望郷星91
「あんたじゃ、ギネスブックも願い下げだね」と母さんは言った。
母さんが僕に尋ねる。
「どう、あんた未亡人気に行ったの?」
母さんと話していると僕は落ち着きひたすら安らぐ。
僕は答えた。
「ああ、酒飲み友達としては良好だね。美味い酒が飲めるよ」
母さんが一声笑い言った。
「又、あんたは酒かよ。もうあんた酒と結婚したらどうだい?」
僕は微笑み冗談をかました。
「酒と祝言上げて、アルコールと添い寝して身体中アルコール漬けになって、そんでもってアルコール溺死して、はい、さよならのおだぶつじゃ、洒落にもならないな。母さん?」
母さんが白け、ちっとも面白くないという顔をして言った。
「あんたと祝言上げてくれる酒さんもいないし、婚姻届受理する酒で出来た役所も無いから安心しなさいよ、お馬鹿さん」
僕は笑い、オーバージェスチャーで拍手を贈ってから言った。
「上手い、母さん、俺本当に結婚したくなって来たよ」
「酒とかい?」
安らぎにどっぷりと浸かり僕は笑い言った。
「そうだな。酒と結婚してギネスブックにでも載るかな」
無邪気に笑い母さんが言った。
「あんたじゃ、ギネスブックも願い下げだね」




