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望郷星99

「騙すのではありません。略奪するのです」と僕は言った。

彼女が謎っぽい感じで微笑み、おもむろに言った。




「何か褒められているのか、けなされているのか分からない言葉ですよね」




僕はすかさず言った。




「勿論褒めているのですよ。言ってみれば僕は貴女の心を略奪したくなったのですよ」





ふっと声を漏らすように一笑してから彼女が言った。





「私の心の何を略奪したくなったのですか?」





僕は束の間黙考した後答えた。




「貴女の僕に対する無いであろう恋心を略奪して恋心にしたいのです」




彼女が悪女じみた笑みを頬に湛え理詰めな感じで答えた。





「私の好奇心を略奪して恋心にすり替えるつもりなのですか?」




僕は酔いを吐き出すように熱い吐息を漏らしてから答えた。





「ええ、その通りです」





彼女が余裕の笑みを湛え言った。





「私を騙すのは容易ではありませんよ」





間髪を入れず僕は答えた。





「騙すのではありません。略奪するのです」

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