表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
189/301

百八十九話 城なしの下層を視てみよう

申し訳ありません。

百九十一話から百八十九話まで問題が多かったので巻き戻しました。

具体的な変更は以下の通りです。

・下品な部分を削除

・着ぐるみ人間族を登場させない

読者さまにはご迷惑をお掛けしますがもう一度お読み直し頂ければと思います。

 さて、時はあんまり進まず、マルチンを送り出してから、再び炊き出しをして見世物小屋のみんなと昼食をとったあとの事。


「ご主人さま。四つ葉のクローバーを見つけたのです」


 俺はラビと一緒に城なしの新しい層を視察がてらおさんぽをしていた。


「おおっ、なんか良いことあると言いな」


「良いこと無かった見世物小屋の人たちにあげるのです!」


「ああ、全部燃えちゃったしな……」


 ちなみにマルチンに聞いた話では、テントに火を放ったのはルーシアの人間だったそうな。


 そら、ヒゲリアよりもポールランドの方が立場が弱いから、テントにまだヒゲリア人がいる状態で火を放てる分けもない。


 ともかく、見世物小屋の人たちは衣食住の全てを失ってしまった。


 城なしに連れてきた以上は見世物小屋の人たちに責任をもって衣食住を提供しなくてはいけない。


 で、それらを深く考慮すると──。



 衣はどうにもならんので今着ているので我慢してもらう。


 あまりにも、ひどい状況であればツバーシャが以前ドラゴン渓のダンジョンで拾ってきたアイテムBOXを提供しよう。


 でも数がないので考えなしだともめそうだ。


 食は俺たちのストックで取り合えずは凌ぐ。


 ただ長くはもたないので安定した食料供給の手段を考える必要はある。


 そして、最後の住が問題だ。


 城なしの夜は冷えるからこればっかりは今日中に何とかしないといけない。


 マイホームに52人も詰め込むわけにはいかないし、52人も上の層にいたら俺の心が休まらないから下の階に見世物小屋の皆の住居を構えたい。



 ──と、言う結論にいたり、皆の住居をどうにかするために先ずは城なしの下の層を視察、いや、おさんぽと相なったわけだ。


「あっ! また四つ葉のクローバーを見つけたのです! みんなの分を集めるのです」


「いや、全員分集めていたら夜になって、なんもないところで野宿することになる。そしたら早速みんなしあわせどころじゃなくなるからほどほどにね」


「それもそうなのです」


 城なしの下層は上層三つ分の直径があり、かなりの広さになっている。


 地上をそのままくりぬいた形なので地面には草がはえて緑色。


 休ませている最中の畑らしくクローバーが目立つ。


 クローバーには多少土地を肥やす力があるので、耕すだけで畑になりそうだ。


 どれだけの間見世物小屋のみんなが城なしにいるのかは分からないが、商売道具がテントごと炭になったんだ。


 復興に一年や二年、場合によってはもっと掛かるかも知れない。


 なら、畑を作る必要もあるだろうし、そうなればこの土地が役に立つ。


「ご主人さま、変な棒が落ちていたのです」


「それはクワだよ畑を耕すのに使うんだ」


「でもボロボロなのです」


 恐らくここが畑だった頃に忘れ去られたものだ。


 クワの朽ち具合を見るにだいぶ長い間休耕していたと見てとれる。


 これは十分に収穫も期待できそうだ。


「ご主人さま……?」


 おっと、ぼんやりしてしまった。


「すまんラビ。次へ行ってみようか」


 葉っぱが萌える城なしの下層だが、はしっこの方には林もある。


 いや、元は森だったんだとは思うが、一部しか削り取れ無かったので林レベルの規模になった様だ。


 特に林に用は無かったのだが、手前に小屋があり丸太が積まれているのが見えたのでよってみる事にした。


「誰か住んでいるのです?」


「多分木こり小屋だから誰も住んではいないと思うけど、木を切っていた人がいるかもしれない。もしそうなら保護してあげないとね」


 と、ラビには言って見せたが俺たちに悪意や敵意を持つ人がいる可能性もあるのでその確認の意味もある。


 たが、それも杞憂だったようで。


「中には誰も居ないのです」


「居ないならその方が良いさ」


 小屋の中にはオノやノコギリ、ロープやナタなんかが壁に掛けてあるぐらいで、人の気配はなかった。


 人の手が加えられている林なので、見渡しがよく奥の方までよく見える。


 だから、ここに人が居ないなら城なしに迷いこんだ人は居ないと考えて良いだろう。


「誰もいなかったけど来た甲斐はあったかな」


「何か良いことあったのです?」


「役に立ちそうな工具が手に入ったからな」


 勝手に拝借するのは良心に反するけれど、返すわけにもいかないし、道具ってのは生き物で使わなければ腐ってしまう。


 それこそ、さっき落ちていたクワみたいに。


 なら、道具の為にもありがたく使わせてもらおうじゃないか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ