「ぎょしょう? ああ、漁礁か。魚の住みかが必要って事か」


 珊瑚とか倒木とかか。

 あっ。


「これも壺で良いだろう。何個か海に沈めておこう」


「ほー。主さまは壺が好きじゃのう……」


 感心しながら呆れるとか、流石忍者。

 器用さが高い。


「主さまも、釣りをするのじゃ」


「俺は良いよ。釣りをする様子をぼーっと眺めている方が性にあってる」


「い、いや、見られていると気が散るのじゃ」


 ああ、それもそうか。

 そりゃ、やりずらいわ。

 シノの釣りするところを見て過ごそうかと思ったんだけどなあ。

 じゃあ、ラビのところに戻ろうかな。



「あっ、ご主人さま。またお手伝いなのです?」


「いや、暇だからラビと遊ぼうかなって」


「あっ! ラビは面白い遊びを見つけたのです!」


 ほほう。

 金貨と銀貨を使って──。

 いや、金貨と銀貨を立てて並べるのか。


「こうやって、並べていって最後にぱたぱた倒すのです!」


「へー。それは面白いな。金貨と銀貨を並べて倒すと言う点が最高にクールだ」


「く、くーる?」


 ドミノ倒しと言うやつだな。

 あーそれ知ってるー!

 などとは言うまい。

 それにドミノ牌よりこっちの方が好きだ。


「な、なんだかご主人さま悪いかおしてるのです」


「あっはっは。気のせいだよ。金貨と銀貨を倒して遊ぼう」


「な、なぜ、倒すを強調するのです!?」


 さあ、何でだろうね?


 穏やかな休日。

 沸き上がる黒いものを感じながらラビと楽しく遊んで過ごした。


二章城なしまとめ

 施設

 ・かまど

 ・トイレ

 ・忍者ハウスnew!

 ・壺ぶろnew!


 家畜、魚

 ・茶色いヒヨコ

 ・ヤマメnew!


 畑など

 ・さつま芋の壺畑

 ・大豆の壺畑new!

 ・米の壺田んぼnew!

 ・シイタケnew!


 果樹など

 ・バナナ

 ・サルナシnew!

 ・ヤマグリnew!

 ・竹new!


 その他

 ・水源

 ・川:トイレ直行

 ・川:池通過new!

 ・海

 ・池new!

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