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望郷星88

「認めましたね。貴方は成美ちゃんに仄かな恋心を抱いていた事を。でも貴方はその恋心をごまかしたからこそ、屈折して発狂したのではありませんか?」と彼女は言った。

僕は喧嘩腰になるのを何とか堪えて言った。




「村瀬に対する友情は有りますよ。と言うか、例えば角度を変えての話しをすれば、僕が成美ちゃんを好きだと仮定しても、成美ちゃんの心には村瀬しかなく、僕の付け入る隙なんか無かったのですよ。それを略奪しろと言うのは無理な話しですよね」





彼女がしてやったりと眩しくほくそ笑み言った。





「貴方は認めるのですね。成美ちゃんへの尽きせぬ恋心を?」





僕は首を振り否定した。





「いえ、あくまでも仮定の話しをしているだけです」





推して図るように彼女の表情が再び柔和なものとなり、息をつき言った。





「その仮定の話しを認めた上で、貴方は成美ちゃんを村瀬という友達から略奪出来ないと判断したのですね」




僕は恭しく頷き言った。





「ええ、そうです。成美ちゃんの心には村瀬しかありませんから、例え僕が燃え盛る恋心の本に略奪愛を仕掛けても無駄だから、僕は成美ちゃんにぞっこん惚れたりはしなかったのですよ」





彼女が僕の言葉尻を見逃さず、すかさず突っ込みを入れて来た。





「認めましたね。貴方は成美ちゃんに仄かな恋心を抱いていた事を。でも貴方はその恋心をごまかしたからこそ、屈折して発狂したのではありませんか?」

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